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期間限定で再結成したJIMSAKUが新作アルバムをリリース!/櫻井哲夫、神保彰インタビュー
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2021.8.25
tagged: 神保彰, JIMSAKU, JIMSAKU BEYOND, 櫻井哲夫
1990年代に活動した、ドラマー神保彰とベーシスト櫻井哲夫による伝説のフュージョンユニットJIMSAKU。デビューから30年を迎えた2020年、約20年におよぶ休止期間を経て期間限定の再結成が発表された。そして始まったデビュー30周年プロジェクトではサプライズを連発。ファンを歓喜させている。
2021年7月28日には、その集大成ともいえる新作アルバム『JIMSAKU BEYOND』をリリース。かつての彼らを超えた、その先のJIMSAKUが至極の驚きをもたらす。
プロジェクトの布石となったのは、2019年に開催された神保彰の還暦記念ライブ。JIMSAKUは、21年ぶりに一夜限りの復活を果たした。そう、“一夜限り”のはずだった。
「最初に櫻井さんをステージに呼んで、デュオ曲から始めたんですね。そしたら、万雷の拍手でお客さんの反応がすごくて。21年ぶりで、これだけ喜んでもらえるのは本当に幸せなことだと思いました」(神保)
そして、2020年5月には期間限定再結成が決まり、デビュー30周年プロジェクトが始動。その第1弾となったのが、神保書下ろしの新曲『JIMSAKU IN THE HOUSE』のリモートセッション動画の公開だ。誰でも自由に、そして気軽にとコラボが呼びかけられ、YouTubeには100以上のミュージシャンや音楽愛好家らのコラボ動画が誕生した。
続く7月には『JIMSAKU IN THE STUDIO』を配信。アナログのラッカー盤に直接音を刻むダイレクトカッティングのレコーディングを生配信し、話題を呼んだ。
そうした種が結実したのが、新作『JIMSAKU BEYOND』だ。
アルバムはタイトルチューンの『JIMSAKU BEYOND』をはじめ、全10曲を収録。
「内容についてふたりで話し合ったことはほぼなくて、昨年出来た種をもとに個々で考えて楽曲を持ち寄りました。僕は30周年企画だから30年前を懐かしむのではなく、『JIMSAKU BEYOND』に象徴されるように、今JIMSAKUをやるならどんな音がふさわしいかという発想からつくっていきました」(神保)
新作はスーパーテクニックで聴き手を魅了するだけでなく、豪華ゲストを迎えて新境地を開拓。世界的な人気を誇るサルサバンド「オルケスタ・デ・ラ・ルス」のメインボーカルNORA、注目の韓国人ヴォーカリストLENらがボーカルでフィーチャリングしている。
実はLENは『JIMSAKU IN THE HOUSE』に呼応し、コラボ動画をアップしたひとりだ。
「アレンジが違うので同じ曲には聴こえないかもしれませんが、『JIMSAKU IN THE HOUSE』を大幅にアレンジし、思いっきりテクノにしたのが『JIMSAKU BEYOND』。そしてLENくんが歌ったものが『未知の先へ』になっています」(神保)
最初に蒔いた種が、プロジェクト進行とともにどんどん育っていった。
演奏では、東京藝術大学を卒業したばかりのバイオリニスト高島あいとのコラボも実現している。
さらに、聴きどころとして櫻井が推すのが、神保自身のボーカルが聴ける『FARAWAY』。
「語りがじんとくるものがあります」(櫻井)
一方、櫻井は今、神保と何ができるのか、彼のいいところを引き出したいという思いから楽曲制作にアプローチした。1曲目を飾る『INSPIRATION』は、類まれな歌唱力を持つ元Fried PrideのShihoがボーカルでフィーチャリング。
「この曲はShihoさんも活きていると思うし、ドラムサウンドもめちゃくちゃかっこいいです」(櫻井)
『THE ROAD OF THE WIND』も気に入っている一曲だそうだ。
「せっかく久しぶりに神保くんとやるので、彼をイメージしてつくった曲です。詩がないのでわからないかもしれませんが、ふたりの時間の流れのようなものを曲にできるかな、と」
さらに、生楽器にこだわった演奏ではDIMENSIONの小野塚晃、かねてから親交があったインドネシアのギタリストDEWA BUDJANAが参加。
「コンセプトが違うつくり方ができたので、結果的にサウンドカラーも広がったんじゃないかなと思います」(櫻井)
JIMSAKUは30周年を迎えたが、フュージョン界のトップを走り続けるふたりの付き合いは43年とさらに長い。
大学時代にビッグバンドに属していた神保。大きなイベントでの演奏に、ベーシストが参加できなくなってしまった。そんなとき助っ人となったのが、当時CASIOPEAのメンバーとして活躍していた櫻井。それがきっかけとなり、神保もCASIOPEAにメンバー入りすることになった。
「自分は音楽の道に進むということはまったく考えていなかったので、櫻井さんと出会ったことによって音楽の道に引き込まれた感じです」
神保がそう語れば、櫻井はこう返す。
「ベーシストはどのドラマーとリズムセッションを組めるかで評価も変わるし、活動の内容も変わってくる場合が多いんです。パートナーとして神保くんと出会えたことはラッキーでした。そして、20年間のブランクがあっても、ずっとやっていたからすぐにまた戻れる。ベースとドラムの絆というか兄弟みたいな関係なのかなという気がしましたね。ふたりが今、作品をつくることが出来るのはそういった空気があるからだと思います。アルバムでは、それを楽しんでいただけたら嬉しいです」
気になるのは、“期間限定”再結成。実は、今回のアルバムでひと区切りだそうだ。アルバムがリリースされたら次はライブ!そんな期待を抱かずにはいられない。
『JIMSAKU BEYOND』
発売元:キングレコード
発売日:2021年7月28日
価格:初回限定盤5,500円/通常盤3,300円(いずれも税込)
詳細はこちら
文/ 福田素子
photo/ 阿部雄介
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