今月の音遊人
今月の音遊人:石川さゆりさん「誰もが“音遊人”であってほしいですし、音楽を自由に遊べる日々や生活環境であればいいなと思います」
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目指したのは、深く長く音楽に没入できるヘッドホン。ハイエンドクラスの「YH-5000SE」誕生
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2022.11.29
ヤマハ初のフラッグシップモデルのヘッドホン「YH-5000SE」が2022年12月に発売。
音楽に没入したい。“超”長時間ヘッドホンで音楽を聴く。ヘッドホンに強いこだわりがある。そんなユーザーも、ヘッドホンでの新しい音楽体験を味わうことができるだろう。
YH-5000SEが目指したのは、深く長く音楽に没入できるヘッドホン。ポイントとなったのは、まずはTRUE SOUNDを形作る技術だ。
アーティストの意図した音を正確に表現し、リスナーの感情を高める──。すべてのヤマハホームオーディオ製品に共通するTRUE SOUNDという音質思想は、このヘッドホンにも貫かれている。
重要なキーとなったのは“平面磁界型”のドライバーだ。非常に薄い振動板を搭載し、駆動板を駆動させるポイントが多いのが特徴で、音にムラがなくクリアな高域と低歪の音質を実現する。一方で、構造的に複雑で、通常のダイナミックドライバーよりも設計が困難だ。
実はヤマハは1976年に発売されたヘッドホン「HP-1」に、すでに平面磁界型のドライバーを採用している。ただし、当時は現在の様にハイレゾ音源のような高音質音源が存在せず、そのまま現代の技術に流用できるものではなかった。当時の開発者のノートに記載されていた情報を元に、ヤマハの目指す理想の音を目指して開発が行われた。
HP-1の遺伝子を踏襲しつつも、現代の新しい技術で平面磁界型のドライバーを。その開発は、ゼロからのスタートとなった。2016年から研究と改善を繰り返し、千枚にも及ぶ振動版試作を経て生まれた今の形は、まさに開発者の探究心の結晶。しかし、同時に生産し続ける難しさも認識することになる。そこで本社から近い掛川工場で、熟練の職人による精度の高いドライバー作りが行われることになった。開発メンバーが足を運びやすい環境でもあり、高品質性をより担保できたのだ。
また、振動板の両面を挟むダンパーもTRUE SOUNDの実現に大きな役割を果たしている。メタルパンチングの微細孔ダンパーを採用することで、中高域のロスを軽減している。
ハウジングは、密閉型と比べて広い音場が味わえる開放型だ。内部にはステンレス素材を使用した日本製圧延平畳織フィルターを採用し、音抜けを調整。音が立ち上がった瞬間の密度感と開放感を両立する。
ユーザーの好みに合わせた音が楽しめる点にも注目したい。イヤーパッドはレザーと、世界的に評価が高い東レのウルトラスエードと呼ばれる素材の2種類。触感はもちろん、レザーはよりクリアで開放的な音、スエードはより温かみのある音と音質にも違いをもたらす。精悍さを感じさせる独自のデザインも、所有心をくすぐることだろう。
さらに、音楽再生に適した銅に、音に煌びやかさを与える銀コートを施したケーブルも、バランス、アンバランスの2種類。それぞれの組み合わせで、自分だけの音質をカスタマイズすることができる。
ふたつ目のポイントは軽量化と優れた装着感だ。
ハイエンドクラスのヘッドホンは、音はいいのだけれど重くて長時間つけていると疲れてしまう。そんな感想を持つ人は少なくないのではないだろうか。
YH-5000SEはマグネシウムを採用することで、わずか320グラムという軽量なボディを実現。また、2層構造のヘッドバンドと、スムーズに稼働してそれぞれの頭にフィットする細かな調整ができるステップレススライダーが極上の装着感を生む。
実際に装着してみると、その軽さは感動モノ。視聴ではレスポンスがすばらしく、音場はかなり広々。そのなかで1音1音が躍動する自然な没入感を得ることができた。国内外の評論家からも高評を得ているという。
販売は本体に2種類のイヤーパッドと2種類のケーブル、ヘッドホンスタンドが付属したセットで。別売りでXLRプラグのケーブルも用意されている。
目の前のパフォーマンスを聞いているかのような没入感を、あなたにもぜひ体験してほしい。
コンサートホールの広大な雰囲気や、小さなクラブならではの温かみを正確に再現することに加え、アーティストの位置や繊細な動きまで感じられるような臨場感と豊かな表現力のニュアンスを実現。まるで目の前のパフォーマンスを聞いているかのような没入感を体験できます。
文/ 福田素子
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