今月の音遊人
今月の音遊人:山田和樹さん「エルヴィス・プレスリーのクリスマスソングから『8割の美学』というものを学びました」
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若手実力派ピアニストの三浦友理枝さん。ソロのほかデュオやトリオでも活躍する彼女にとって、バイオリンは共演する機会のいちばん多い楽器。「バイオリニストの気持ちを知りたい!」ということで、レッスンに初挑戦してみることにしました!
私は、共演者がバイオリンを弾く姿はいつも近くで見ているけれど、「ネックに音程を示す目印がない中、どうやって音を探り当てているの?」など、不思議なことがたくさんあったんです。ぜひ一度体験してみたくて、今回「ヤマハミュージックアベニュー横浜」のバイオリン体験レッスンに参加しました。
講師は竹内絵美先生。レッスンはバイオリン本体の構え方から始まりました。まず、左手で楽器を持って肩にのせ、顎で挟む。あっ、意外に厚みがあるんですね! 何度か上げ下げしているうちに、楽器・肩・顔をちょうどよい角度に保つコツがつかめるようになりました。続いて、弓を持つ練習です。これがなかなかの鬼門でした。先生の助けを借りて右手の指のポジションを決めたものの、弓の重みもあってすぐに崩れてしまう。正しい形を意識すればするほど力も入ってしまいます。
いよいよ実際に音を出してみよう! ということで、楽器と弓をいっぺんに構えることに。つまり片方で音程をとり、もう片方で音を出すということですね。左右の手が別の役割をするなんて、ピアニストには信じられません。最初は、左手の指で何も押さえない開放弦の「ラ」の音から。ギコギコとしか鳴らないかと思ったら、意外にちゃんとバイオリンの音が鳴りました。楽器の振動が肩を通してビリビリ伝わってきます。
先生いわく「弓は弦に対して直角になるようにまっすぐ引く」とのことですが……弓がふらふらして弦に吸いついてくれません。先生に言うと、「右手の人差し指を使って弓に重みをかけてみて」とのこと。なるほど、安定しました。けれど今度は腕が固まってしまい、弓先や弓元まで引ききることができない。「先生、腕がうまく使えません!」と言うと
「右手に力が入るとひじが伸びづらくなり、弓も十分に使えなくなります。弓はふんわり持ちましょうね」。重みをかけながらも、ふんわり。匙加減が大事なのですね。バイオリンの真髄は右手にある気がします。
開放弦の次は、左手人差し指で弦(D線)を押さえ「ミ」の音をとってみることに。うっ、音程が違う。指をずらしていくと、あっ、あった! こうして耳と体で正しい音を覚えていくのですね。
レッスンの途中では、何度かアンサンブルを挟みました。伴奏に合わせて簡単な音を弾くだけなのですが、いい気分。伴奏の和音があることで自分の音程のズレにも気づくし、初心者ながらもすっかり上達した気分に(笑)。最後はなんと、伴奏に合わせて、開放弦と「ミ」の音だけでベートーヴェンの交響曲第9 番『歓喜の歌』のアンサンブルに参加することができました。
「 ああ! もっと練習したい!」それがレッスン終了後、開口一番に出た言葉。バイオリンのいい音は普段から聴いているので、理想のイメージだけはバッチリ持っているんです。もちろん今回はそこまで辿り着かなかったけれど、バイオリニストの気持ちに少しは近づけたかな。
この経験は今後の共演にも活かせるような気がします。
エルガー『愛の挨拶』、チャイコフスキー『トロイカ』、シベリウス『樅の木』など、三浦自身が幼い頃に聴き、親しんだ小品25曲を収録。
3歳よりヤマハ音楽教室に入会。英国王立音楽院に入学。同音楽院大学課程を首席で卒業、修士課程も首席で修了した。2001年「第47回マリア・カナルス・バルセロナ国際音楽演奏コンクール」ピアノ部門第1位、最年少ファイナリスト賞などを受賞。06年には「第15回リーズ国際ピアノコンクール」で特別賞を受賞。これまでに国内外の主要オーケストラと多数共演。ソロのほかに川久保賜紀(バイオリン)、遠藤真理(チェロ)とのピアノ・トリオを結成し、精力的に活動中。
ヤマハミュージックアベニュー横浜
神奈川県横浜市西区南幸2-5-9
最寄り駅: 横浜駅西口から徒歩5分
TEL:045-311-1200
営業時間 : 平日10:00~21:00/土曜10:00~20:30/日曜10:00~20:00(祝日休)
TEL:0120-329-808( 10:00~18:00/土・日・祝日休)
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