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「今日だけの、この音」を求めて、ソロデビュー20周年の全国ツアーがスタート!/葉加瀬太郎インタビュー
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2016.8.23
tagged: コンサート, インタビュー, 葉加瀬太郎, JOY OF LIFE
ひょっとするとパガニーニってこういう感じだったのかも、と思わせるロックなバイオリニストとして注目され続け、バイオリンという楽器の可能性を大きく広げた葉加瀬太郎。ロック・バンド「クライズラー&カンパニー」での活動後、ソロデビューを果たしてから今年(2016年)で20年。それを記念した大規模なコンサートツアーが、9月15日から12月25日にかけての約3ヶ月間、全国約20カ所(48公演)で行われる。ワールドツアーや全都道府県ツアーなど、毎年のように多くのファンを楽しませてくれているが、今年は心機一転。自身のバンドをさらにパワーアップしてのスタートだ。
「15年ほどの長い間、あうんの呼吸で演奏できるようなメンバーでツアーをしてきましたが、今年はベテランのギタリストである鳥山雄司さんにバンドマスターをお願いしました。鳥山さんはこれまでもアルバムをプロデュースしてくださっていて、僕の音楽にいろいろな服を着せてくれたり、色を付けてくれたりする方。しかもプロデューサーとしてもプレイヤーとしてもストイックで、同じメロディを弾いても『僕の辞書にリピートという言葉はない』と言うほど、いつも新鮮な音楽を求めているのです」
数多くのアーティストと共演し、ヒット曲の作・編曲を手がけてきた鳥山雄司が、バンドに新鮮な空気を送り込むのは間違いないだろう。
「僕自身も、リハーサルでさっと音を出して『じゃ、あとはこんな感じでよろしく』という空気が好きではありませんから、今回のツアーは始まる前から緊張感が高まっていますね。開始の数ヶ月前からミュージシャンや音響のスタッフ全員が集まり、スタジオで音作りを始めていますし、「今日だけの、この音」を作るため、こだわり抜いています」
コンサートでは多彩な曲を演奏するが、この8月に発売されたニューアルバム『JOY OF LIFE』からのナンバーも含まれる予定だ。アクティブなタイトル曲をはじめ、大切な音楽仲間である高嶋ちさ子をフィーチャーした『Someday Somehow』、既発売のアルバムでは森山良子が歌声を聴かせていた『もうひとつの京都』、そして地域活性のテーマ音楽として生まれた『悠久の一乗谷』『長崎夜曲』といった曲も収録されている。 「ここ数年のアルバムにはオリジナルの新曲を収録することが少なかったので、今回は溜まっていた曲のイッキ出しですね。『もうひとつの京都』など観光キャンペーンで依頼される曲もありますし、『長崎夜曲』も世界新三大夜景に認定されたことから生まれた曲。こういった曲をそれぞれの地元で演奏できるのも楽しみです」
一方で大ヒット・ナンバーである『情熱大陸』も、今や演奏されなければ聴衆が納得しないという大切な一曲だ。「数年前から<はかせんす>という扇子をグッズで販売していますが、いつの間にか『情熱大陸』のときにはそれを振りながらお客さんが踊るようになり、そのうちにステージのメンバーも一緒になって振るようになりました。コンサートでいちばん盛り上がる曲のとき、ミュージシャンが楽器を持たずに扇子を振っているのは異常な光景ですよね。そのうちにダンスコーナーがどんどん長くなったり、ミュージカル仕立てになったり、趣向を凝らすのも楽しい時間になっています」
全国ツアーはほぼ毎日のようにコンサートがあるため、日々の燃焼ぶりにも注目したいところ。エネルギー源はいかに?
「もちろんツアーといえば、各地で美味しいものが食べられるという喜びもはずせません。うちのツアーは業界の中でもエンゲル係数が高すぎると噂されるほどで、全公演に打ち上げ付きなんです。でも長いツアーですから、そうした毎日の喜びがバンドの音を作っていきますし、ライブ感を失わずに一回一回のコンサートでエネルギーを出し切れるのです」
そんな興奮間違いなしの葉加瀬太郎ツアーを未体験の方は、ソロデビュー20周年記念で盛り上がる今年こそ大きなチャンスだ。
『JOY OF LIFE』
発売元:ハッツアンリミテッド
発売日:2016年8月3日
価格:通常盤3,000円/初回限定盤(2CD)3,400円/ローソン・HMV盤(2CD+DVD)3,700円 ※すべて税抜
葉加瀬太郎 コンサートツアー2016「JOY OF LIFE」
文/ オヤマダアツシ
photo/ 阿部雄介
tagged: コンサート, インタビュー, 葉加瀬太郎, JOY OF LIFE
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