今月の音遊人
今月の音遊人:亀田誠治さん「音楽は『人と人をつなぐ魔法』。いまこそ、その力が発揮されるべきだと思います」
7939views
ジャズのみならず、ロックやヒップホップにも積極的にアプローチする注目の若手ドラマー石若駿。彼が毎年新宿PIT INNでおこなっている3DAYSライブが、2022年も開催決定。今回で5年目を迎えるこの3DAYSは、縦横無尽の活動を繰り広げる彼にとって“再確認の場”なのだそうだ。
「5年前にPIT INNの鈴木店長に“石若、3日間使って何か好きなことやっていいよ”って言われたことから始まって。毎年関わる音楽とか、今年はこういう人たちと音楽をやってたなっていうのが、その一年に一回の3DAYS公演のおかげで、あらためて自分に刻めるような気がしてて。だからライブを企画する段階から結構楽しくて。今回は3日間で5公演になんですけど、“この日はあの人とライブができたら面白いだろうな”とか、いろいろ考えたりするのが楽しいですよね。もうお祭りみたいな感じです」
石若の心躍る様子はそのままプログラムに反映。初日のソロ・ステージから、意欲的なパフォーマンスが用意されている。
「約2年前から山口情報芸術センター【YCAM】とコラボでメディアアート作品を作って、2022年6月に発表しました。ソロ・ステージではそれの縮小版をやろうかなと思ってまして。石若駿の演奏を学習したAIと共に音楽をリアルタイムで作っていくっていうものなんですけど。実はこれまでの5年間の3DAYSでのソロ・パフォーマンスが、そのYCAMとのコラボに向けての大事な準備にもなっていたりして。だから今回もソロ・パフォーマンスでどんなフィードバックができるか、また新しい発見があるんじゃないかって楽しみにしてるんですよ」
ほかにもKing Gnuの常田大希率いるmillennium paradeでボーカルを務めるermhoiとのステージや、俳優としても活動するシンガーソングライターのHIMI、玉置周啓(ボーカル/ギター)と加藤成順(ボーカル/ギタ)のアコースティックユニットMIZとのコラボといった“歌”をクローズアップしたステージもあり、メロディーやハーモニーにこだわる打楽器奏者という石若の音楽的懐の深さを感じることもできるのだ。
「打楽器奏者としてメロディーとハーモニーに関わるっていうのは、忘れちゃいかん部分だと思っていて。例えばですけど、大太鼓を5度、1度って意識しながら2発叩くだけで、大太鼓でもドミナントやトニックをともなった音色って表現できると思うんですよね。ポップスの現場で8ビートを叩いてるときも、頭の中ではハーモニーとメロディーの関係を意識して鳴らしてますし、それはジャズでも一緒ですね」
さらに、曲ごとにメンバーを入れ替える石若主導のプロジェクトAnswer to Rememberや、2022年で15周年を迎える石井彰(ピアノ)、金澤英明(ベース)とのジャズトリオBoys Trioでも登場。いかに石若の表現が多岐にわたるかをPITT INNの3DAYSは物語っているが、彼にとってはあくまで“ひとりの自分”から出ている表現なのだという。
「自分には“いろんな音楽体験がしたい”っていうのがあるんですよね。あの人と一緒にやったらどんなインスピレーションが生まれるんだろう、どういう響きの音を出せるんだろう、オーケストラに入ってトゥッティでシンバルをフォルテシモで鳴らしたらどんな気持ちになれるんだろう……。そういう興味が幼少の頃からいろいろあって、それを実際に音楽体験したいって、いつも言ってるんです。だから今回のPIT INNの3DAYSのようにひとつの企画の中でいろいろやることも、全部“自分”なんだなっていう感覚ですね」
“いろんな体験”を望む石若のステージを新宿PIT INNで目撃する。それはきっと僕らにとっても新たな音楽の体験の場となるだろう。
2022年10月21日(金)【昼公演】14:00開演(13:30開場)、【夜公演】19:30開演(19:00開場)
2022年10月22日(土)【夜公演のみ】19:30開演(19:00開場)
2022年10月23日(日)【昼公演】15:00開演(14:30開場)、【夜公演】20:00開演(19:30開場)
会場:新宿Pit Inn
詳細はこちら
※チケットの予約販売受付が終了している場合があります。
最新情報は石若駿オフィシャルサイトよりご確認ください。
石若駿オフィシャルサイトはこちら
発売元:ANTXDEDE
発売日:2022年10月21日
価格:5,000円(税込)
購入はこちら
文/ 飯島健一
photo/ kana tarumi
本ウェブサイト上に掲載されている文章・画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。
ヤマハ音遊人(みゅーじん)Facebook
Web音遊人の更新情報などをお知らせします。ぜひ「いいね!」をお願いします!