今月の音遊人
今月の音遊人:諏訪内晶子さん「音楽の素晴らしさは、人生が熟した時にそれを音で奏でられることです」
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皆さんは普段、ご自宅のピアノをどんなふうにお手入れしていますか?ピアノは長年使っていると、鍵盤の不調や音質・音量の変化が生じたり、知らない間に傷がついたりしてしまうものです。今回は、ピアノを大切に長く使い続けるためのお手入れ方法や注意点をご紹介します。
A.塗装面:表面についた埃はピアノ用の毛ばたきや柔らかい布で軽く払ってください。小さな埃でも、強い力で拭くとスリ傷の原因になるので注意しましょう。
塗装面の手あかや汚れを取り、美しい光沢を保つためには、ピアノユニコン(ピアノ用ワックス)の使用をおすすめしますが、塗装仕上げの仕様によって適、不適がありますので、事前に確認しましょう。
また、ピアノの塗装が「半艶仕上げ」「艶消し」の場合、力を入れて磨きすぎると、艶が出てしまう場合があるので、やさしく磨くようにしてください。
鍵盤:常に綺麗に保つためには、汚れた手で弾かないのはもちろんのこと、使用後は柔らかい布(塗装面を拭いたものとは別のもの)でこまめに拭きましょう。
汚れが目立つ場合は、中性洗剤を軽く染み込ませた布をかたくしぼって拭きとってください。アルコール類(除菌シートなども含む)やベンジンはひび割れの原因になるので使用しないでください。
白鍵の汚れがひどい場合は白鍵専用クリーナー(キークリーナー)の使用をおすすめします。その際、黒鍵に付かないよう注意し、使用後は、キークリーナーが鍵盤に残らないよう、乾いた柔らかい布で拭き取ってください。なお、キークリーナーが使用できない鍵盤もあるため、白鍵上面の素材を事前にご確認ください。
また、長い爪は鍵盤の表面を傷つけ、汚れが付着しやすくなるので、爪を短く切ってから演奏することも大切です。
ペダル:ペダルは真鍮でできているため、年月が経つと変色や錆が生じる可能性があります。その際は、変色や錆を取り、美しい光沢を復元するピアノコンパウンドの使用をおすすめしますが、汚れやくすみの度合いによっては、かなりの時間を要することもあるので、根気よく磨き続けてください。
A.ピアノの調律を行う場合、寒暖の差や温度・湿度の変化があまりない、春や秋が適していると言われています。調律の回数は多ければ多いほど、ピアノを理想的な状態に保てますが、精度をどの程度求めるかは個人によって異なります。一般的には、少なくとも1年に1~2回は調律することをおすすめします。また、新品のピアノの場合、製造から間もないこと、設置環境に馴染んでいないことから、音が狂いやすくなるため、安定するまではさらに回数を要することもあります。
A.インフルエンザや風邪予防のために、市販のアルコール消毒剤を使う方も多いでしょう。ピアノを弾く際、手にアルコール成分が残っていると鍵盤に付着し、ひび割れなどが発生する恐れがあります。消毒後は、十分に手を乾かしてからピアノを弾くようにしてください。
また、予防のために、ピアノを弾く前後は「手洗い」「うがい」を心がけましょう。
ピアノは「生き物」と言われるほど、とてもデリケートな楽器です。 月日が経つと、音は変化し、部品も消耗・劣化してしまいますが、メンテナンスや日ごろの心がけによって、その寿命は短くも長くもなるものです。
今回ご紹介した内容以外に、ピアノをよい状態で維持するには、温度・湿度の管理も重要です。こちらの記事もご参照ください。
※ヤマハサポート・お問い合わせサイトもご参照ください。
文/ 音遊人編集部
tagged: ピアノ, お客様コミュニケーションセンター, Q&A, アコースティック, お手入れ, 調律
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