Web音遊人(みゅーじん)

今月の音遊人:城田優さん「音や音楽は生活の一部。悲しいときにはマイナーコードの音楽が、楽しいときにはハッピーなビートが頭のなかに流れる」

舞台や映画、ドラマにナレーション、そして音楽活動など幅広い分野で活躍する城田優さん。その圧倒的な歌唱力と演技で、近年はミュージカル俳優としての確固たる地位も確立しています。そんな彼にとっての音楽とは?音で遊んでいる日常の様子もうかがいました。

Q1.これまでの人生の中で一番多く聴いた曲は何ですか?

うーん、難しいなあ。15歳のとき初めて聴いた洋楽はバックストリート・ボーイズでアルバム『ミレニアム』は何度も聴きましたし、学生時代に失恋したときはコブクロの『miss you』を聴いたりしていましたが、特定のアーティストや特定の曲をずっと聴くということはあまりないんです。
10代のころよく聴いていたのはJ-POP。でも、高校を卒業したぐらいからCDを買ったりレンタルショップに行ったりしなくなりましたね。
今も基本的には、アメリカやスペインのトップランキング曲をランダムに流している感じです。車や家、移動中に音楽を流していることは多いんですが、アーティストの名前が全然覚えられない。何回も聴いていて口ずさめるけど名前は何だっけ?みたいな。
だから、カラオケに行っても最新のレパートリーが少ないんです。小中高校時代に聴いていた曲をずっと今でも歌い続けている感じですね。よく歌うのは、自分のJ-POPカバーアルバム『Mariage』にも収録しているnavy&ivoryの『指輪』。隠れた名曲がある!とみんなに伝えたくて歌っています。

Q2.城田さんにとって「音」や「音楽」とは?

エンターテインメントでは無音映画以外、音が使われていないものはたぶんないですよね。ミュージカルはもちろんですが、ストレートプレイでも音や音楽はけっこう使われます。音や歌はエンターテインメントをさらに深くし、可能性を掛け算で増幅させるものだと思っています。
そして、自分にとってはとても好きで時々嫌いになる存在。芝居をしたり音楽を奏でたり歌ったりすることは仕事である以上責任を伴うし、ストレスにもなります。うまくいったときはやった!と思うけれど、失敗してしまったらすごく落ち込んで嫌いになったりもしますしね。
好き嫌いが隣り合わせに共存している感じですが、でも音や音楽はやはり必要不可欠であり、生活の一部。悲しいときにはマイナーコードの音楽が頭のなかに流れたり浮かんだりするし、楽しいとハッピーなビートが頭に浮かんだりするし。趣味でもあり、仕事でもあるという感覚です。

Q3.「音で遊ぶ人」と聞いてどんな人を想像しますか?

僕です!家で曲をつくっているのですが、トラックでいうと100以上あります。“降ってくる”というワードが一番しっくりくるんですけれど、おそらく脳が無意識に得てきた情報が時間差で降りてくるのでしょう。急に頭に浮かんでくることがあって。そこから派生したものにメロディーをつけて歌詞をつけて満足するという感じですね。
でもこの曲は、表にはまったく出ていないし、出すつもりもありません。だって、ただの遊びですから(笑)。未完成なものや音だけのものも山ほどありますが、基本的にはボツという概念もありません。
作曲はひとりですることもあれば、友だちとつくることもあります。自分でいうのもおこがましいのですが、僕はメロディーをつくるのは得意だけれど、トラックに関してはセンスがない。だから音楽プロデューサーでトラックメーカーのUTAくんとよく一緒につくるのですが、彼とやっているときはめちゃめちゃ楽しいです!誰のために……というわけではない曲がiPhoneにもたくさん入っています。

城田優〔しろた・ゆう〕
2003年に俳優デビューし、映像、舞台、アーティストと幅広いジャンルで活躍。アーティストとして、2020年12月にカバーアルバム『Mariage』を発表。舞台では2010年にミュージカル『エリザベート』に出演し最年少でトート役を演じ、第65回文化庁芸術祭「演劇部門」新人賞を受賞。その後も数々のアワードを受賞した。2022年2月より上演のミュージカル『カーテンズ』では演出・主演を務める。2022年秋上演のミュージカル『キンキーブーツ』ではローラ役が決定。現在、NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』では語り手を務めているほか、出演映画『コンフィデンスマンJP 英雄編』が全国東宝系で公開中。
オフィシャルサイト

photo/ 坂本ようこ

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