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われら音遊人:高度&骨太なサウンドにソウルフルな歌声が響く!
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2025.6.12
tagged: アマチュアミュージシャン, われら音遊人, Nuttin Special
ブルース、R&B、ファンクを融合したセンスあふれるオリジナル楽曲を、正確なサウンドとソウルフルなボーカルで聴かせるNuttin Special。それぞれの音楽的ルーツを聞くと、その完成度の高さに納得だ。
まず、なっちゃんことリーダーの田村奈津子さん(ベース)の職業は、ベース講師。Gさんこと齊藤“G”秀明さん(ギター)は、ギターショップのオーナー兼ブルースのセッションホスト。ゆみちゃんこと宮倉由美さん(ボーカル、ギター、ピアノ)は、アメリカロサンゼルスの音楽学校を卒業後、現在はエレクトーン講師。りえちゃんこと高田利江さん(ドラム、パーカッション)は、宮倉さんと同じロスの音楽学校出身で、ウェブデザイナーの傍らいくつものバンドから引っ張りだことのこと。
左上:宮倉由美さん、右上:リーダーの田村奈津子さん、左下:高田利江さん、右下:齊藤“G”秀明さん。
平日の夜、それぞれのメンバーが仕事などを終えたあと、いつも練習している千葉県本八幡の音楽スタジオに集合。
そんな4人がバンドを結成したのは2004年。田村さんによれば、「私の子育てが一段落し、かつてヤマハのEastWest(アマチュアバンドコンテスト)に一緒に挑戦したりえちゃんと、渋谷にあったヤマハで出会い、ともにセッションに明け暮れたGさんに声をかけたのがきっかけです。そのとき、“魂を込めて歌える人、誰か知らない?”と相談したところ、りえちゃんがボーカルのゆみちゃんを連れてきてくれて、この4人でバンドをスタートすることになりました」とのこと。
楽曲は田村さん、宮倉さんが共同で作り、曲を完成させる際は、スタジオ練習で一人ひとりがアレンジなどの意見を出し合い、4人全員が納得するまでとことん練るのがNuttin Special流。
「ところが、2曲のオリジナルを作り、レコーディングしたところで、メンバーの環境の変化があり、突然、活動が休止状態になったんです」と言うのは齊藤“G”さん。
「復活のきっかけは、コロナで緊急事態宣言が出された2020年。家にいて時間があったこともあり、その2曲をYouTubeにアップしてみると、意外なほどの反響があってびっくりしました。これをきっかけに“4人でまたやろう”と。その後、徐々にスタジオに入るようになり、ライブも再開しました」
およそ15年の休止期間中も、各々別のバンドを持ち、音楽活動を継続していたというメンバーたち。久しぶりに集まって感じたのは、それぞれのテクニックのさらなるレベルアップだったという。
「みんなの技術が一段と上がっていて、リズムが非常に気持ちいいし、思わずテンションが上がるグルーヴ感がある。久しぶりに会ったのに、これだけやれるの!という衝撃がありました」と田村さん。
高田さんも「もともと技術力の高いメンバーがそろっていましたが、休止中も腕を上げ、4人から繰り出される音が合わさったとき、演奏中にマジックが起きたみたいにワクワク感が止まりませんでした。再スタートできて、本当にうれしかったです」と言葉を続ける。
2024年10月には東京都墨田区で開催された「すみだストリートジャズフェスティバル」に出演し、圧巻のパフォーマンスを披露。
さらに宮倉さんも「コロナ明けということもありましたが、一緒に音楽をやりたい気持ちはみんな同じだったから、演奏していてどんどん心が躍るんですよね!」と笑顔。
「そうなると、オリジナル曲も昔とは全然違う、新しいものができました。以前なら“ブラックミュージックはこうでなきゃ”と、自分たちで型にはめていましたが、今は“もっと自由でいいんじゃない?”という気持ちが湧いてきて。新しく作った『Music』という曲では、今まで自分たちが聴いてきた音楽が融合したというか、ジャンルにとらわれず、Nuttin Specialならではのオリジナルを追求できたかなと思います。また、“こんな演奏の展開どう?”なんて、これまでなかった自由な発想が今はたくさんありますね」
改めて今、ライブで心がけていることを聞くと、田村さんから次のような答えが返ってきた。
「楽器の音量バランスを入念にチェックする作業は、ライブの完成度を上げるためにも最低限必要なこと。かつ完璧な演奏を心がけますが、それ以上に大切にしたいのは、私たちのパッションがお客様に伝わること。普段はみんな家庭や仕事を持っているので、ペースはゆっくりかもしれませんが、曲づくりもして、この先もNuttin Specialの活動を息長く続けていきたいですね」
2023年に発表したファーストCD『Nuttin Special』。ライブ会場やインターネットで販売しているほか、配信も行っている。
Q.最近のライブは?
2025年6月7日(土)に千葉県新松戸のFIRE BIRDというライブハウスで開催されたイベント「BLACK BIRD FESTIVAL」に出演しました。CD『Nuttin Special』からの楽曲を中心に、新旧のオリジナル曲も織り交ぜて、ノリノリの演奏で会場を盛り上げました!
Q.ライブの醍醐味とは?
ライブ中、たとえお客様が声を発していなくても、客席から波のようなものを感じることがあるんです。その波を受けて、私たちからも演奏によって新しい波を返して、会場全体に大きな波が起こるような感覚があって。「これがあるからやめられない」と思える瞬間です。そんな場面をこれからもたくさん作っていきたいですね。
バンド紹介
●バンド名:Nuttin Special(ナッティン・スペシャル)
●結成時期:2004年
●活動内容:2、3か月に1回のペースでライブを行うほか、「すみだストリートジャズフェスティバル」などのイベントに出演。
●練習頻度:月1、2回、各約3時間
●年齢構成:50代
●メンバー:田村奈津子(ベース)、宮倉由美(ボーカル、ギター、ピアノ)、齊藤“G”秀明(ギター)、高田利江(ドラム、パーカッション)
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文/ みやじまなおみ
photo/ 坂本ようこ
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