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今月の音遊人:曽根麻央さん 「音楽は、目に見えないからこそ、立体的なのだと思います」
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エレキといえばこれ!佐野史郎とエド山口が“テケテケ”の魅力を生サウンドで大研究
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2017.5.16
tagged: ヤマハ銀座ビル, 佐野史郎, 音座銀座, トークショー, On The Ginza, エレキ, エド山口
ハワイアンやムード歌謡、ロカビリーなど、佐野史郎がホストとなって、「音楽の愉しみ方」をあらゆる角度から発見していくトークショー『音座銀座(On The Gin Za)』。2014年にスタートしてから13回目を迎えた春の宵、今回のお題は「エレキだ!Go!Go!テケテケテケテケ!!」。まさに、エレキギターファンが待ちに待ったテーマとなった。
アンプを通してこれまでにない爆音が出ることから、大人たちが顔をしかめたのも随分と昔の話。ゲストはそんな時代からエレキの魅力にどっぷりはまり、エレキ一筋の人生を送ってきたエド山口だ。エレキバンド「エド山口&東京ベンチャーズ」のリーダーをつとめるエドは、タレント、俳優、ギタリストのモト冬樹の実兄であるのはご存知のとおり。
会場のヤマハ銀座ビル1Fには、カスタムバイクから着想を得て開発したエレキギター「REVSTAR」と、そのバイク「XSR900」も展示され、ロックな雰囲気の中、ディープなエレキ談義が始まった。
「前回はカントリーウェスタンをテーマにして、チェット・アトキンスとかジョニー・キャッシュとかを聴いたのですが……」と佐野が話を向けると、「加瀬邦彦さん(ザ・ワイルドワンズ)も寺内タケシさん(通称「エレキの神様」)もチェット・アトキンスに憧れてエレキギターを始めたんですよ」と早くもマニアックな話題を展開。さすが佐野がエレキを語る上で外すことができない存在と紹介しただけあり、つい身を乗り出して聞きたくなる裏話が次々に繰り出されていく。
チェット・アトキンスが弾くラテンの名曲『エル・クンバンチェロ』を聴きながら、ギター奏法の解説となり、ジョニー・キャッシュの『I Walk the line』でカントリー奏法を確認し、いよいよザ・ベンチャーズへと話は進んでいった。
「パイプラインのテケテケを最初に聴いたのは、忘れもしない1964年の夏。ラジオからいきなりテケテケが流れてきたときには、もうびっくりしちゃって」と、ショックを受けた16歳のエド山口のエレキ人生は、この瞬間から始まったという。ここで愛用のエレキギターを取り出して、テケテケの実演。これこれ!これぞエレキの醍醐味と、会場の皆さんも満足顔。
「先生、ちょっと教えてもらっていいですか?」と佐野もギターを取り出すと、「右手の平のミュートが弱いね」と即席のテケテケレッスンが始まる。「山下達郎さんも、宇崎竜童さんも、みんなテケテケから入ってるんですよ。高校の後輩だった渡辺香津美さん(ギタリスト)もベンチャーズの影響を受けてギターを始めたというしね」と話しながら、エド山口先生はさらにテケテケの細かいテクニックを披露してくれる。
ベンチャーズが流行った頃には小学生だったという佐野は「クラスではビートルズ好きか、ベンチャーズ好きかに分かれていた」と話すと、ビートルズの来日公演を武道館で見たエド山口は、「女性ファンのキャーキャー騒ぐ声がものすごくて、演奏もたった30分でしょ、あまり感動できなかったんですよ」と応じる。「やはり生でうまいのはベンチャーズ」と、ザ・ベンチャーズを讃える熱弁は止むことがない。
日本がエレキブームに沸いた時代にザ・ベンチャーズとともに人気を博したアメリカのバンド、シャンテイズや、スウェーデンのバンド、ザ・スプートニクスの曲がかかると、会場に集まった往年のエレキファンは懐かしさに笑みをこぼし、寺内タケシとブルージーンズ、加山雄三、荒木一郎などを聴けば、思いは60年代にタイムスリップ。エレキ好きにはたまらない至福の時となり、会場に飾られたヤマハのエレキギターに注がれる視線も、心なしか熱くなっているように感じられた。
トークショーの中で紹介された曲の一覧表です。こちらのPDFファイルをご覧ください
文/ 唐沢耕
photo/ 森島興一
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