Web音遊人(みゅーじん)

THR100Hシリーズ

細部までアナログの質感にこだわったデジタルアンプが登場!自宅からライブ会場への持ち運びも気軽に

さまざまなシーンで快適な演奏を実現するヤマハの新コンセプトギターアンプ、THR。このたび、THRのアンプヘッド「THR HEAD」が登場した。
小型のTHR5 やTHR10が、主に自宅で「適度な音量」の「良い音」でギターサウンドを楽しむのを目的にしていたのに対し、THR HEADは、より活躍の幅を広げ、ライブで大音量を鳴らすことを前提に製作された。

まず、そのルックスであるが、デジタルっぽさは全くない。「中に真空管が入っているアンプ」と言われてもおかしくないようなクラシックな佇まいだ。ノブもアナログアンプと同様に並んでいる。
ギターを繋いでノブを回してみると、各イコライザー、GAINなどの効き方はアナログアンプのそれと同じ感覚だ。特にGAINは、アナログアンプのファジーな感じがかなり再現されていて面白い。
ヤマハの担当者によると、今回こだわったところはまさにその点で、中身はデジタルアンプだが、サウンド、インターフェイス、操作性においては従来のアナログアンプと同じ感覚で使用できるよう開発に注力したとのこと。

さらにフロントのノブを見ていこう。まず一番左側のノブでモデリングされたアンプを選ぶ。“MODERN”“LEAD”“CRUNCH”といったようにネーミングされているが、それぞれ真空管アンプの名器がモデリングされており、「“LEAD”はブリティッシュ系のあのアンプね!」という具合にそのキャラクターは分かりやすい。

フロントのノブ

液晶パネルやボタンを排除し、1つのノブには1つの役割のみを持たせることで、直感的に操作できるように設計。

アンプを選んだら、あとはアナログアンプと同じ感覚でサウンドメイキングできるので、詳しい説明は特に必要ないだろう。
“MASTER”“GAIN”の調整でクリーントーンからディストーションサウンドまでフレキシブルに作ることができ、その音にいわゆるデジタルっぽさは感じられない。
出音としてはまさに状態の良い真空管アンプといったところか。
大音量にするとデジタルっぽさが出てきそうなものだが、「大音量にした時に発生するアナログ特有の揺れの特性までモデリングしている」とのこと。そういったところまで計算しつくされているのもさすがだ。
ブースターも付いていて、さらに強く歪ませることができる。
トータルで見ると歪みに関してはかなり幅を持っており、このアンプ内でほぼ完結していると言えるだろう。

また、上段下段に2系統のアンプを搭載した「THR100H Dual」は、全く違うアンプを切り替えられるだけでなく、同時に鳴らすことができる。例えば、ブリティッシュ系アンプのディストーションサウンド(1ch)に、アメリカ系アンプのクリーントーン(2ch)を加えることができる。音を強めに歪ませると、音の芯が無くなってフレーズラインがよくわからなくなることがあるが、アンプが2つの系統を持っていれば、クリアーな音をミックスしてフレーズラインをわかり易くするということもできる。
普通はアンプを2台用意しないとできないことが、1台のアンプでできてしまうというわけだ。
アンプの系統やブースターの「オン」「オフ」に関しては、付属のフットスイッチを使ってライブで切り替えが可能だ。
このような機能がデジタルアンプならではのメリットであり、実際に試してみて、今までにないアプローチで音作りができると感じた。

THR100H Dual

スピーカーキャビネット「THRC112/ 212」は、「THR100H Dual」に内蔵された複数のアンプモデルや真空管のシミュレーションに柔軟に対応できるよう設計、チューニングされている。

そして何よりも素晴らしいのは片手で持ち運べる4.2kgという軽さである。
これなら自宅で細かく作りこんだ音を、スタジオやライブなどの現場で再現することが気軽にできる。

THR100Hシリーズは、ギタープレイ、音作りの新たな可能性が広がるアンプではないだろうか。自宅と現場を繋ぐ新たなツールとしても活躍しそうだ。

■THR100H/THR100H Dual

5kgに満たない軽量かつコンパクトボディながら、100Wのパワーを持つアンプヘッド「THR HEAD」。スタジオやライブハウスに気軽に持ち運んで、自分の作り込んだサウンドを再現できます。ヤマハの優れたモデリング技術により、大音量のライブでも、ラインでのレコーディングでも、本格的な真空管サウンドを実現します。

製品の詳細はこちら

 

特集

今月の音遊人:葉加瀬太郎さん

今月の音遊人

今月の音遊人:葉加瀬太郎さん「音楽は自分にとって《究極のひまつぶし》。それは、この世の中でいちばん面白いことだから」

10922views

音楽ライターの眼

ギリシャ出身のハード・ブルース・ギタリスト、スタヴロス・パパドポウロスがロリー・ギャラガー・トリビュート作を発表

3939views

音楽を楽しむ気持ちに届ける「ELC-02」のデザインと機能

楽器探訪 Anothertake

【動画】「楽しさ」をまるごと運ぼう!「ELC-02」の分解、組み立て手順

17479views

初心者必見!バンドで使うシンセサイザーの選び方

楽器のあれこれQ&A

初心者必見!バンドで使うシンセサイザーの選び方

23077views

桑原あい

おとなの楽器練習記

おとなの楽器練習記:注目の若きジャズピアニスト桑原あいがバイオリンの体験レッスンに挑戦!

15013views

オトノ仕事人

大好きな音楽を自由な発想で探求し、確かな技術を磨き続ける/ピアニストYouTuberの仕事

43825views

秋田ミルハス

ホール自慢を聞きましょう

“秋田”の魅力が満載/あきた芸術劇場ミルハス

4284views

日生劇場ファミリーフェスティヴァル

こどもと楽しむMusicナビ

夏休みは、ダンス×人形劇やミュージカルなど心躍る舞台にドキドキ、ワクワクしよう!/日生劇場ファミリーフェスティヴァル2022

2708views

小泉文夫記念資料室

楽器博物館探訪

世界の民族楽器を触って鳴らせる「小泉文夫記念資料室」

21747views

われら音遊人

われら音遊人:アンサンブルを大切に奏でる皆が歌って踊れるハードロック!

4662views

山口正介さん

パイドパイパー・ダイアリー

「自転車を漕ぐように」。これが長時間の演奏に耐える秘訣らしい

5869views

ポロネーズに始まりマズルカに終わる、ショパンの誇り高き精神をめぐるポーランドの旅 - Web音遊人

音楽めぐり紀行

ポロネーズに始まりマズルカに終わる、ショパンの誇り高き精神をめぐるポーランドの旅

28968views

おとなの楽器練習記

おとなの楽器練習記:和洋折衷のユニット竜馬四重奏がアルトヴェノーヴァのレッスンを初体験!

4520views

民音音楽博物館

楽器博物館探訪

16~19世紀を代表する名器の音色が生演奏で聴ける!

10962views

塩谷哲

音楽ライターの眼

内なるポリフォニーが導くジャズピアノの展開力/塩谷哲 PIANO CONCERT 2023

1867views

調律師 曽我紀之

オトノ仕事人

演奏者が望むことを的確に捉え、ピアノを最高のコンディションに整える/コンサートチューナーの仕事

2826views

AOSABA

われら音遊人

われら音遊人:大所帯で人も音も自由、そこが面白い!

11253views

ギター文化館

楽器探訪 Anothertake

歴史的ギターの音を生で聴けるコンサートも開催!

6952views

紀尾井ホール

ホール自慢を聞きましょう

専属の室内オーケストラをもつ日本屈指の音楽ホール/紀尾井ホール

13673views

山口正介 - Web音遊人

パイドパイパー・ダイアリー

この感覚を体験すると「音楽がやみつきになる」

8171views

楽器のあれこれQ&A

いつも清潔にしておきたい!ピアニカのお手入れ、お掃除方法

275974views

こどもと楽しむMusicナビ

親子で参加!“アートで話そう”をテーマにしたオーケストラコンサート&ワークショップ/第16回 子どもたちと芸術家の出あう街

5187views

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブにサルサ!キューバ音楽に会いに行く旅 - Web音遊人

音楽めぐり紀行

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブにサルサ!キューバ音楽に会いに行く旅

24709views