今月の音遊人
今月の音遊人:渡辺真知子さん「幼稚園のころ、歌詞の意味もわからず涙を流しながら歌っていたのを覚えています」
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だれもがサクソフォン演奏を楽しめるために。それぞれのお客様に寄り添ったサービスを
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2024.4.22
tagged: お客様コミュニケーションセンター, カスタマーサポート通信, デジタルサックス, お客様コミュニケーション課
ヤマハ製品のお客様相談窓口である「お客様コミュニケーションセンター」。さまざまな問い合わせに迅速に応対するため、日ごろから他部門とも連携することでサービス向上に努めています。
今回は開発部門とのリレーションシップで「片手で吹けるサックス」をご案内したケースについて、「お客様コミュニケーションセンター」の平井大生さんと、電子楽器事業部の宮崎裕さんに聞きました。
「お客様のご質問に対して、いかにスピーディーにわかりやすくお答えするか。私たちが尽力していることであり、そのために日々製品の勉強をしているのですが、どうしても解決が難しい場合は開発部門に相談することもあります」
平井さんは、そう話します。その開発部門も「お客様コミュニケーションセンター」のサポートに注力しているといいます。
「お客様の声はレポートとして開発部門に届けられて、さまざまなご質問やご意見をいただいたことを知ることができます。お問い合わせがあってから動くとスピード感が失われてしまうので、さまざまな情報を集めて今後想定されるご質問に対する回答をあらかじめ提供していますね」と宮崎さん。
新たな機能を搭載した新製品については、とりわけ開発部門とのリレーションシップが重要となります。たとえば、2020年に新登場したデジタルサックス(YDS-150)。「アコースティックとデジタルの融合」のコンセプトどおり、お問い合わせに応対する側にとっても双方の領域をまたぐものでした。また、吹奏楽部や音楽教室で習いはじめるアコースティック管楽器とは異なり、初心者でも手軽に吹けるデジタル楽器は通販サイトで購入し、動画などを見て独学で始めることが少なくありません。「お客様コミュニケーションセンター」は、“先生”の役割も担うことになり、開発部との緻密な情報交換が行われました。
「意外に思われるかもしれませんが、さまざまなお問い合わせのなかで目立って多いのが購入前相談です」(平井さん)
最近は、アコースティック楽器でも通販サイトで購入する方が増えました。そこで、購入にあたってのご質問が寄せられているのです。また、それぞれの事情を抱えたお客様からの相談もあります。あるとき、こんなお問い合わせがありました。
「私は右腕が欠損しているのですが、左腕だけで演奏することができるサックスを購入することは可能でしょうか」。アルトサクソフォンは楽器の保持やキイの操作にどうしても両手が必要です。それでも、お客様にとって有効な情報をひとつでも提供できないだろうか。模索を続け、たどり着いたのがデジタルサックスでした。
実は、その開発に携わったのが宮崎さん。宮崎さんには熱い思いがありました。
「デジタルサックスは『いつでも、どこでも、だれでもサクソフォン演奏の楽しみを味わえる』を掲げていますが、実は僕にとっては『だれでも』が重要なキーワードでした。自分自身、市民楽団に属して管楽器を演奏していたのですが、健康上の理由から楽器の演奏を諦めざるを得ない人もいました。そのような人の背中を押すことができる楽器をつくりたいと常々思っていたのです」(宮崎さん)
デジタルサックスは音量調整やMIDI対応などに注目が集まることが多い楽器ですが、専用アプリを使えば自由に運指を設定できる機能を備えていることはあまり知られていないかもしれません。現在は右手だけ、左手だけの設定をする際のベースとなる運指を専用アプリに組み込み済みなので、一から自分で設定しなくてもより手軽に機能を使いこなすことが可能になります。
「片手で楽器を持つには工夫が必要なものの、片手で演奏するための運指を設定すればご使用いただけると考え、お客様に情報をお伝えしました」(平井さん)
お客様に寄り添い、さまざまな角度から解決の糸口を探ることで、さらなるサービスの向上を目指しています。
文/ 福田素子
photo/ 湯浅立志
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