今月の音遊人
今月の音遊人:前橋汀子さん「同じ曲を何千回、何万回演奏しても、つねに新しい発見や見え方があるのです」
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心身ともにリラックスできる贅沢な音楽空間/Hakuju Hall(ハクジュホール)
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2016.4.4
tagged: ホール自慢を聞きましょう, HAKUJU HALL, 白寿ホール
室内楽ホールとしての環境設計に徹底的にこだわった300席の贅沢な音楽空間、Hakuju Hall。最高の響きと細部にもこだわりを尽くした美しいデザインで、訪れる人々に心の安らぎを与えている。
「音響を最優先する」という明確なコンセプトのもとに造られ、2003年にオープンしたHakuju Hall。一度仕上げた床を、材質を変更して造り直したというエピソードにも、音響最優先の徹底ぶりがうかがえる。その象徴のひとつがホール内の両側壁に設置された「せり出しウイング」。Hakuju Hallのような縦に四角いシューボックス型のホールにおいて、響きに大きな影響を与えるバルコニー席に替わるもので、最高の響きを生み出す上で大きな役割を担っている。音響設計上、計算し尽くされた波形の壁面にもみごとにマッチして、美しく洗練された雰囲気を醸し出している。
客席の椅子にもこだわりがある。座面に吸音効果の高い材質を用い、空席時でも観客が座った状態に近い音響を実現。リハーサルで本番と変わらない音響が得られるのは、演奏家にとって使いやすい要素のひとつとなっている。
実はこの椅子、コンサートホールでは初となる意外な秘密がある。プラネタリウムのようにリクライニングすることで、開館当初から大きな話題となったのだ。世界でもめずらしいHakuju Hall名物の「スーパー・リクライニング・コンサート」は、この自慢の椅子でゆったりと音楽が聴けるコンサート。心身ともにリラックスでき、「ゆとりある精神」の実現というホール建設の理念にも沿っている。
緻密な音響設計と一切の妥協を許さない音響の追求によって、アンサンブルでの演奏家たちの息づかいや、ピアニッシモの消えゆく響きのニュアンスまでもがクリアに届く臨場感が生み出された。その魅力が特に発揮されるというギターや声楽のコンサートはぜひ一度、聴いてみたいもの。
今後も「このホールにしかできないこと」を形にする自主企画の数々に期待が高まる。ホールの特性を活かす楽器や演奏者の選択、1時間休憩なしの公演シリーズ、気軽に楽しめる料金設定など、要注目ポイントも満載。夜公演なら、ホワイエやスカイテラスから臨む夜景を堪能することもお忘れなく。
所在地:東京都渋谷区富ヶ谷1-37-5
TEL:03-5478-8867
ホール形式:シューボックス形式
席数:300席