Web音遊人(みゅーじん)

須藤満、藤井空

耳が幸せになるライブができる!4世代にわたるプレイヤーが集結した「4GENEXYZ(フォージェネシズ)」/須藤満、藤井空インタビュー

日本のジャズ/フュージョン界を代表するドラマー則竹裕之とベーシスト須藤満が、世代の異なるプレイヤーたちと結成した4世代集結バンド、4GENEXYZ(フォージェネシズ)。結成から1stアルバム『Sky,River and Friends on the Earth』制作までの道のりを、メンバーの須藤と藤井空に語ってもらった。

耳が幸せになるライブ

トランペット&フリューゲルホルンの藤井空、テナーサクソフォン&ウインドシンセサイザーのかわ島崇文、ピアノ&キーボードの友田ジュンという気鋭のプレイヤーたちと、彼らよりずっと先輩の則竹&須藤が出会ったのは、2022年7月に行われた則竹・須藤コンビ結成35周年記念イベント。そこでの充実したライブが、このバンドの結成につながった。
「“こういうのがやりたかったんだ!”っていうくらい、すごく楽しかったんです。それまではビッグバンドやホーンセクションで吹くことが多く、フロントをやれる機会がなかったんですよね」(藤井)
「空くんの伸び伸びとした演奏を見て、則竹くんも“トランペットいいね”ってニコニコしながら叩いて。もちろん僕もすごく楽しかったから、またこのメンバーでやりたいねって。それからメンバーのスケジュールを調整しながら、3、4か月に一回の割合でライブをやっていたんです」(須藤)
またこのメンバーでやりたい──須藤にそう思わせたのは4GENEXYZの音が新鮮だったからだ。
「ギターレスで管楽器がフロントに立つのは、1970年代後半から80年代にあったスタイル。ザ・クルセイダーズとかね。それを今の人間がやることに新しさと懐かしさを感じます。またベーシストというのは、ほかのメンバーの演奏を聴きながら弾くのが楽しみなところがあるのですが、このバンドでは耳が幸せになるようなライブができるんです」(須藤)
ライブに手応えを感じることは、バンド活動の要といっても過言ではない。それを物語るこんなエピソードがある。
「あるとき、トランペットのソロ中にパッとリズム隊が演奏をやめちゃうという、そういう試みが先輩方からあって……」(藤井)
「試みというか、イジリというかね(笑)。演奏をやめられるのって、いいライブをしているときなんです。“これ、ほっといてもいいな”って思ったらやめられる。そういう発想が生まれるのは、ライブがうまくいっている証です」(須藤)

須藤満

須藤 満

Jフュージョンのイメージに縛られない自由な音

信頼できる仲間とライブを重ね、オリジナル曲も生まれていった。そうしてたどりついた1stアルバム『Sky,River and Friends on the Earth』は、テクニカルでスタイリッシュなサウンドとキャッチーなメロディが存分に堪能できる内容で、Jフュージョンの現在進行形ともいえる響きを放っている。
「空くんの作った『Rich light green』はとにかくカッコよくて、バンドの代表曲になりそうだと思いながらライブで何度も演奏してきた曲」(須藤)
「もともとはそれほど凝った曲ではなかったのですが、ライブを重ねることでブラッシュアップできて、理想的な形でレコーディングできたのがうれしかったです」(藤井)
一方で管楽器がフロントを担うスタイルが、従来のJフュージョンのイメージに縛られない自由な音を鳴らしているのも特徴だ。
「かわ島くんの作った『Ain’t no den』は、それこそ僕と則竹くんのいたバンドのサウンドを彷彿させるものだけど、トランペットが乗ることで斬新なサウンドになった」(須藤)
「レコーディングのときにプロデューサーが“4GENEXYZはフュージョンバンドじゃなくてインストバンドだね”という話をしていましたが、本当にそう思います」(藤井)
なによりライブで培ったメンバー間の信頼、そこから生まれるグルーヴ感が、ジャンルの枠を超え、聴き手を巻き込む魅力を持っているのだ。
「レコーディングではそれぞれブースに入るから直接アイコンタクトはできないけど、それでも相手の音を聴いて盛り上がることができた。管楽器の音に乗せられてリズム隊が熱くなる瞬間があったり、逆に則竹くんのドラムと僕のベースに刺激されて熱くなる管楽器のふたりがいたり」(須藤)
「その熱さは『Fuwaku』や『The Box Road』といった曲で感じました」(藤井)

藤井空

藤井 空

アルバムからの発展に期待が高まるツアー

そんな濃密なアルバムを引っ提げ、2024年11月11日(月)の千葉・柏WUUを皮切りにリリースツアーが行われる。
「これまではライブが決まりました、やりました、で終わりだったけど、アルバムを作って指針ができたことで、それをライブでどのように発展させようか、というところにみんなの発想が向かっています」(須藤)
「アルバム作りは楽しかったのですが、一生懸命やるうちに終わってしまった印象もあって、“この部分は次のライブではこうして”みたいに考えることもあります。でもそれは後悔ではなく、新しいアイデアが湧き出てくるということなので、今からライブが楽しみです」(藤井)
“GENESIS”が“創世記”を意味するように、4GENEXYZは誕生から現在まで、ライブの興奮や楽曲の感動など、常に何かを生みながら進んできた。秋から始まるツアーでも、新しい何かが創造される瞬間を目撃することができるに違いない。

4GENEXYZ

4GENEXYZのメンバー。左から、藤井 空、須藤 満、則竹裕之、友田ジュン、かわ島崇文。

■1stアルバム『Sky,River and Friends on the Earth』

Sky,River and Friends on the Earth
発売元:エレックレコード
販売元:徳間ジャパンコミュニケーションズ
発売日:2024年10月2日
料金(税込):3,000円
詳細はこちら

■1stアルバムリリースツアー

2024年
11月11日(月):千葉・柏/WUU
11月13日(水):横浜/Hey-JOE
11月18日(月):神戸/チキンジョージ
11月19日(火):京都/RAG
11月20日(水):名古屋/JAMMIN’
11月21日(木):東京・目黒/BLUES ALLEY JAPAN
2025年
1月22日(水):博多/Gate’s7
1月23日(木):熊本/CIB
1月24日(金):大分/BRICKBLOCK
詳細はこちら

photo/ タカオカ邦彦

本ウェブサイト上に掲載されている文章・画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。

facebook

twitter

特集

今月の音遊人

今月の音遊人:佐渡裕さん「音楽は、“不要不急”ではない。人と人とがつながり、ともに生きる喜びを感じるためにある」

8781views

音楽ライターの眼

【ジャズの“名盤”ってナンだ?】#75 セックスシンボルとのレッテルを貼られても見えるシンガーとしての実力~ジュリー・ロンドン『彼女の名はジュリー』編

415views

楽器探訪 Anothertake

存在感がありながら他の楽器となじむシンフォニックなサウンドが光る、Xeno(ゼノ)トロンボーンの最上位モデル

7513views

楽器のあれこれQ&A

エレクトーンについて、知っておきたいことや気をつけたいこと

28488views

おとなの楽器練習記

おとなの楽器練習記:若き天才ドラマー川口千里がエレキギターに挑戦!

14019views

楽器博物館の学芸員の仕事 Web音遊人

オトノ仕事人

わかりやすい言葉で、知られざる楽器の魅力を伝えたい/楽器博物館の学芸員の仕事(後編)

10125views

札幌コンサートホールKitara - Web音遊人

ホール自慢を聞きましょう

あたたかみのあるデザインと音響を両立した、北海道を代表する音楽の殿堂/札幌コンサートホールKitara 大ホール

20769views

東京交響楽団&サントリーホール「こども定期演奏会」

こどもと楽しむMusicナビ

子ども向けだからといって音楽に妥協は一切しません!/東京交響楽団&サントリーホール「こども定期演奏会」

12638views

ギター文化館

楽器博物館探訪

19世紀スペインの至宝級ギターを所蔵する「ギター文化館」

17097views

練馬だいこんず

われら音遊人

われら音遊人:好きな音楽を通じて人のためになることをしたい

7027views

パイドパイパー・ダイアリー

パイドパイパー・ダイアリー

もしもあのとき、バイオリンを習っていたら

6716views

太平洋に浮かぶ楽園で、小笠原古謡に恋をする Web音遊人

音楽めぐり紀行

太平洋に浮かぶ楽園で、小笠原古謡に恋をする

12146views

おとなの楽器練習記

おとなの楽器練習記:独特の世界観を表現する姉妹のピアノ連弾ボーカルユニットKitriがフルートに挑戦!

5814views

浜松市楽器博物館

楽器博物館探訪

世界中の珍しい楽器が一堂に集まった「浜松市楽器博物館」

38019views

音楽ライターの眼

もうすぐ没後10年。心に刻まれるゲイリー・ムーアの ブルース・ギター

6457views

コレペティトゥーアのお仕事

オトノ仕事人

高い演奏技術と幅広い知識で歌手の表現力を引き出す/コレペティトゥーアの仕事(前編)

23918views

AOSABA

われら音遊人

われら音遊人:大所帯で人も音も自由、そこが面白い!

13404views

Disklavier™ ENSPIRE(ディスクラビア エンスパイア)- Web音遊人

楽器探訪 Anothertake

自宅で一流アーティストのライブが楽しめる自動演奏ピアノ「ディスクラビア エンスパイア」

65267views

秋田ミルハス

ホール自慢を聞きましょう

“秋田”の魅力が満載/あきた芸術劇場ミルハス

8091views

山口正介

パイドパイパー・ダイアリー

クラス分けもまた楽しみ、レッスン通いスタート

5618views

ギター

楽器のあれこれQ&A

ギター初心者のお悩みをズバリ解決!

2196views

こどもと楽しむMusicナビ

クラシックコンサートにバレエ、人形劇、演劇……好きな演目で劇場デビューする夏休み!/『日生劇場ファミリーフェスティヴァル』

8250views

ポロネーズに始まりマズルカに終わる、ショパンの誇り高き精神をめぐるポーランドの旅 - Web音遊人

音楽めぐり紀行

ポロネーズに始まりマズルカに終わる、ショパンの誇り高き精神をめぐるポーランドの旅

35538views