今月の音遊人
今月の音遊人:富貴晴美さん「“音で遊ぶ人”たちに囲まれたおかげで型にはまることのない音作りができているのです」
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60〜70年代アメリカの伝説のスタジオミュージシャンを描いたドキュメンタリーがついに日本で公開!
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2016.1.29
tagged: 映画, レッキング・クルー, 伝説のミュージシャン, エルヴィス・プレスリー, ザ・ビーチ・ボーイズ, ペギー・リー, ナット・キング・コール, カーペンターズ
レッキング・クルーは、かつてロサンゼルスで大活躍したスタジオミュージシャンである──。ということをこの映画で初めて知った。レッキング・クルーのギタリストであるトミー・テデスコの訃報を伝えるアメリカのテレビニュースでも、「彼の名は知らなくても、この曲は聴いたことがあるでしょう」というフレーズで始まるのだから、ご当地アメリカでもその名を知る人は少ないようだ。
ところが、映像を見始めて驚いた。紹介されるどの曲もかつてのヒット曲ばかりなのである。それもジャンルを超えて次から次へと出て来る。映画の中で「ヒット曲を作った陰のヒーローよ」(ナンシー・シナトラ)、「彼らはロックのノウハウを知り尽くしていた」(ブライアン・ウィルソン/ザ・ビーチ・ボーイズ)と語られるように、60〜70年代にかけてヒットした伝説のナンバーには、レッキング・クルーが濃厚に関わっていたのである。
ママス&パパス『夢のカリフォルニア』のイントロで流れる、あの有名なギタープレイも、サイモン&ガーファンクル『明日に架ける橋』の印象的なピアノも、彼らのスタジオプレイによるものだ。エルヴィス・プレスリー、ザ・ビーチ・ボーイズ、ペギー・リー、ナット・キング・コール、カーペンターズ、シェールなどなど、錚々たるミュージシャンのアルバム制作を支え、テレビの人気番組『ボナンザ』や『バットマン』 のテーマ曲も手がけている。そして、“商業的に作られたグループ”として知られるモンキーズのアルバムでは、すべて演奏を担当していたというのも興味深い。どうりでうまかったわけだ。
本作はこれまで存在を知られることがなかった音楽集団、レッキング・クルーの活動を、当事者たちの思い出を掘り起こしながら綴ったドキュメンタリーである。きっかけは前述したトミー・テデスコが肺がんと診断されたことだった。その息子が彼らのことを映像に残そうとカメラを持ったのだが、それが思いがけず、埋もれていた音楽史の発掘へとつながってゆくのである。ジャズからロックへと変わる時代の音楽やウェストコーストサウンド、そしてフィル・スペクターが作り出した重厚なバック演奏「ウォール・オブ・サウンド」に至るまで、音楽の流行を巧みに取り入れてこなしていく様子は、さすがテクニシャン揃いだけのことはある。そして何よりメンバーが格好いい。中でも女性ベーシストのキャロル・ケイの弦さばきにはうっとりしてしまう。撮影当時で結構な年齢に達していると思うのだが、テクニックも魅力も衰えていない。音楽史を彩るレジェンド達はいつまでも光輝いているのだ。
『レッキング・クルー ~伝説のミュージシャンたち』
2016年2月20日(土)~新宿シネマカリテほか、全国順次公開
『レッキング・クルー~伝説のミュージシャンたち』の劇場鑑賞券を抽選で3組6名様にプレゼントします。鑑賞券は全国の上映劇場でご利用いただけます。
こちらのWeb音遊人専用応募フォームにてご応募ください。
応募締切:2016年2月14日(日)23:59まで
当選発表:チケットの発送をもって代えさせていただきますので、予めご了承ください。
※2016年2月中旬発送予定
文/ 唐沢 耕
photo/ ©2014,Lunchbox Entertainment
tagged: 映画, レッキング・クルー, 伝説のミュージシャン, エルヴィス・プレスリー, ザ・ビーチ・ボーイズ, ペギー・リー, ナット・キング・コール, カーペンターズ
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