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【優待チケット】トランペットでこれまでとこれからの10年を巡る、ドイツから東方への旅 ——菊本和昭、10年ぶりの新譜

現在、NHK交響楽団首席トランペット奏者として活躍している菊本和昭。第72回日本音楽コンクール第1位をはじめ、国内外の様々なコンクールで優勝及び上位入賞を果たし、これまでに東京交響楽団、京都市交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団など、日本を代表するオーケストラとの共演も重ねており、ソリストとしても目覚ましい活躍を見せている。そんな彼が、2021年、ソロでは10年ぶりとなるアルバム『JOKER』をリリースする。

アルバムタイトル『JOKER』に込められた想い

「前作『奏鳴曲 Sonate』はドイツ留学から帰ってきたばかりの頃に出したものです。30歳という節目でもあったので、何かを残したいと、自分がこれまで学んできたものを集めました。今回は東欧系の作曲家を中心にしていますが、これはチェコの作曲家であるヤン・クチェラの作品『THE JOKER』を入れたいという想いから始まったプログラムです」

クチェラは現在も存命の作曲家。『THE JOKER』は10年前に書かれた作品で、菊本にとっては非常に重要な意味を持つ作品である。

「30歳になった2010年、人生最後のコンクールとして『プラハの春音楽祭』を受けました。この曲はそのときの委嘱作品だったんです。コンクールの委嘱作品は基本的に奏者に無理難題を要求するものが多いので、再演が少ないんです。この曲も演奏はやさしくないのですが、とてもおもしろい曲なので、ぜひ多くの方にご紹介したかったのです。実際人気があって、オーケストラ伴奏版が書かれた程でした。実はこの曲はコンクールの2次予選の曲でしたが、私は1次予選で落ちてしまったんです。それまでコンクールで予選落ちということはなく、最後のコンクールと言うこともあって、万全な準備をしての結果だったので、非常に後味の悪いものになってしまいました。でも、だからこそ、この経験を忘れないために入れようと思ったんです」

東方のトランペット事情

菊本の強い思い入れから、ドイツから東方にかけての作品が中心となった今回のアルバム。東欧の音楽事情は日本にいるとあまり把握できないが、実際ヨーロッパに行くと、とても優れた奏者や指導者に出会うという。

「ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団など、ドイツのオーケストラにはハンガリーやチェコ、セルビアなど東欧の奏者が多く所属しています。すごいつわもの揃いなんですよ。留学をしていたドイツのカールスルーエ音楽大学にもセルビア出身の素晴らしい先生がいらっしゃいましたし、ものすごく優秀な学生もいました。そもそもチェコ・フィルハーモニー管弦楽団も素晴らしいオーケストラですよね」

今回非常に興味深いプログラムとなっているが、そこには若いトランペット奏者へ向けたこんな想いも反映されている。

「もちろん様々な方にお聴きいただきたいのですが、特に今トランペットを頑張って勉強している若い人たちに聴いていただきたいです。特にポーランドの作曲家であるペンデレツキの小協奏曲などは最近ピアノ伴奏版が出版されたばかりで、これから音大の試験などでも使えると思うので」

これまでとこれからの“10年”

今回の『JOKER』は前作からの10年間の集大成でありつつ、今後への展望も窺わせる内容だ。

「『奏鳴曲 Sonate』をリリースしてから成長した部分を残しておきたいという気持ちが強かったんです。もうすぐ迎える40歳は、日本人男性にとっての“交差点”。経験値は上がっていくのに、年齢と共に技術はどうしても衰えてくる。やりたいことが増えているのにそれを実現できない……というのはやはり避けたいですし、長く演奏を続けていくために技術を磨く必要があります。なので自分に鞭打つ意味も込めて挑戦的なプログラムにしてみました!」

楽器コレクターの愛奏楽器は?!

菊本は、27本のトランペットと200個以上のマウスピースを所有する楽器コレクターでもある。そんな彼に、本作のレコーディングにも使用し、現在愛奏中の楽器についても伺った。

「2013年から、ヤマハの『Xeno(ゼノ)』シリーズの第4世代を演奏しています。こちらの楽器の開発にあたっては試奏もさせていただきました。このシリーズは、奏者の思い描く音を的確に表現してくれる楽器です」

今後はオーケストラ奏者としての活動はもちろんだが、定期的にソロアルバムのリリースを続けていきたいと話してくれた。幅広く活躍していく菊本の進化の新たな一歩となる『JOKER』は注目の盤となりそうだ。

■インフォメーション

アルバム『JOKER』
発売元:オクタヴィア・レコード
発売日:2021年2月下旬
KAJIMOTOサイト

オフィシャルFacebook オフィシャルTwitter

■菊本和昭出演コンサートの優待チケット特別販売

Yamaha Hall 10th Anniversary
ロシアン・ブラス・ナイト!
~菊本和昭と仲間たちによる「展覧会の絵」~

本公演の優待チケットを計20名様分ご用意しました。
・一般 優待価格:3,500円(定価4,500円)
・学生 優待価格:2,500円(定価3,500円)

ご希望の方は、下記「応募はこちら」ボタンからご応募ください。
※ご応募の際は、ヤマハミュージックメンバーズの会員登録(登録無料)が必要です。
応募締切:2021年1月31日 (日)23:59
応募はこちら

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