今月の音遊人
今月の音遊人:諏訪内晶子さん「音楽の素晴らしさは、人生が熟した時にそれを音で奏でられることです」
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【チケットプレゼント】静謐でピースフルな世界に誘う、ギタリスト デニス・ソンホの日本初公演。ゲストボーカルに土屋アンナとSanhaが登場
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2023.9.20
韓国で孤児として生まれ、ベルギーで育てられた過去を持つギタリスト、デニス・ソンホ。心の居場所がない悲しみや、娘が生まれた喜びも、すべての感情をギターに込めるその音楽は、いつだって繊細で優しい。日本で初めてのコンサートを間近に控えた彼に話を聞いた。
2020年のアルバム『ISLAND』に収められた『ジムノペディ第1番』のギターの音が、まるでピアノではないかと思うほど透明な響きを持っていたので、その感想を伝えると、「ピアノのように自由な表現が大好きなんです」と彼は答え、「私はピアニストのマルタ・アルゲリッチからたくさんのことを学びました」と付け足した。
クラシック・ギタリスト/作曲家として世界を舞台に活躍するデニス・ソンホは、アルゲリッチがスイスのルガーノで開催した音楽祭にギタリストとして初めて招待されたという輝かしい経歴を持っている。
ニューヨークのカーネギー・ホールやウィーン楽友協会、アムステルダムのコンセルトヘボウなど、これまでにさまざまな舞台に立ってきたが、来る2023年9月30日(土)にヤマハホールで開催されるコンサートが日本初公演となる。当日はストリングスに加え、土屋アンナとSanha(サナ)をボーカリスト、フランスで活躍するプロデューサーのダミアン・リーをゲストに迎え、オリジナル曲を中心に構成される予定だ。
クラシック音楽に軸足を置きつつ、ミニマル・ミュージックや映画音楽にも傾倒する彼のオリジナル曲は、少ない音数で心象風景の移ろいを紡いでいくような繊細さが魅力で、聴いていると心が少しずつ浄化されていくようだ。また、小さな音に対する心遣いは特筆に値する。
「ひとつの音の中に、喜びや悲しみといった人間の多くの感情を詰め込むような、そんな音楽を作りたいのです。ギターの音、特に細かく小さな音というのは、心の音なのだと私は考えています」
加えて、彼の作る曲は、ストリングスが入っていたり、ボーカルが付いていたり、枠にとらわれない自由な作風も特徴で、先の『ISLAND』では、韓国のシンガーソングライター、チョ・ドンヒとの共演曲も収録している。
「楽器でも歌でも、メロディをギターでサポートするのが好きなんです。アルゲリッチからもサポートの大切さを学びましたし、ほかのミュージシャンとのコラボレーションは自分の中でとても大事にしていることのひとつです」
出生後1年を経ずに養子に出されたソンホ。ベルギー人の両親にベルギー人として育てられたが、心の中に大きな孤独を抱えることになった。長い間、地理的にも音楽的にも自分の居場所を見つけることができなかった彼に大きな変化をもたらしたのが、2019年に娘が誕生したこと。初めて得た血のつながりに、音楽でも“父親であること”を強く意識するようになったという。
「父という存在には、子どもに“希望”を抱かせ、“元気”“勇気”“根気”を与える役割があると思います。その関係は私のコンサートにおいても同様で、私はオーディエンスに対し、音でさまざまな気持ちを、子どもに対する父親のように伝えていきたい。この思いは、娘が生まれてからよりいっそう強くなりました」
日本での第一弾となる今回のコンサートは、これから始まる物語の序章と位置づけ、「希望(HOPE)」というテーマが掲げられた。そして、日本に住む孤児たちを招待する計画もあるという。
「かつての私と同じような境遇にいる子どもたちに、音楽をとおして手を差し伸べ、明るい未来へと続く道を示してあげられたら、と思います。私が持ち得ることがなかった、温かい気持ちを子どもたちと共有したいし、私たちは決してひとりではないということも知ってもらいたいですね」
「ニコライ・ルガンスキーをはじめ、ヤマハホールのコンサート・シリーズには偉大な音楽家がたくさん名を連ねています。そんな舞台に私も立てるなんて、本当に光栄です」
今回のステージには、土屋アンナとSanhaがゲストボーカルとして華を添える。このふたりの参加は音楽ファンにとって気になるところだろう。
「土屋アンナさんには、どちらかというとハードでパワフルな印象を持っている方が多いのではないでしょうか。しかし、私の公演ではバラードを歌っていただく予定です。彼女の新たな一面が見られると思います」
Sanhaは、韓国ではOST(オリジナル・サウンドトラック)界のプリンスと呼ばれる人気シンガーで、ドラマの楽曲を中心に活躍している。
「彼は日本在住ということもあり、ぜひ共演させていただきたいと思いました。高いキーでも力強い声を出せるシンガーなので、そうした魅力が際立つような歌の世界を楽しんでいただけるはずです」
その生い立ちの影響もあり、平和を願う気持ちが人一倍強いソンホ。曲を作るときも常に“みんなが幸せになれること”をコンセプトに据えているという。あらためて、今回の公演に対する意気込みを聞いた。
「私の音楽をとおして、皆さんが幸せや希望、そして平和へと続いていく道を見つけられるようなコンサートにしたいと思っています。ヤマハホールで皆さんにお会いできることを楽しみにしています」
9月30日のコンサートは、ソンホのギターを中心に、静謐でピースフルな世界がヤマハホールを包み込むに違いない。
日時:2023年9月30日(土)19:00開演(18:30開場)
会場:ヤマハホール(東京都中央区銀座7-9-14)
料金:1階席8,000円 2階席10,000円(いずれも税込)
ゲスト:土屋アンナ/Sanha/ダミアン・リー
演奏:大谷舞/古川淑惠/倉持敦
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本公演のチケットを抽選で10組20名様にプレゼントします。
ご希望の方は、下記「応募はこちら」ボタンからご応募ください。
※ご応募の際は、ヤマハミュージックメンバーズの会員登録(登録無料)が必要です。
応募締切:2023年9月24日(日)23:59
当選発表:当選者にはメールでご連絡します。公演当日(18:30~19:00)に受付までお越しいただき、お名前をお申し出のうえ、当選メールの画面をお見せください。その場でチケットをお渡しいたします。
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文/ 山﨑隆一
photo/ YOCA(1枚目)
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tagged: ヤマハホール, ギタリスト, デニス・ソンホ
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