今月の音遊人
今月の音遊人:Charさん「いろんな顔を思い出すね、“音で遊んでる”ヤツって。俺は、はみ出すヤツが好きなんだよ」
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今月の音遊人:MORISAKI WINさん「音は感情を表すもの。もっと音楽を通じたコミュニケーションをして、世界を見る目を広げたい」
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2021.12.1
tagged: 森崎ウィン, インタビュー, 今月の音遊人, MORISAKI WIN
俳優として多忙な日々を送る中、2020年にメジャーデビューし、歌手としても本格的に活動しているMORISAKI WIN(森崎ウィン)さん。グローバルに活躍している彼だけあって、音楽の捉え方にも広い視野が反映されています。
撮影などの現場帰りに運転しながら聴くと、めちゃめちゃ癒される曲があるんです。『不得不愛(ブ・デ・ブ・アイ)』っていう曲で、元は韓国のFreeStyleというラッパー2人と、女性のシンガーで歌っている曲なんですけど、それを中国語でカバーしているんです。
原曲を知ったのは21、2歳ぐらいの時で、仲の良かったクラブのDJさんがお開きの時にかけていた曲でした。R&Bとかで盛り上がった最後に、その曲がスッと体に染み入ってくる感じで。だから、1日の終わりといったら、これに戻るっていう自分がいたんですよね。後に中国語バージョンがあることを知り、それがこの『不得不愛』でした。歌っている弦子(Xian Zi)というシンガーは、「アイ・ラブ・ユー」というところを、「アイ・ラブ・“フュー”」って歌うんです。「F」が入るんですよね。これがかわいくて!サウンドの響きもなじみのある感じです。ミャンマーは中国のドラマとか時代劇とかが昔から入ってきていたので、そのBGMの雰囲気を感じるんですよね。
音は、感情を表すものという気がしています。例えば「いや、全然怒ってないから……バンッ!(とテーブルをたたく)」。こういうのに、僕すごく敏感なんです。ドアの閉め方などもそうですね。人間の行動によって生まれるものだから、音って感情だなあって思います。コロナ禍の今は、マスクをしていて表情がわかりづらいから、なおさら音には敏感になりますよね。音楽も同じで「きっとこいつ、このパートをイライラしながらレコーディングしてるな」って、すぐわかります。あ、自分のことですよ(笑)。うまく歌えなくて、イライラしながら録っているなあって。いくらエフェクトをかけようが、そこに人間味が出てしまう。いいことでもあると思うんですけどね。
好きな音?僕、寝るときに窓を開けていることが多いんです。車の走る音とか嫌いじゃないし、ちょっと風が吹いていたりするのもすごく好きなんです。安心感が生まれるというか。むしろ無音だと色々なことを考えちゃって眠れない。窓が開けられないホテルだと、ユーチューブなどで何か音を流しながら寝ることもあります。きっと、音自体が好きなんですね。
「音遊人(みゅーじん)」って、いいネーミングですよね。すてきだなあ。考えた人、誰ですか?(笑)。この言葉で連想したのが、動物です。生物って言った方がいいかな。僕ら人間は言葉というものがあって、それで意思を伝えたりするけど、動物は言葉がなくても木をたたいたりして何かを知らせますよね。鳥も木をつついたりして、ね。彼らにとって音は、コミュニケーションツール。だから、音で遊んでいるのは生物全般だと思うんですよ。それが発展して、音楽、ミュージックになっていく。人類も最初は太鼓をたたいているイメージですよね。僕も暇になると、こうやって遊んでますよ(と言って、テーブルをリズミカルにたたく)。そうそう、今、ドラムをやりたくて、電子ドラムを買おうか迷ってるんですよ。(「いいものを取り揃えてますよ」と、ヤマハスタッフの声)。そっか!それ、MIDI入力もできるんですか?いくらですか?(……と、しばし脱線)
僕にとっても、音楽活動はコミュニケーションの一つになっていると思います。ゆくゆくは、ギター1本持ってアジアを回ったりしたいな。弾き語りツアーみたいなのをしたいです。武者修業ですね。この間、ナオト・インティライミさんが話してくれたんですけど、知らない土地に行っても、サッカーと音楽ができれば大丈夫だよって。いきなり乗り込んでも、すぐライブできるからって。だから、もっと音楽を通じたコミュニケーションをして、世界を見る目を広げていきたいなと思っています。
MORISAKI WIN〔もりさき・うぃん〕
1990年8月20日生まれ。ミャンマーで生まれ育ち、小学校4年生の時に来日。中学2年生の時にスカウトされ、芸能活動を開始。2008年にダンスボーカルユニットに加入し、メインボーカルを担当する。俳優としては、2018年に公開されたスティーヴン・スピルバーグ監督の映画「レディ・プレイヤー1」で主要キャストに抜擢され、ハリウッドデビュー。2020年、映画「蜜蜂と遠雷」で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。同年7月、『パレード – PARADE』でメジャーデビュー。全世界に向けた配信ライブなど海外を視野にした音楽活動を積極的に実施する。2021年5月、ファーストアルバム『Flight』を発売し、同年10月には新曲『Me,Myself and I』を配信リリース。
オフィシャルサイト
文/ 仁川清
photo/ 阿部雄介
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