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今月の音遊人:馬場智章さん 「どういう状況でも常に『音遊人』でありたいと思っています」
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【優待チケット】バイオリン奏者、指揮者としてより高みを目指す/三浦文彰インタビュー
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2022.6.2
世界最難関といわれるハノーファー国際コンクールに初出場すると、史上最年少の16歳でいきなり優勝。以来、世界を舞台に活躍を続けるバイオリニスト三浦文彰は、2022年の今年、20代最後の年を迎えた。8月31日(水)にヤマハホールで清水和音(ピアノ)を迎えて開催するデュオ・リサイタルについて、そして今後の活動や30歳に向けて思い描いていることを聞いた。
2021年、英名門ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団のアーティスト・イン・レジデンスに就任した三浦。また、延期が続いていたピアニスト、マリア・ジョアン・ピリスとの待望のデュオ・リサイタルがバルセロナで開催され、称賛を浴びるなどその勢いはとどまるところを知らない。
そして、2022年8月31日(水)には、ヤマハホールで「三浦文彰 ブラームス:バイオリン・ソナタ・リサイタル-清水和音(ピアノ)を迎えて-」が開催される。
40年以上にわたって最前線に立ち続けるピアニスト清水和音。三浦は、そのピアニズムはもちろん、アンサンブルでの妙に魅了され、かねてから尊敬の念を抱いていたという。
今回、若手の雄と巨匠による世界トップクラスのデュオが挑むのは、ブラームス円熟期の傑作『バイオリン・ソナタ』全3曲だ。三浦が3曲を一気に演奏するのは、これが初。
「ブラームスはメロディやハーモニーのセンスが秀逸なのですが、バイオリンがメロディの楽器だとすると共演する人が鍵となります。『バイオリン・ソナタ』も圧倒的にすばらしいピアニストでないとできません。ブラームスは完璧を求める作曲家というイメージがあるので、この3曲をやるには清水さんしかいないと思いました。初めての試みを大好きな清水さんとできるので、とても楽しみです」
ブラームスの真価が現れるのが室内楽だと三浦は捉えている。それを室内楽最小の形であるデュオで、そしてヤマハホールという空間で演奏できることを楽しみにしていると顔をほころばせる。
「ヤマハホールは完成直後ぐらいから何度も演奏させていただいていますが、木でできているホールだからなのか、毎回少しずつ音が変わっていくと感じています。もともと音の響きが豊かなホールですが、味わい深さも増してきているという印象ですね。室内楽には最適なサイズですし、お客様が近く感じられるこのホールが僕は好きなんです」
一方、自身が立ち上げた音楽祭「サントリーホールARKクラシックス」にも力を注ぐ。
三浦文彰とピアニスト辻井伸行がアーティスティック・リーダーを務める「サントリーホールARKクラシックス」。2018年からクラシック・フェス「ARK Hills Music Week」の新たなコンサートシリーズとして加わり、サントリーホールを舞台に毎回聴き手の心を揺さぶってきた。
「僕は、室内楽は音楽の原点だと思っているのですが、そこに大きくフォーカスされる機会はあまりありませんでした。そんな室内楽を中心とした音楽祭を実現するのが、ひとつの目標だったんです」
そのころ共演し始めていた辻井が三浦のそんな思いに賛同し、スタートしたのが「サントリーホールARKクラシックス」だ。さらに翌2019年には、そのレジデンス・オーケストラとして「ARKシンフォニエッタ」が発足。目指したのは、日本の室内オーケストラの最高峰。三浦と辻井の呼びかけによって名だたるメンバーが集結し、スーパーオーケストラが誕生した。
4回目となった2021年には、三浦はバイオリンの演奏だけでなく、モーツァルトの交響曲の指揮も執っている。
「バイオリンの曲だけでなく、いろいろな作曲家のいろいろな曲を知りたくなったんです。指揮をしてほかの作品を本当に知ることによって、音楽の見え方が変わってきました。バイオリンもさらに面白くなり、いい影響を受けました」
指揮をする際、三浦は弦楽器のすべてのパートのボウイングとフィンガリングを譜面に落とす。膨大な労力が必要だが、大切なことだと彼は考えている。それだけに指揮者としてのレパートリーを増やすには時間を要するが、今後も指揮活動に力を入れていくというから期待は高まるばかりだ。
この2年、多くのコンサートが中止や延期を余儀なくされたが、演奏活動は徐々に戻りつつある。世界各地の舞台に立つ三浦にとって、旅は日常だ。
「旅は好きですね。家にじっとしているのが好きじゃないんです。でも、コロナ禍での家での時間は、それはそれで楽しめました。料理もたくさんしましたね」
得意料理はグラーシュ(ハンガリー風シチュー)。玉ねぎを弱火で45分間、飴色になるまでひたすら炒め、スパイスやハーブを加えたら、水と同量のワインを投入し煮込むこと3時間。さらに……。ほぼ丸1日かけてつくるこのレシピは、バイオリニストのジュリアン・ラクリンと一緒にウィーンの名シェフに習ったものだとか。
「ワインと食べることが大好きなんです。でも、父(バイオリニストの三浦章宏)から太る才能を受け継いでいるので、気を付けなければ」と笑う。
そんな三浦は、2023年に30歳を迎える。
「心境がどう変わるかわからないけれど、とにかくいい演奏を続けたいですね」
常に自分が納得する演奏をする──シンプルで本質的な部分を忘れずにいたいという。
「年上の方と一緒に演奏するときに感じるのは、もっと新しいことを発見したい!と生き生きされていること。年齢と反比例して、音楽的には若くなっている方が多いんじゃないかな。僕もそんな音楽家になりたいです」
「サントリーホールARKクラシックス」とそれに付随した「ARKシンフォニエッタ」は今後、彼のライフワークになっていくだろう。名曲を掘り下げる清水とのデュオ・リサイタルは、もしかしたらシリーズ化も?
10代で芽吹いた若葉は20代で大きな枝葉を広げ、30代でさらに生い茂りそうだ。
日時:2022年8月31日(水)19:00開演(18:30開場)
会場:ヤマハホール(東京都中央区銀座7-9-14)
料金:5,000円(全席指定)
出演:三浦文彰(バイオリン)、清水和音(ピアノ)
曲目:J.ブラームス/バイオリン・ソナタ 第1番 ト長調 「雨の歌」 Op.78、バイオリン・ソナタ 第2番 イ長調 Op.100、バイオリン・ソナタ 第3番 二短調 Op.108
※一般販売でのチケットは完売しました
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本公演の優待チケット(来場チケット:優待価格4,500円/定価5,000円)を計8名様分ご用意いたしました。ご希望の方は、下記「応募はこちら」ボタンからご応募ください。
※ご応募の際は、ヤマハミュージックメンバーズの会員登録(登録無料)が必要です。
2022年6月12日(日) 23:59まで
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文/ 福田素子
photo/ 阿部雄介
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tagged: バイオリン, ヤマハホール, インタビュー, 三浦文彰
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