今月の音遊人
今月の音遊人:矢野顕子さん 「わたしにとって音は遊びであり、仕事であり、趣味でもあるんです」
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リコーダーアンサンブル「T☆フレンズ」の始まりは18年前のこと。小学校のPTA活動の仲間6人が、卒業式の謝恩会の出し物として演奏を披露することになったのが、グループ結成のきっかけだ。
「グループ名のTはお茶のTeaのことで、楽器の練習というより、お茶を飲みながら話をすることが目的の主婦グループでした。それが初めて触れる木製リコーダーの音色の豊かさや、メロディを奏でることの楽しさにはまってしまい、みんなで集まっては音を合わせるようになりました」と、代表の岩永悦子さん。
これまで幾度となくメンバーの入れ替えがあり、一時は岩永さんひとりになったこともあったが、リコーダーを吹きたい一心で、友人や職場の同僚など、周囲の音楽好きを巻き込み活動を続けてきた。
「T☆フレンズ」の活動を支えてきたひとりが、月一回の練習の音頭を取り、メンバーへのリコーダーの指導も行う佐藤創さん。佐藤さんが岩永さんと出会ったのは、今から15年以上前の大学生のとき。当時は学生のリコーダーグループで活動していたが、次第に地域のイベントで共演したり、指導を請け負ったりするようになったという。
「当時はまだ学生で、手探りで教えていました、今は各メンバーの個性や得意なところを押さえつつ教えるようにしています。教えることを通して、私自身も成長したなと思います」(佐藤さん)
リコーダーは音がシンプルなぶん、アンサンブルで音を合わせるのは想像以上に難しい。月一回の練習以外に日々の個人練習が欠かせず、都合のつくメンバーで集まって音合わせをすることもあるそうだ。
また、メンバーが「音楽活動を続けるために欠かせません」と口をそろえるのが家族の理解と協力。
「リコーダーはほかの管楽器に比べて音量が大きくないので、自宅で練習することがほとんどなのですが、部屋を閉め切っても同じ屋根の下にいる家族には音が聞こえてしまいます。そんなときも、『仕方ないなあ』と半ばあきらめたように見守ってくれています」(岩永さん)
仕事や家庭と両立しながらの音楽活動には苦労がつきものだが、リコーダーはメンバーの生活に張りを与えてくれているという。
「人生は山あり谷ありですが、リコーダーを吹いていると雑念を忘れ、リフレッシュすることができます。私は家庭の事情で活動を休んでいた時期があるのですが、再開して、仲間と音楽を楽しむ時間が心の支えになっていることを改めて感じています」と、結成時のメンバーのひとりである檀原広美さん。
来年には、初の単独コンサートを予定している「T☆フレンズ」。楽しみながらも、常に腕を磨き続ける向上心を忘れないメンバーの瞳は、キラキラと輝いていた。
●バンド名:リコーダー・アンサンブル T(ティー)☆フレンズ
●結成日:1998年10月
●モットー:いつも元気で楽しく朗らかに
●練習頻度:月1回
●平均年齢:52歳
●メンバー:岩永悦子(ソプラノ、アルト、バス)、檀原広美(ソプラノ、アルト、バス)、德嶺さとみ(ソプラノ、アルト、テナー)、石橋香代(テナー)、石橋久子(テナー、バス)、中山尚美(アルト、バス)、佐藤創(編曲、指揮、コントラバス)
●活動内容:葛飾区や足立区を中心に保育園、介護施設、病院や、地域のイベントで演奏。
まさか!! T☆フレンズ 1stコンサート
日時:2018年1月8日(月・祝)14:00~
会場:Hakuju Hall(東京都渋谷区)
入場料:500円
文/ 武田京子
photo/ 坂本ようこ
tagged: アマチュアミュージシャン, われら音遊人, リコーダーアンサンブル
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