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今月の音遊人:ユッコ・ミラーさん「音楽は人の心を映すもの。だからごまかすことはできません」
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ソプラノからバリトンまでを使い、“初めて要素”を盛り込んだスペシャルデュオ・コンサート/須川展也×田中靖人インタビュー
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2021.5.10
日本が誇る2人のクラシカル・サクソフォン奏者、須川展也と田中靖人。それぞれソリストとして幅広い活動をしているほか、音楽大学で後進の育成にも尽力する。いずれも、驚異的な技巧と音楽性でクラシカル・サクソフォン界を牽引し続けてきた大スターだ。
2022年に結成35年を迎えるサクソフォン四重奏団「トルヴェール・クヮルテット」のメンバーとしても共に活躍し、クラシック作品をサクソフォン用にアレンジして発表したり、現代の作家に楽曲を委嘱したりするなどしてサクソフォンの可能性を広げてきた。
「須川さんは、学年でいうと僕が大学1年生のときの4年生。学生のときの関係は一生変わらないので(笑)、先輩と後輩。演奏家としてだけでなく、ずっと尊敬しています。でも、須川さんを含めてトルヴェールのメンバーは友だちのような感じでもあり、ライバルのような感じでもあり、先輩であり、尊敬する仲間でもありますね」
そう話す田中に対し、須川は「やっくんは、すばらしい憧れのプレーヤー!」と言い切る。
そんなふたりが今回、デュオという形でサクソフォンのさらなる魅力を伝える。
スペシャルデュオとして登場するのは、ヤマハホールで2021年6月12日(土)に開催される「須川展也&田中靖人サクソフォンデュオ・コンサート~ピアニスト、小柳美奈子と共に~」。ソプラノ、アルト、テナー、バリトンサクソフォンを自在に繰り、サクソフォンの限りない可能性に迫る多彩な編成だ。
ご存じのように、サクソフォンは種類によって音の魅力や特徴が大きく異なる。トルヴェール・クヮルテットではソプラノサクソフォンを担当する須川は、「ソプラノはオーボエやフルートに近いというところがあり、クラシカルなものに向いている」と話す。
2020年に須川が満を持して発表したアルバム『バッハ・シークェンス』にも収録されているバッハの『無伴奏バイオリン・パルティータ第3番』は原調から半音高く移調してソプラノサクソフォンを使うことで、サクソフォン一本でバッハの音楽遺産に新たな息吹を吹き込んだ。
また、サクソフォンはさまざまなジャンルで活躍するが、その多様性の代弁者がアルトサクソフォンだという。田中は、テナーおよびバリトンサクソフォンの魅力についてこう語る。
「テナーサクソフォンは、クラシックの世界では非常に美しく、高貴で紳士的という表現がぴったりな楽器。一方でジャズの世界では、いい意味で、ぶち壊すようなすごい音やファンキーな音も出るなど、音の変貌の幅が広い楽器なんじゃないかと。バリトンはちょっと荒々しいこもった感じの音なんだけれど、温かい表現ができたり、ポップなリズムを軽やかに歯切れよく表現できたりします」
実はこのところ、世界的にバリトンサクソフォンのソロがブームになるなど一躍注目を浴びているのがこの楽器。ヤマハからも2020年12月に初のカスタムモデルYBS-82が発売され、田中もこの開発に携わっている。
「ソプラノからバリトンまで使おうということで、やりたいものを並べたらこうなった」という今回のプログラム。楽器それぞれの魅力をソロとデュオ、ピアノによるトリオで堪能できる贅沢な内容だ。
「コンサートは喜怒哀楽。怒はないにしろ、笑いもないと。シリアスな曲と楽しい曲を織り交ぜています」(須川)
前述のJ.S.バッハ『無伴奏バイオリン・パルティータ第3番』(須川)のソプラノ無伴奏ソロや、オリジナルはアルトサクソフォンの曲を田中がバリトンサクソフォンYBS-82で吹くP.クレストン『サクソフォン・ソナタ Op.19』、そして何とバリトン二重奏という未だかつてない試みまで!また、作曲家・薮田翔一への須川の初の委嘱作品、長生淳への新作委嘱作品と、世界初演となる2作品も披露される。ピアノはトルヴェール・クヮルテットの“5人目のメンバー”である小柳美奈子。
「数々のトルヴェールへの作品提供でも縁の深い長生淳氏への新作委嘱作品では、アルトとバリトンとピアノという世界的にないものをお披露目できるという喜びを感じています」(須川)
「“初めて要素”がたくさんある刺激的なコンサートになると思います」(田中)
そんな言葉に期待は高まるばかりだ。
本公演は、インターネットでも生配信予定です。
配信コンサート視聴には、視聴チケット(発券不要)が必要です。
視聴方法、視聴チケットのお求め方法はPIA LIVE STREAM公演ページよりご確認ください。
※アーカイブ配信(見逃し配信)は2021年6月16日(水)23:59まで視聴いただけます。
※アーカイブ配信(見逃し配信)の内容は一部ライブ配信の内容と異なり、『薮田翔一/Delos』と『P.クレストン/サクソフォン・ソナタ Op.19』の2曲はアーカイブ配信(見逃し配信)をいたしません。予めご了承ください。
日時:2021年6月12日(土)14:00開演(13:30開場)
会場:ヤマハホール
料金:配信視聴チケット2,000円 ※来場チケットは好評につき完売しました。
出演:須川展也/田中靖人(サクソフォン)、小柳美奈子(ピアノ)
曲目:J.S.バッハ(須川展也編)/無伴奏バイオリン・パルティータ 第3番 BWV 1006 より 第3曲 ガヴォット・エン・ロンドー[須川展也(ソプラノ無伴奏)]
薮田翔一/Delos(須川展也委嘱作品、世界初演)[須川展也(アルト)、小柳美奈子(ピアノ)]
R.クレリス/セレナード・ヴァリエ[田中靖人(テナー)、小柳美奈子(ピアノ)]
P.クレストン/サクソフォン・ソナタ Op.19[田中靖人(バリトン)、小柳美奈子(ピアノ)]
J-M.ルクレール(J-M.ロンデックス編)/ソナタ ハ長調(原曲)[田中靖人(バリトン)、須川展也(バリトン)]
N.ロータ(加藤昌則編)/道[須川展也(ソプラノ)、田中靖人(アルト)、小柳美奈子(ピアノ)]
長生淳/新作委嘱作品(世界初演)[須川展也(アルト)、田中靖人(バリトン)、小柳美奈子(ピアノ)]
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