今月の音遊人
今月の音遊人:川井郁子さん「私にとっての“いい音楽”とは、別世界へ気持ちを運んでくれる翼です」
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サクソフォン講師がアドバイス!ステップアップのコツ
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2021.11.29
tagged: サクソフォン, 楽器のあれこれQ&A, ヤマハミュージックレッスン
管楽器の中では比較的音が出しやすく、華もあるサクソフォン。今回は、さらなるステップアップを目指すためのアドバイスをお届けします。
A.複数人で練習できる機会が減ってしまったのはコロナ禍ならではの悩みですよね。私が講師をしている教室では、室内にパーテーションを設けるなどの対策をきちんとして、最大5名までのグループレッスンを再開しています。お一人で練習したいという方は、CD付きの教材で練習されています。
一人で練習しているときには関連する本を読むなどして、練習に向き合う気持ちを高めるのもいいと思いますよ。私は『エフォートレス・マスタリー』※をおすすめします。なぜ音楽を演奏するのか、練習にどう向き合うのか、など、さまざまな気づきが得られるすばらしい本です。私はいつも持ち歩いていて、まず数ページ読んでから練習を始めるようにしています。
※『エフォートレス・マスタリー』ケニー・ワーナー著/藤村奈緒美訳
2,310円(税込) ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス刊
A.自分がスランプだと自覚するということは、実はレベルがワンランク上がったことの裏返しだということが多いです。最初は音が出るだけで満足していたかもしれないけれど、その段階を過ぎると、以前はキャッチできなかった微妙な音色も聴こえてくるようになる。その結果、「自分は上達していない」とか「スランプだ」と思って、つまらなく感じてしまうのだと思います。だけど、それは上達していくうえでの大切なプロセスなんですよ。
個人で練習されている方も、そういうときこそ、誰かに見てもらうと解決が早いと思います。私の経験上、アンブシュアに問題がある可能性が高いと思いますが、たとえ5分間のレッスンでも、原因と解決策が見つかるはずです。
A.深いテーマです。スウィングとは楽譜のとおりに演奏すれば表現できるものではないですし、時代やプレイヤーによってもニュアンスが違いますから。おすすめする練習方法は、好きなプレイヤーのフレーズを一緒に歌えるようにして、そのうえで採譜したり、演奏したりしてみることです。そうすると、音の高低だけでなく、アーティキュレーションも捉えやすくなりますよ。
私がおすすめするプレイヤーを3人挙げておきます。まず、ソニー・スティット。スウィング感も抜群ですし、拍をまたいだりしない素直なフレーズが多いので一緒に歌いやすいと思います。あとは私の好みですが、スタン・ゲッツのスウィング感は神がかったところがありますし、キャノンボール・アダレイのスウィングは弾むぐらいに深くて、聴いていて気持ちがいいですね。
A.毎日やるというのであれば、楽器を吹くこと以前に、ブレスの練習をするのが効果的ですよ。音がしっかり鳴るときというのは、振動が楽器だけでなく身体にも伝わっているものです。深い息が身体の中を循環することを意識して、毎日少しずつでもブレスの練習をすると、いざ楽器を持ったときに本来の鳴りを感じることができると思います。
また、サクソフォンのステップアップに必要になるのは、脱力することです。例えば、強い音を出そうと思って息を吹き込もうとすると、かえって圧力が生まれて音が出にくくなってしまう。また、無理な姿勢で吹いていると長く続かない。自分の身体に対して繊細になって、口も指も身体全体の余計な力を抜いて、自然に楽器と向き合える身体づくりが大切だと思います。
協力:ヤマハミュージックレッスン 佐藤渉 講師
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文/ 音遊人編集部
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