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現役吹奏楽部の生演奏にも注目!音楽をとおして強く成長する姿を描いた舞台『ファンファーレ!! ~響き続けた吹奏楽部の物語〜』
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2023.7.10
コロナ禍でも吹奏楽部の活動を諦めなかった高校生たちの姿を描いた舞台『ファンファーレ!! ~響き続けた吹奏楽部の物語〜』が2023年7月13日(木)〜17日(月・祝)に茨城県の水戸市民会館で上演される(全6公演)。舞台のクライマックスには現役の高校吹奏楽部も登場するという。いったいどんな舞台になるのか。本公演の立案者でもあり、脚本を手がけた井上桂氏(前水戸芸術館ACM劇場芸術監督)にうかがった。
物語の主人公は、行動制限により個人練習も合奏もできなくなってしまった吹奏楽部の部員たち。それでも全日本吹奏楽コンクールに向けてどのように練習しようかと話し合う最中、部員たちをさらに落胆させたのがコンクール中止の報だった。目標がなくなり、部活動を続ける意味さえも見失いそうな状況の中で、高校生たちは自らの力で音楽を続ける意義を見つけていく。
これは実話に基づくストーリーで、原作は吹奏楽作家のオザワ部長著のオムニバス・ノンフィクション・ストーリー『吹奏楽バンザイ!! コロナに負けない』(ポプラ社刊)。コロナ禍にあっても自分たちの音楽活動を続けた全国5校の吹奏楽部がモデルとなっている。そのうちの1校が、『ファンファーレ!!』の上演会場である水戸市民会館の地元、水戸女子高等学校吹奏楽部だった。失意のなか、彼女たちが立ち直るきっかけになったのが最初の休校間際に始めたインスタライブだという。井上氏はこう語る。
「なんとか始めたインスタライブが病院などで聴かれ、『とても慰めになった』と感想が届くなど、それまで考えもしなかったところで自分たちの演奏が人を慰める経験をして、自分たちはこういうところでも役立てる、吹奏楽部の活動を続ける意義はいくらでもある、と新たな目標をもてるようになっていきました。そんな発見をしてコロナ禍でも更に成長していく姿に感動しました」
「でも、大人顔負けの計画を立てて実行していくプロセスは、水戸女子吹奏楽部だけの特性なのだろうか。そもそも吹奏楽部ってどんな部活なんだろうか」。そんな疑問から井上氏は、水戸女子高校や関係者の取材に加え、著者のオザワ部長の協力も得ながら全国の吹奏楽部の情報や現場の声を集め、吹奏楽への理解を深めた。
「吹奏楽部の活動を知ってびっくりしました。チームとしてひとつのものをつくりあげていく企画力や運営力は、プロのイベント会社とほとんど変わりません。目標に対する使命感や情熱、叱咤激励し合う厳しさは、それ以上のところもあります。こんなにも音楽活動が人を元気にするのか。だから危機にあっても、具体的な形で目標に向かってまい進できたんだろうと思いました。これも舞台で再現して、多くの人に紹介したい、と企画が成長しました」
こうして、舞台『ファンファーレ!!』のテーマは、1校のエピソードにとどまらず、同じように悔しい思い、悲しい思いをした全国の吹奏楽部、さらには部活動の存在意義にまでたどり着いた。
「彼女たちが最終的に目指した物とはどのようなものなのだったのか。どんな形であってもやり遂げた時に全員の心に響いたものがファンファーレのように聞こえたのかもしれないと思い、舞台のタイトルを『ファンファーレ!!』としました」
全日本吹奏楽コンクールはなくなったけれど、いつか人前で演奏できる日を信じて練習を重ねた水戸女子高校吹奏楽部。物語のクライマックスでは、水戸女子高校吹奏楽部の現メンバーたちが生演奏で出演して、当時唯一開催された茨城県学校吹奏楽コンテストが再現される。(演奏シーンには聖徳大学附属取手聖徳女子高校吹奏楽部も日替わりで出演)。曲は『GR』と『宝島』、そしてお楽しみのもう1曲。この舞台でしか観られない、聴けない、特別な演出は必見・必聴だ。井上氏は語る。
「原作と出会い、たくさんの吹奏楽関係者を取材して、吹奏楽部の活動が高校生たちを成長させ、またそのひたむきな姿や音楽が多くの人を感動させることを知りました。日々の練習が、やがて人を支え、元気づけるまでになる。その清々しい物語を、舞台という形で再現し多くの人にお届けしたいと思います。舞台好きな方にも吹奏楽好きな人にも楽しめ一粒で二回美味しい内容になっています!ぜひお気軽にご覧いただければと思います」
水戸市民会館開館記念事業のこけら落とし公演として上演される舞台『ファンファーレ!!』。ヤマハは、楽器貸出(フルート、ユーフォニアム、クラリネット、トランペット)と演奏指導で協力している。
2013年7月15、16、17日の昼公演では、原作者のオザワ部長や脚本家の井上桂氏の司会で、作曲家の天野正道氏ほかがゲスト登壇するアフタートークも行われる。こちらもぜひお楽しみに。
日時:2023年7月13日(木)~17日(月・祝)
昼公演:13時開演、夜公演:18時開演 ※13日はプレビュー公演(客席にカメラ、マスコミが入ります)
会場:水戸市民会館ユードムホール(中ホール)
出演:荻沼栄音、黒河内りく、田代 明、桜井木穂、鈴木咲人心、辻本みず希、富岡晃一郎
演奏出演:水戸女子高校吹奏楽部(14、16、17日)、聖徳大学附属取手聖徳女子高校吹奏楽部(13、15日)
料金:全席指定一般5,500円(プレビュー公演:4,500円)、U-25(25歳以下:当日身分証明書要/限定枚数)2,500円(すべて税込)
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文/ 芹澤一美
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tagged: 吹奏楽, オザワ部長, ファンファーレ, 水戸市民会館
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