今月の音遊人
今月の音遊人:家入レオさん「言葉に入りきらない気持ちを相手に伝えてくれるのが音楽です」
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2017年8月19日(土)・20日(日)、SUMMER SONIC 2017(サマソニ)が開催される。
2000年から毎年開催され、今や「サマソニに行かなきゃ夏が終わらない!」と言ってはばからない音楽ファンも多い、最重要ビッグ・イベントのひとつであるこの夏フェス。2017年は千葉県・幕張(ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ)と大阪(舞洲SONIC PARK)の2会場で、ラインアップを総入れ替えしながら開催される。
2017年のサマソニの特徴は、2日間でそれぞれのカラーが比較的くっきりと分かれていることだろうか。幕張初日(大阪2日目)は“世界一のDJ”と呼ばれるカルヴィン・ハリスがヘッドライナーとして参戦。さらにブラック・アイド・ピーズ、ピコ太郎まで、とにかく1日中踊ってしまえるイベントだ。
一方、幕張2日目(大阪初日)はよりロックな顔ぶれが揃っている。ヘッドライナーのフー・ファイターズは世界中のフェスを総ナメにしてきた実力派バンドであり、1997年の第1回フジ・ロック・フェスティバルから日本の夏フェスを知り尽くしている。殺人的ですらあるツアー・サーキットで鍛え上げられてきたBABYMETAL、とびっきりイキのよいロック・バンドであるロイヤル・ブラッドとザ・ストラッツなど、より“ロック・フェス”的なラインアップだ。
そんな中で注目したいのは、パンクスプリングの魂がサマソニに生きていることだ。
パンクスプリングは2006年以来開催されてきたパンク・フェス。世界のトップ・パンク・アーティスト達が集結、毎年の春を盛り上げてきたが、2017年が最終回となってしまった。オフスプリング、バッド・レリジョン、NOFXなど歴代最強のラインアップによるライヴは最大級のエクスプロージョンで大団円を迎えている。
そしてパンクスプリングが終わったことをしんみり懐かしむ暇もなく、パンクの夏がやって来る。幕張2日目(大阪初日)のソニック・ステージには、さながら“パンクスプリング復活!”といえる布陣が出演するのだ。
SUM 41、グッド・シャーロット、ペニーワイズ、ニュー・ファウンド・グローリー、Fear, and Loathing in Las Vegas、TOTALFATなどは、いずれもパンクスプリングへの出演経験のある面々だ。
夏フェスといえば、お目当てのアーティストの出演時間がバッティングしてしまう、ステージ間の移動が大変だ、などの問題があるが、パンク・ロッカーだったら1日ずっとソニック・ステージに張り付いていれば、2つの問題が一気に解決されてしまうことになる。
もちろん実際にはあのバンドも見たいし、こっちのステージにも行きたい、ソニ飯も食べたい……など、けっこう忙しい2日間になりそうだが、そんなパンクな楽しみ方も出来てしまうのが2017年のサマソニなのである。
さらに幕張では18日(金)にカサビアンやリアム・ギャラガーが出演するソニックマニア、19日(土)にセイント・ヴィンセントやモグワイらが登場するホステス・クラブ・オールナイターが開催され、サイン会やお笑いSHOW TIMEも行われる。毎年たっぷり楽しめるサマソニだが、体力を消耗しがちな真夏の祭典ゆえ、水分・栄養補給と睡眠はしっかり取って欲しい。
ところで2017年4月、最後のパンクスプリングのヘッドライナーであるオフスプリングがステージを降りた後、海外の某フェス・ツアーに極めて酷似したロゴと“SEE YOU NEXT SPRING!”というメッセージが映し出され、会場をどよめかせた。まだ正式発表はないが、パンク・ファンの間でさまざまな噂が飛び交っているところだ。はたして2018年の春、何が起こるのか。注目していきたい。
開催日:2017年8月19日(土)・8月20日(日)
場所:ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ/舞洲SONIC PARK(舞洲スポーツアイランド)
山崎智之〔やまざき・ともゆき〕
1970年、東京生まれの音楽ライター。ベルギー、オランダ、チェコスロバキア(当時)、イギリスで育つ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業後、一般企業勤務を経て、1994年に音楽ライターに。ミュージシャンを中心に850以上のインタビューを行い、雑誌や書籍、CDライナーノーツなどで執筆活動を行う。『ロックで学ぶ世界史』『ダークサイド・オブ・ロック』『激重轟音メタル・ディスク・ガイド』『ロック・ムービー・クロニクル』などを総監修・執筆。実用英検第1級、TOEIC 945点取得
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