今月の音遊人
今月の音遊人:小沼ようすけさん「本気で挑まなければ音楽の快感と至福は得られない」
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古都・奈良が音楽で賑わう1日!春日大社の式年造替を記念した音楽祭プレイベントを開催
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2015.9.2
卑弥呼や大化の改新など、古代史の舞台となった奈良。飛鳥時代や奈良時代には、飛鳥文化・白鳳文化・天平文化などが栄えた。華やかな京都に比べると、素朴な印象がある奈良だが、一度その魅力を知ると虜になってしまう不思議な土地でもある。
その奈良の歴史と文化を象徴するひとつが、ユネスコの世界遺産に「古都奈良の文化財」のひとつとして指定された春日大社。768年、平城京の繁栄と国民の幸せを願って創建された。
およそ1300年におよぶ春日大社の長い歴史のなかで、ほぼ20年に一度、連綿と続けられてきたのが式年造替(しきねんぞうたい)だ。“遷宮(せんぐう)”という言葉を耳にしたことがある方は多いと思うが、春日大社では本殿の位置を変えずに建て替えや修復を行うため “造替”という。これは、神様のお住まいを新たにして清め、ご神威を次世代へと伝え継ぐと同時に、宮大工の技術を伝承するための叡智でもある。2015~2016年は、60回目となる節目の式年造替。これを祝して、春日野音楽祭プレイベントが2015年10月18日(日)に開催される。
会場となるのは、JR奈良駅前や春日大社の表参道である三条通り、近鉄奈良駅前、奈良公園など。公募によるバンドが春日大社の奥に控える神山、御蓋山に向かって奉納演奏を繰り広げる。奉祝行事とはいえ、ジャンルはさまざまで制約はない。古来、人々は神様に芸能を奉納してきたが、現代の市民が楽しんでいる様子を神様に見せることが一番大切だからだという。
来場者はもちろん観光で奈良を訪れた人も、演奏を聴くだけでなく気軽に参加できるようワークショップを開催したり、飲食・物販などをあつかうマルシェを設置したり。フィナーレを飾る『奉納大合奏~未来へのSing Sing Sing Feat.北村英治~』は、日本を代表するクラリネット奏者・北村英治氏を迎えた参加型イベントだ。ジャズの名曲『Sing Sing Sing』などを、楽器を持って集まった参加者で大合奏し奉納する。プレイベントと銘打ってはいるものの、その枠をはるかに超える充実した内容になりそうだ。
若い世代を中心とした地元の人々が世界遺産である春日大社や奈良の歴史・文化を見つめ直すきっかけになるとともに、外に向けてその妙味を発信していく春日野音楽祭。日本人のルーツを感じさせる雰囲気やそこここに神様が宿るような特別な空気感が奈良にはある。演奏者も聴く人も体験する人も、音楽を通じてその魅力を肌で感じられるに違いない。
春日大社第60次式年造替を記念して、奈良の有志たちによって開催される市民音楽祭のプレイベント。洋楽、邦楽、ジャズ、ロックなど、さまざまなジャンルの音楽で奈良の街が賑わう。
会期:2015年10月18日(日)
会場:JR奈良駅前、近鉄奈良駅前、三条通り、奈良公園、春日大社など
クラリネット奏者 北村英治さんと一緒に奉納演奏しませんか。
合奏、合唱での参加者を募集しています。※参加無料
演奏曲目:「Sing Sing Sing」「ムーンライトセレナーデ」「A列車で行こう」「花は咲く」「上を向いて歩こう」他