今月の音遊人
今月の音遊人:小曽根真さん「音楽は世界共通語。生きる喜びを人とシェアできるのが音楽の素晴らしさ」
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デビュー40周年のスペシャルなライブアルバム 〜谷山浩子『デビュー40周年記念コンサート at 東京国際フォーラム』〜
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2014.10.20
やめられない、止まらない、とはまさにこのこと。
谷山浩子の摩訶不思議な世界に、どっぷり浸かってしまっているのだ。
正直に申し上げると、自分は谷山の昔からのファンでなく、ラジオも聴いていたわけでもない。だから特に予備知識というか、それほどの思い入れを持って聴いているわけではないのだが、幻想的でときにシュールな世界に触れると、なかなか離れないのだ。この中毒性は、一体何だろう。
このたびリリースされた『デビュー40周年記念コンサート at 東京国際フォーラム』は、そのタイトルのとおり、2012年11月10日に東京国際フォーラムで行われた、「谷山浩子コンサート~デビュー40周年大感謝祭~」の模様を収めたライブアルバム。各年代からまんべんなくセレクトされたベスト盤的な選曲に、ライブならではの、谷山の自然体な、だけど味のあるMCも収録されていて楽しい(MCは初回限定盤のみ)。ギターの古川昌義をはじめ、実力派のサポートメンバーがしっかりと脇を固めているのもポイントだ。
初回限定盤のMCで気になったところを少しかいつまんで。
この年はデビュー40周年ということで、それに関するインタビューを多数こなしたのだが、「みんなから『デビュー40周年を迎えて、いかがですか?』って聞かれたんですけど、そういう質問、やめてくれないかな(笑)」。
「特に何もないんですよね(笑)。別に最初から40年やるぞ!と思ってやってきたわけではないし、毎日を一日一日過ごしていたら、いつの間にか40年経っていた感じ。私のほかにも何十周年という方がいらっしゃると思うけど、みんな同じ気持ちじゃないかしら」
そう。
一昨年、自分も彼女を取材する機会を得たのだが、そっくり同じことを聞いていたことに気づいてしまった。なんとも恥ずかしい…。
おそらく、なかにはもう少しそれらしくカッコいいことを言うアーティストもいるだろうが、この自然体というか、いい意味で力が抜けている感じと、楽曲が作り出す世界のギャップが、中毒性に繋がっているのではないかと思う。
10月からはソロツアーもスタート。谷山浩子が作る不思議な世界は、ますます冴え渡るに違いない。
『デビュー40周年記念コンサート at 東京国際フォーラム』
販売:ヤマハミュージックコミュニケーションズ
●初回限定BOX仕様:CD3枚組+特典ライブ映像DVD1枚/5,556円(税抜)
●通常盤:CD2枚組/3,241円(税抜)