今月の音遊人
今月の音遊人:小曽根真さん「音楽は世界共通語。生きる喜びを人とシェアできるのが音楽の素晴らしさ」
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わくわくと気持ちが上がって楽しい!絵本感覚のカラフルな音楽用語辞典
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2023.5.25
tagged: 川西麻理, 見て読んで感じて覚える 音楽のことば辞典
イタリア発、子どものための『音楽のことば辞典』が出版された。ぜひ手に取ってほしい大注目の一冊だ。カラフルで愛らしく、「見て読んで感じて覚える」絵本のような本書。「なるほど」と驚く内容が満載で、大人が読んでも気持ちが高揚する。
原作者はイタリアの音楽教育専門家、ラウラ・ペーコ。イラストと日本語版の執筆を、イタリア在住20年という音楽家で音楽ジャーナリストの川西麻理が手がけた。2011年にイタリア語で出版された原書にイラストレーターとして関わった川西の熱い想いにより、日本での出版が実現した。
音楽用語のイタリア語は、イタリア人にとってはすでに知っている日常語。そのため原書をそのまま翻訳しても日本では伝わりにくい。そこで、原作者の了解を得て、音楽用語を日常語に置き換える手法で執筆した。例えばフェルマータ。そこには、こんなことが書かれている。
「イタリア語でフェルマータってなんの意味か知ってる?実は停留所って意味なんだ!音楽の世界でもまったく同じ意味で使われる。好きなだけ止まってていいよということだ」(本文より)
川西はこう語る。
「日本人にとっては音楽用語であるフェルマータも、イタリアでは日常語です。それがバスや路面電車の停留所のことだと知ると、ただ長く音をのばすのではなくて、そこで止まるんだとわかります。のばすと止まるでは、概念がまったく違いますよね。このようにイタリア語の本来の意味を知ることで、単に用語を覚えるだけではない、歴史や文化も含めた学び方ができるのではないかと思います」
なかには「音」「静寂」といった、とても深い項目もある。こうした言葉のチョイスに、原作者が子どもたちに伝えようとする音楽の真髄が感じられる。また、ちょっとしたイタリア語の勉強にもなるのも、とても楽しい。1ページ目に見開きを取り、スペースのほぼ半分に絵を配する構成にも工夫が。説明的ではない、ぬくもりある優しい絵が、音楽のイメージを豊かに広げてくれる。
「子どもは絵の印象から入ると思いますので、まず絵を覚えて、そのページを何度も開いてくれたらいいなと思います。音楽の勉強は後になってわかることが多いものです。大人になって、あの絵の話はこういうことだったんだ、と気づいてくれたら嬉しいですね」
どこからでも好きなページをめくって読めるのが辞典の醍醐味。親子で、先生と生徒で、友だち同士で、一緒に見たり読んだり話したり……。そこからまた多彩な話題が広がるに違いない。そして音楽を勉強中の学生たちにもお勧め。音楽を学ぶとはどういうことなのかの展望が開けるはずだ。
『見て読んで感じて覚える 音楽のことば辞典』
発売元:ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス
料金:1,760円(税込)
詳細はこちら
文/ 芹澤一美
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tagged: 川西麻理, 見て読んで感じて覚える 音楽のことば辞典
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