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楽器・機器を自宅に揃え、在宅勤務でお客様サポート/コロナ禍でのカスタマーサポート部の取り組みVol.1
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2022.10.14
tagged: お客様コミュニケーションセンター, カスタマーサポート通信
2019年末に始まったコロナ禍。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が幾度も発令され、私たちは行動制限や生活の変化を余儀なくされました。そんな中、お客様にサービスを提供するヤマハのカスタマーサポート部ではどんなことが行われていたのでしょうか。その取り組みを連載でご紹介します。
第1回は、さまざまな問い合わせに最前線で応対する、お客様コミュニケーションセンターのスタッフによる座談会です。センター長の平井大生さん、AV機器窓口担当の矢野克幸さん、電子ピアノ・キーボード窓口担当の山田貴美子さん、ギター・ドラム窓口担当の西村太智さんの4人が、コロナ禍での業務を振り返ります。
平井:お客様からのお問い合わせ窓口の中で、いち早くコロナの影響を受けたのは、電子ピアノ・キーボードの担当部門だったと記憶しています。
山田:電子ピアノ・キーボードは例年、春先には新商品が発売されたり、ピアノを始める方が増えたりするので、お問い合わせも増加します。そんな中、主力となる電子ピアノの製品群は中国、インドネシアでの海外生産で、日本より先に工場の稼働が停止し、2020年4月初旬に、納期が見えない状況に入りました。そのころから「コロナの影響で少し納期が遅れています」というご案内のメールを、お客様にお送りするようになりましたね。「せっかく子どもの入学祝いに買ったのに届かない」というお叱りをいただいたこともありました。
平井:2020年4月7日、全国に緊急事態宣言が発出されたことを受けて出社できなくなり、電話サポートを休止し、メール応対を中心とした在宅勤務がスタートしました。その後、たくさんのお問い合わせをいただくようになるのですが、最も急増したのはAV機器でしょうか。
矢野:メール件数は窓口全体で昨年比の約1.8倍、AV機器では約2.3倍に増えましたね。巣ごもり需要とも言われましたが、おうち時間が増えたことでゲームや映画、音楽を良い環境で楽しみたいと考える方が増えたため、とくにホームシアター関連の製品の販売がぐっと伸びました。それに伴って接続のし方や使い方のお問い合わせが多くなりました。また、お店に行かずに購入する方法などのご相談もこの時期に増えた印象です。
山田:電子ピアノの窓口も、お問い合わせ内容に大きな変化がありました。SNSで演奏動画を配信したい、離れた人とリモートで音楽を楽しみたいというご要望が非常に多くありましたね。これまでにはなかった内容だったので、関係各所と連絡を取り合いながら、個々のお客様に必要な情報を集約してお答えしました。
平井:在宅でメール応対するにあたっては、どの担当も可能な限り、ふだんはオフィスにある実機を自宅に持ち帰りましたよね。
西村:私たちはギターやドラムの窓口ですが、製品ごとに担当を決めて楽器を持ち帰ったので、自分が担当する製品により精通するきっかけになりました。それぞれがスペシャリストになる、こういうやり方もあるのだという気づきはありましたね。また、操作方法などは電話で状況を想像しながらご説明するよりメールの方がわかりやすい場合も多く、効率的にお伝えできるというメリットもありました。
平井:職場にある膨大な資料は、デジタル化されていれば自宅からオンラインで閲覧でき、参照してお客様をサポートすることができます。でも、ほとんどが紙の資料だった楽器も中にはありました。ごく一部の社員が許可を取ってオフィスに出社し、紙の資料をスキャンしてデジタル化するということをやり続けていましたね。それでペーパーレスを進めることができ、結果的にはプラスに作用できたという動きもありました。
矢野:ヤマハサイトの「よくあるお問い合わせ(Q&A)」(以下、Q&Aサイト)のアクセスが伸びた時期でもありました。AV製品でいうとワイヤレスイヤホンが発売されたときで、取扱説明書代わりにQ&Aサイトを参照にしてくださっていることがわかりました。そのため、在宅勤務中はお客様のお役に立てる内容のQ&Aを作ることに、集中して取り組んでいました。
山田:Q&Aサイトでは、ウイルス対策関連で大きな動きがありましたよね。コロナがまん延し始めた当初、私はピアノの窓口も兼務していたのですが、「ピアノの除菌をしたい」というお問い合わせが増えてきました。それまでは「インフルエンザ対策で鍵盤をアルコール消毒できますか?」というQ&Aを掲載していましたが、健康への配慮というよりは鍵盤へのダメージにフォーカスした内容でした。それをコロナ対策に見直そうという動きが出たのが2020年2月ごろ。その後、ノンアルコール除菌シート、中性洗剤や塩化ベンザルコニウム、塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)などの有効性が次々と発表され、そのたびにカスタマーサポート部ピアノ技術サービス課での検証を経て、Q&Aの更新を繰り返してきました。同時にピアノだけでなく、電子ピアノや管弦打楽器などにも展開していったという経緯があります。
平井:それについて当時のメールのやり取りを見返してみたのですが、一般社員の熱意が他部門の部長やリーダーたちの心を動かし、完全に組織として動いていましたよね。部署や立場の垣根を超えて取り組めたことは貴重な経験になりましたし、それがお客様へのサービス向上につながると考えています。
文/ 福田素子
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