今月の音遊人
今月の音遊人:上原彩子さん「家族ができてから、忙しいけれど気分的に余裕をもって音楽と向き合えるようになりました」
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音楽を通して友だちになり、夫婦になったという2組の夫婦4人編成のバンド。音楽を縁(えにし)に出会い、さらにいろんな人と出会いたいという気持ちを込めて、「いろんな(any)出会いを(see)」=「AnySees(エニシーズ)」と名づけた。
松戸仁一(じんいち)さんと吉田廣司(こうじ)さんは中学のブラスバンド仲間。同じ高校に進み、フォークバンドやロックバンドを組んできた。松戸裕子(ゆうこ)さんと吉田愛理(えり)さんは音大の友だち同士。裕子さんと仁一さんのお付き合いが縁で、20歳のときにメンバー4人と仲間を集めて、オリジナルミュージカルを公演したこともある。
社会人になってバンド活動は卒業したものの、数十年たっても仁一さんと廣司さんは毎月飲み交わす間柄だった。8年前、お互いの伴侶とともにライブバーで飲んでいたときにオーナーからすすめられ、40年近いブランクを経て4人でバンド活動を再開した。
楽曲はそれぞれが好きな曲を持ち寄り、4人の相談で決めていく。ジャンルは限定せず、ビートルズやカーペンターズ、アバ、ザ・ピーナッツ、中島みゆき等々。ロックにフォーク、カントリーと幅広い。また、仁一さんや廣司さんのオリジナル曲も多く、レパートリーは60曲を超えるという。
「すべてにハーモニーを入れたいというのが僕たちのスタイル。その一方でライブでは必ず全員が一曲はソロで歌うようにしています」と、廣司さんがライブ構成について話す。
もうひとつ、エニシーズの大きな特徴は、曲によって楽器の担当を自在に変えていること。全員がボーカル・コーラスを担うのに加えて、仁一さんはギター、ベース、キーボード、廣司さんはギター、ベース、裕子さんはピアノ、ドラム、パーカッション、愛理さんはシンセサイザー、パーカッションと、複数の楽器をこなす。裕子さんはドラムを2年ほど前から習い始め、愛理さんは現在ギター教室に通っている。バンドを始めてからさらに楽器のレパートリーを増やしているのだ。
「それぞれ演奏する楽器が増えていくから、セットリストを考えるのもひと苦労。音を厚くするためにメンバーを増やすという手もあるけれど、そうは考えない。この4人でやるという形は崩したくないんです」と、バンドリーダーの仁一さんは、このメンバーだからこその音を大事にする。
バンドを始めてから夫婦の会話も音楽の話題がグンと増えたという2組。その仲むつまじい姿は、ライブにくるお客さんたちからもうらやましがられるほどだ。常連さんも多く、なぜかみんな、彼らのライブが終わるとカラオケに行きたくなるのだという。
「僕たちの歌を聴いて、自分たちも歌いたくなるみたい」(廣司さん)というエニシーズのさわやかなハーモニー。人生のさまざまな局面を乗り越えて、仲間と音楽に夢中になれる時間を楽しむ。そんな姿が同世代のみならず、幅広い世代の共感を呼んでいるに違いない。
●バンド名
AnySees(エニシーズ)
●結成時期
2008年10月
●モットー
いつでも、どこでも、いろんな出会いを!
●練習頻度
集まるのは週1回。お互いの家を行き来して練習。
●平均年齢
66歳
●メンバー
松戸仁一/Jin(ギター、ベース、キーボード、ボーカル)
松戸裕子/Yuko(ピアノ、ドラム、パーカッション、ボーカル)
吉田廣司/Kozi(ギター、ベース、ボーカル)
吉田愛理/Ery(シンセサイザー、パーカッション、ボーカル)
●活動内容
月に1度、池袋のライブバーで3曲を演奏。都内ライブハウスで年数回の演奏のほか、毎年、池袋のフォーク&カントリーフェスティバルに出演。
文/ 佐藤雅子
photo/ 阿部雄介
tagged: アマチュアミュージシャン, われら音遊人, AnySees
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