Web音遊人(みゅーじん)

上原ひろみインタビュー

スリリングな音楽の会話で綴っていく物語、新作『SPARK』/上原ひろみインタビュー

2015年12月、「上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト フィーチャリング・アンソニー・ジャクソン&サイモン・フィリップス」の大阪(ビルボードライブ大阪)、東京(ブルーノート東京)公演で連日ファンを湧かせ、クリスマス・イヴには「上原ひろみwith新日本フィルハーモニー交響楽団」で満場のファンを興奮の渦に巻き込んだ上原ひろみ。2016年2月3日にリリースされた新作『SPARK』も、トリオの無限の可能性を感じさせる傑作だ。

ピアノと同化するかのように、全身からあふれ出る音楽に躍動する上原ひろみ。世界的プレイヤー、アンソニー・ジャクソン(コントラバス・ギター)、サイモン・フィリップス(ドラム)との「上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト」も結成から5年、息の合った演奏に一層の磨きがかかる。
ジャズ演奏を会話にたとえ、「誰がどこでどんな発言をするかわからないなかで、相手の言葉にどう応えていくか。そんな会話がずっと続く感じ」と語る。3人の間に厚い信頼関係を築けたからこそ弾む、演奏という会話。「やればやるほどおたがいの呼吸感がわかってくるので、化学反応として深いものになると思います。それぞれに(演奏で)驚かせたいという思いがありますから、いつも新しいサウンドを探しながら、一緒に冒険旅行をしているようなものですね」

そんな「上原ひろみ  ザ・トリオ・プロジェクト」の新作『SPARK』は、このトリオとして第4弾、リーダーアルバムとしては通算10作目となる。火花が散るような衝撃(スパーク)を人が受けたとき、そこから生まれるひとつの物語を小説や映画、舞台のように紡いだという。全9曲の曲順が、まるで人生そのもののようでもある(カッコ内は曲名)。

「そうですね。まず、人が何かに心をわしづかみにされ(Spark)、トランス状態になり(In A Trance)、どこかに連れ去られたい(Take Me Away)、と望んで、連れ去られたワンダーランド(Wonderland)、で時間を忘れておぼれ(Indulgence)、ここにいるべきか進むべきかとジレンマ(Dilemma)、に陥る。なるようになるさ(What Will Be Will Be)、と思って、我に返り起こって来た出来事に想いを馳せ(Wake Up And Dream)、終わりよければすべてよし(All’s Well)。そんな物語です」
これはまさに、3人のスリリングな音楽の会話で綴っていく物語だ。

上原ひろみインタビュー

「ライブは生きがい」と語る上原。この新作とともにツアーも始まる。音楽的にはこれから何を目指すのだろうか。
「ピアノの音色と即興の語彙力を増やして、ピアノでもっと表現できるようになりたいですね。ピアノとの距離感をさらに縮めたいのです」
ピアノとの一体感に、さらなる高みを求めるのだという。
「ピアノという楽器は音色が多彩で、私にとっては大きな山のような存在です。ある瞬間にはピアノとつながれた、距離が縮まったと思えても、やればやるほど山頂は遠くなる。そんなふうに感じます」

音色というパレットに今以上に色が増え、即興の語彙力も増したとき、彼女の演奏からどんな“SPARK”が発せられるのか。世界が注目する上原ひろみの進化は、どこまでも無限大だ。


「SPARK」メイキング映像

■アルバムインフォメーション

上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト フィーチャリング・アンソニー・ジャクソン&サイモン・フィリップス
『SPARK』
発売元:ユニバーサル ミュージック
発売日:2016年2月3日
価格(3形態同時リリース):
【初回限定盤 SHM-CD+DVD】3,300円(税抜)
【通常盤 SHM-CD】2,600円(税抜)
【プラチナSHM盤】3,300円(税抜)

オフィシャルサイトはこちら

 

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