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今月の音遊人:上原彩子さん「家族ができてから、忙しいけれど気分的に余裕をもって音楽と向き合えるようになりました」
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親しみやすいメロディを、ジャズの熱さに乗せて。 結成16年目にあらためて「自分たちらしさ」を追究したニューアルバム『CORE』/JABBERLOOPインタビュー
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2020.8.27
tagged: インタビュー, アルバム, JABBERLOOP, CORE
国内外のクラブ・ジャズ・シーンで独自の存在感を放ち続けるインストバンド、JABBERLOOP(ジャバループ)。2004年に京都で結成し、現在のメンバーであるMAKOTO(トランペット)、DAISUKE(サクソフォン)、MELTEN(キーボード)、YUKI(ベース)が揃った2005年には拠点を東京に移した。ストリートパフォーマンスをアグレッシブに行うことで徐々に人気を獲得し、2007年にメジャーデビューを果たしている(2016年にドラムのYOHEIが脱退し、現在はサポートメンバーを迎えている)。
2009年にはセカンドアルバム『CHECK THIS OUT!!』をリリースし、収録曲の『シロクマ』が大ヒット。軽快でダンサブルなビートに親しみやすいメロディが乗った同曲はストリートダンスの音楽としても火が付き、サードアルバム『攻め燃える』に吹奏楽版を収録することで、吹奏楽のコンサートや高校野球の応援でも盛んに聴かれる彼らの代表曲になった。
結成から16年目となる2020年は、9月に3年ぶりのフルアルバム『CORE』がリリースされることが決定。より多彩な楽曲が揃った今作のコンセプトや聴きどころについて、4人に話を伺った。
「これまで15年以上活動してきて、『さぁ、ここからどうしようか』と何か新しいことにチャレンジする選択肢もあったとは思いますが、僕たちは長く続けているからこそ、これまで培ってきた自分たちの軸、つまりコアな部分を信じたアルバムを作ろう、ということになりました」(MAKOTO)
アルバム名もズバリ『CORE』にしよう、と提案したのはYUKIだという。
「3年前にリリースしたアルバムは、新しいものであると同時にリニューアルの意味も込めてタイトルを『NEW』と付けました。今回の作品にも新しい要素はあるけれど、その底には『僕たち、こういう音楽が好きだよね』という絶対的なものがある。それが『CORE』だと思ったんですよね」(YUKI)
そんなコンセプトで制作された今作を聴いて印象的なのは、どの曲もとにかくキャッチーなこと。ジャズにしては意外なほどポップなメロディは、各パートのアドリブの中にもしっかりと息づいている。そして、圧倒的な熱量でぐいぐいと前に進んでいくグルーヴ感が、聴く者を元気にしてくれるのだ。
「結成当初から『みんなが鼻歌で歌えるような楽曲を作ろう』というのがバンドの大きなテーマなんです。楽器を演奏しないリスナーでも、鼻歌だったらできるでしょう?だから、特に気負ったり奇をてらったりせずに素直に作りました。その結果できたものが僕たちの歩んできた歴史であり、『CORE』になったと思います」(DAISUKE)
「僕たちは編成でいえばジャズ・クインテットなんですけれど、ジャズのフォーマットに乗りつつもポップスをやったりとか、自分たちを型にはめることなくやってきました。僕もピアノだけでなくシンセもガンガン使いますし。そういう開かれた空気感も間違いなく僕たちの『CORE』であり、変わらないところですよね」(MELTEN)
『CORE』の中には、ジャズの薫りもしっかりと息づいている。MAKOTOとDAISUKEによる2管の響きやMELTENのピアノ、そしてサウンドの土台をどっしりと支えつつも、いざというときにはエネルギッシュなソロを披露するYUKIのベースにもジャズの熱さが詰まっている。しかし、それ以上に、メロディをしっかりと聴かせる密度の濃いアンサンブルがJABBERLOOPのサウンドの要であり、吹奏楽のファンにもアピールする所以なのだろう。16年もの長きに渡り培われてきたメンバー間の信頼関係がなせる業である。
「例えばMAKOTOのトランペットを聴いていると、『次はこういくだろうな』というのがわかるんです。ほんのちょっとだけ先の音が聴こえるというか。まさに、ずっと一緒にやっているからですよね」(DAISUKE)
「長くやっていると、曲作りにも余裕が出てくる気がしますね。いままでは、アルバム制作に力が入り過ぎるあまり、気が付くとどの曲もホーンがメインのメロディをとってしまいがちだったんですよね。それだと起伏がなくなってしまう。今回は『この曲はMELTENにメロディを任せよう』とか、『ここでYUKIのベースソロも聴きたい!』と、他のメンバーのことをイメージしながら作ることができました」(MAKOTO)
「JABBERLOOPらしさを追究する過程の中で、確かにアレンジ面では以前より余裕が出てきたと思います。それが従来の勢いにプラスされた感はありますね」(MELTEN)
「自然と『それぞれの曲の聴かせどころを引き立たせよう』という意識になりましたね。ベースがしっかりしていたら、みんなが輝くんです。その中で、たまに自分も輝くことができればいいかなと」(YUKI)
2020年は、アルバム発売の告知前に収録曲のエクストラエディションを1曲ずつ4週連続でリリース(4曲の最初の文字をつなげると『CORE』となり、アルバム告知となる仕掛け)するなどして話題作りに務めてきた。また、新型コロナウイルスの影響で自粛生活が続く中、特別企画『動画でマザレ! JABBERLOOP吹奏楽団』を企画し、リモートで総勢133名による『シロクマ』の演奏を行うなど、積極的にファンとのコミュニケーションを図ってきた。
「JABBERLOOP吹奏楽団には、周辺のミュージシャンをはじめ、本当にたくさんの方が参加してくれて、うれしかったですね。僕たちはいろんな方々が支えてくださるからこそ活動できているんだ、とあらためて実感しました。9月にアルバムが発売されたら、何らかのかたちで演奏をお披露目できる機会を作ろうと思います。決まり次第発表しますので、待っていてくださいね」(MAKOTO)
発売元:JUNONSAISAI RECORDS
発売日:2020年9月9日
価格:2,273円(税抜)
詳細はこちら
2020年9月25日(金)WWW(渋谷)
2020年11月15日(日)Shangri-La(大阪)
2020年11月28日(土)Jammin’(名古屋)
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文/ 山﨑隆一
tagged: インタビュー, アルバム, JABBERLOOP, CORE
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