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今月の音遊人:今井美樹さん「私にとって音楽は、“聴く”というより“浴びる”もの」
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【優待チケット】ジャンルレスな奏者たちが挑む「ポスト・クラシカル」の世界/三村奈々恵、林正樹インタビュー
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2022.12.22
ジャンルを超えた多彩なレパートリーと卓越した技術でマリンバの魅力を追求する三村奈々恵が、2023年3月18日(土)にヤマハホールでコンサートを行う。豪華な共演者とともに繰り広げる、「ポスト・クラシカル」をテーマとした公演だ。今回は共演者の一人であるピアニストの林正樹と共に、コンサートの話や、定義が難しいポスト・クラシカルに対する考えなどを伺った。
「“ポスト・クラシカル”や“インディー・クラシック”という言葉が生まれる以前から、その原型といえるエレクトロ・アコースティック音楽を演奏してきましたが、ずっとその集大成としてコンサートをやりたいと考えていました。近年ようやくマリンバのオリジナル曲でもそういった新しいジャンル、まさに次世代クラシックに属する楽曲が増えてきたので、“今ならできる!”とプログラムを組んだのです。今回はアコースティック楽器の音色がとても重要になりますが、林さんはご自身でも楽曲を書かれていて、今回のコンセプトを深く理解してくださる方ですし、ピアノ演奏では群を抜いて特別な音色をお持ちなので、ぜひにとお願いしました」(三村)
「私は演奏・創作どちらにおいてもピアノの生音をいかに美しく届けるかをずっと大切にしてきたので、とても光栄なお話でした。初めて演奏する曲ばかりですが、これまでの活動と通じるところがあり、自分らしく向き合うことができています」(林)
三村はニューヨークの「コンサート・アーティスト・ギルド・コンペティション」で、マリンバ・ソロ初の最高賞を獲得後、世界各地の音楽祭に招聘され、現地の音楽家とのコラボレーションを行うなど、ジャンルを問わずさまざまな演奏活動を展開してきた。林は自作曲を中心とするソロでの演奏をはじめ、ジャズにボサ・ノヴァ、ポップスと幅広いジャンルのアーティストとの共演を重ねている。アコースティック楽器による音色にこだわった演奏と作品が注目を集める存在だ。
幅広いフィールドで活躍し、美しい音色を大切にしてきた2人だからこそ実現できるプログラムである。
「日本でマリンバ演奏の基礎を学び、アメリカに留学してからは、さまざまなマリンバの音色や奏法を追求し、多くの可能性を秘めた楽器だと気がつきました。今回は、マリンバの美しい音色を存分に味わっていただけるプログラムです。ポスト・クラシカルの源流といえるアルヴォ・ペルトの作品から、エレクトロニクスとの共演によるいまのサウンドに至るまでの流れをお伝えできるように配置しました。お聴きいただきやすいものを選んでいますが、どれも決して浅い音楽ではなく、根拠ある理論に基づいて発展・進化してきたものです」(三村)
ポスト・クラシカルは最近特に注目を集めているジャンルの一つだが、定義が難しく、どのような音楽なのか掴みにくいところもある。2人はこの音楽についてどのように考えているのだろうか。
「そもそもポスト・クラシカルという言葉自体が最近出てきたものですし、これからどんどん確立していくジャンルだと思います。時々イージーリスニングと近いと言われたりもしますが、私は違うものだと考えています。確かに“シンプル”ではありますが、理論を極めた作曲家たちが究極に洗練して作り出したものです。今回のコンサートでは、ヤマハホールの親密な空間と美しい響きでそれを存分に味わっていただけたらと思っています」(三村)
「定義されていないのが面白い部分でもありますし、自らをポスト・クラシカルの作曲家だと思って書いている方は少ないと思います。今回のプログラムについて言えば、多くの方に美しいと思っていただける作品ばかりです。クラシック好きだけではなくポップスやジャズをお好きな若い方にも受け入れられる音楽ですし、そうあってほしいですね。色々つけ足す音楽の魅力もありますが、さまざまなものをそぎ落とした先にあるものの美しさを味わっていただけたらと思っています。ヤマハホールの響きは奏者の想いをより忠実にお客様に届けてくれるので、ここで演奏できることがとても嬉しいです」(林)
確固とした世界観と研ぎ澄まされた美しい音色を持つ奏者たちによって奏でられる今回のプログラムは、聴き手を新しい音世界へと誘ってくれることだろう。
日時:2023年3月18日(土)17:00開演(16:30開場)
会場:ヤマハホール(東京都中央区銀座7-9-14)
料金:一般 4,500円/学生 3,500円(税込・全席指定)
出演:三村奈々恵(マリンバ&ビブラフォン)、古川展生(チェロ)、ブルックス・信雄・トーン(クラリネット)、林正樹(ピアノ)
曲目:A.アキホ/カラクレナイ、J.ササス/アタランタ、S.ライヒ/ニューヨーク・カウンター・ポイント、J.アダムス/中国の門、A.アキホ/21、A.ペルト/スンマ、E.コール/ブルーム組曲、L.エイナウディ/翼を広げて ほか
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本公演の優待チケット(一般:定価 4,500円/優待価格 4,000円、学生:定価 3,500円/優待価格 3,000円)を計20名様分ご用意いたしました。ご希望の方は、下記「応募はこちら」ボタンからご応募ください。
※ご応募の際は、ヤマハミュージックメンバーズの会員登録(登録無料)が必要です。
2023年1月15日(日)23:59まで
※応募期間は終了いたしました