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この3人だからこそ生まれる音楽で無限の高みへ──新トリオ「Trinfinity」始動/小曽根真インタビュー
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2024.2.7
tagged: CFX, 小曽根真, 小川晋平, きたいくにと, Trinfinity
ピアニストの小曽根真が、新進気鋭の若手音楽家である小川晋平、きたいくにとと新トリオ「Trinfinity」を結成。ジャズ界の俊英とともに歩むことになったきっかけや、2024年1月24日にリリースしたファーストアルバム『Trinfinity』について聞いた。
「僕自身がとにかく楽しんでいました」
アルバム『Trinfinity』制作時の思い出をたずねたとき、笑顔の小曽根真からこぼれた印象的な言葉だ。
2023年にデビュー40周年の節目を迎えた小曽根が、若手の小川晋平(ベース)、きたいくにと(ドラム)とともに結成した新トリオ「Trinfinity(トリンフィニティ)」。小川ときたいは、小曽根と俳優の神野三鈴が主宰する次世代を担う若手音楽家を紹介していくプロジェクト、From OZONE till Dawnに所属するメンバーでもあり、2021年よりブルーノート東京をはじめとする各地での公演や、新日本フィルハーモニーといったフルオーケストラとの共演などで小曽根のサイドを固めてきた実績をもつ。「Trio」と「Infinity」をかけ合わせたバンド名に象徴されるように、ステージでの信頼感を築いてきた3人のインタープレイから生まれる化学反応が無限の可能性を感じさせ、聴く者の胸が踊るようなアルバムに仕上がった。
「ピアノ、ベース、ドラムという基本的な形だからこそ、より変幻自在でいられるんでしょうね。お互いのやりたいことや大切に思うことを理解して、その思いや気持ちを一緒に演奏することでシェアするような、確かな“会話”ができる。それがトリオとしての僕の理想型です。そしてなにより、2人は僕の感性を大いに刺激してくれる。これが“このトリオでやってみたい”と思った一番の理由です」
そんな新たな刺激は、小曽根にある発見をもたらしたという。
「彼らと演奏していると、我ながら“おもしろい音を弾いてるな”と驚くくらい、これまでの自分では想像しなかったようなアドリブがどんどん湧き出てくるんです。これも、この3人だからこそのケミストリーが生んだもの。僕はいつも彼らからエネルギーをもらっています」
2023年8月にニューヨークでレコーディングされた本作には、小曽根のオリジナル曲を中心に、小川のオリジナル曲2曲を加えた全9曲が収録されている。新トリオの幕開けとも呼べる1曲目の『The Path』は小曽根の手によるものだ。
「晋平と、くにとと付き合っていると、彼らの周りの若いミュージシャンの音楽を耳にすることも多くなって、新しい“かっこよさ”を知る機会が増えたんです。そんな経験があったうえで2人の顔を想像しながら曲を書いたら、自然と今までの僕にはない印象の曲に仕上がりました」
レコーディングのゲストには、小曽根と長年の親交があるパキート・デリベラ(クラリネット)とダニー・マッキャスリン(テナー・サクソフォン)が参加し、新トリオのデビュー作に華を添えた。
「パキートもダニーも快く参加してくれました。彼らの参加が、晋平とくにとは本当に嬉しかったみたいで、何度も“本当ですか!?”って(笑)。そういう自分たちがワクワクする感じも、今回のアルバムには詰まっているんじゃないかな」
加えて、2024年現在バークリー音楽大学に在学中のアルト・サクソフォン奏者の新星・佐々木梨子と、ニューヨークのジャズシーンで精力的に活動するパーカッション奏者の二階堂貴文もゲストに名を連ねる。佐々木はレコーディングの時点で18歳だったそうで、レジェンドから若手までがそろった多彩な顔触れにも注目だ。
「ジャズとクラシックの垣根を超えたいと、以前ニューヨーク・フィルハーモニックと共演したコンサート、『ビヨンド・ボーダーズ』のようなボーダレス。それが今回もやりたかったのかもしれないな。さまざまな出会いがあって導かれた結果、生まれたのが『Trinfinity』なんだと思います」
レコーディングに使用したのはヤマハのコンサートグランドピアノCFXだ。
「2022年に新モデルが出て確実に進化しましたね。特に高音部の鳴りがよくて、さらにダイナミックに響くようになった印象です。演奏していて気持ちがよかった。イメージするとおりの音が弾けました」
バンドとしては産声を上げたばかりのTrinfinity。2024年はトリオならではの音楽をより深化させていきたいと話す。
「2人に僕のことをもっと知ってもらいたいし、僕も2人のことを知りたい。そうすることで一層、“会話”も濃くなっていきますから。あとは海外でのライブもやりたいな。バンに楽器を積んで移動する昔ながらのスタイルで、ライブハウスを回りたいですね。日本国内だけじゃなく、海外のお客さんから直接もらう反応で自信がつくこともある。そうやって旅をしながら“バンド”としての音楽を深めて、3人でさらなる高みを目指したいと思います」
発売元:Verve/Universal Music
発売日:2024年1月24日(水)
価格:3,300円(税込)
詳細はこちら
2024年
4月1日(月)~4日(木) ブルーノート東京(東京都港区)
Special Guest ダニー・マッキャスリン
4月15日(月) ビルボードライブ大阪(大阪府大阪市)
Special Guest 松井秀太郎
5月18日(土)、19日(日) 八ヶ岳高原音楽堂(長野県南佐久郡)
5月24日(金) 電気ビルみらいホール(福岡県福岡市)
詳細はこちら
小曽根真 公式サイト
文/ 髙内優
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