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今月の音遊人:亀田誠治さん「音楽は『人と人をつなぐ魔法』。いまこそ、その力が発揮されるべきだと思います」
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1DAYフェスであなたもオルガン博士に/サントリーホールでオルガンZANMAI!
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2021.7.27
tagged: サントリーホール, パイプオルガン, オルガン, オルガンZANMAI!
コンサートホールに行くと、ステージの奥にそびえ立つ巨大なパイプオルガンの姿が目に飛び込んできます。夏休みは、その迫力ある音色をお子さんと一緒に聴いてみたいと思いませんか?
2021年8月7日(土)に開催される『サントリーホールでオルガンZANMAI!』は、オルガンをテーマに、その魅力をたっぷり味わうことができるサントリーホールの夏の風物詩。その見どころなどについて、サントリーホール企画制作部の曽武川和之さんにお話を伺いました。
「サントリーホールにあるパイプオルガンとポジティフオルガン(小型オルガン)を使って、お子さんからオルガン愛好家まであらゆる方々が楽しめる1日にしたい、オルガンに目を向けていただくきっかけを作りたいという思いで企画しています。今年は色々な内容を詰め込めるだけ詰め込んでみようということで、演奏やレクチャーなど8つの公演を予定しています」(曽武川さん)
フェスティバルは朝10時からはじまる小学校低学年向けの「オルガン研究所」で幕を開けます。この公演は2000年から毎年開催されてきた大人気企画「それいけ!オルガン探検隊」の後継となるもので、コロナ禍の影響で2020年にリニューアルしたとのこと。
「長年やってきた『それいけ!オルガン探検隊』では、子どもたちが実際にオルガンの部品に触ったり、音を鳴らしてみたりといった体験を大切にしてきましたが、2020年から感染症拡大防止のため不特定多数の方が物に触ることができなくなってしまったので、それに代わるアイデアを練りました。今回は、まず前半で劇をまじえながらオルガンのことを知っていただき、後半では石丸由佳さんのパイプオルガンと野本洋介さんのパーカッションの演奏に、お子さんたちのボディパーカッションなども加えながら、オルガンの音を直感的に楽しんでいただけるようなプログラムを組み立てています」
パイプに空気を送ることで音が鳴り、ストップレバーによって音色を変えるといったパイプオルガンの基本的な仕組みを楽しく学ぶことができる「オルガン研究所」。夏休みの自由研究のテーマにもぴったりでは?
「まず音を聴いていただき、そこから“どうなっているの?”という疑問がお子さんのなかに浮かんでくると思うので、その種を拾い上げて、“なんで?”をできるだけたくさん解決していけるような内容にしたいと思っています。また、休憩時間にはパイプオルガンの内部を360度カメラで撮影した映像をご覧いただけます。普段は内部に入ることができませんから、『オルガン研究所』ならではの体験ですね」
このほかにも盛りだくさんの1日ですが、なかでも午後に大ホールで開催される3つのリサイタルは、バラエティに富んだ切り口でオルガンのさまざまな顔を見せてくれます。3人のオルガニストとのトークを担当するファシリテーターの飯田有抄さんに聴きどころを伺いました。
「第一線で活躍するオルガニストの勝山雅世さん、山口綾規さん、近藤岳さんは、かつて3人でオルガンの新たな可能性を探求する“TRM”というユニットを組んで活動していらしただけに、それぞれのリサイタルのテーマが非常に個性的でありながら、絶妙な組み合わせなんですよね。最初にご登場される勝山さんによる『呼吸するオルガン』では、バロック時代から現代までのプログラムで、オルガンの魅力を包括的に伝えてくださいます。ホール全体を人体に見立てると、空気を送り込むオルガンは肺、お客さまひとりひとりは細胞にあたるというコンセプトなのだそうです。勝山さんがメロディを奏でると、酸素が全身に行きわたって、細胞が元気になるというわけです」
リサイタルはそれぞれ1時間なので、お子さんとご一緒でも楽しめるはず。とくに山口綾規さんによる『オルガンで巡るアメリカ』では、映画スター・ウォーズの有名なテーマをパイプオルガンで演奏するというのですから要注目です。
「原曲になるべく忠実に編曲されたとのことで、演奏には大変な技術を要するそうです。オルガンというとヨーロッパのイメージがありますが、アメリカにはシアター・オルガンという文化があって、映画館に設置されたきらびやかなオルガンで、無声映画に音をつけて上映していた時代があったのだそうです。山口さんに写真を見せていただきましたが、本当にきらっきらの派手派手。そのシアター・オルガンに心ひかれオルガンを専門的に学ぶことを決めた山口さんが、今回は映画音楽をはじめとした、多岐にわたるアメリカ音楽を楽しめるプログラムを披露してくださいます。」
そして近藤岳さんによる『讃えるオルガン』では、フランスの教会で奏でられていた曲を聴かせてくれます。
「フランスのオルガン文化の黄金期というのは、フランス革命以前の17世紀に訪れていたのだそうです。それが革命で衰退し、19世紀になってオルガニスト/作曲家のフランクらの登場によって、ふたたび盛り上がっていく。このプログラムでは黄金期の作品と、フランク以降の作品を取り上げ、フランスの教会オルガン文化の継承を音で旅するような時間をお届けします」
1日の終わりに、この3人のオルガニストと飯田さんがオルガンの未来予想図を語り合う「トークでもオルガンZANMAI!」にもご注目を。さらにブルーローズ(小ホール)ではポジティフオルガンを例に、オルガンの製作過程が学べる「大人のためのオルガンの時間」もあるので、ぜひチェックしてみてください。この夏休み、親子でオルガン博士になりませんか。
開催日:2021年8月7日(土)
会場:サントリーホール(東京都港区赤坂1‐13‐1) 大ホール/ブルーローズ(小ホール)
※緊急事態宣言中のチケット販売は、収容率の50%に達し次第終了いたします。
10:00 | オルガン研究所(大ホール) |
12:00 | “ポジティフ” ビー アンビシャス!(ブルーローズ)※予定枚数終了 |
13:30 | 呼吸するオルガン(大ホール) |
14:50 | ポジティフオルガンコンサート(ブルーローズ)※予定枚数終了 |
16:00 | オルガンで巡るアメリカ(大ホール) |
17:15 | 大人のためのオルガンの時間(ブルーローズ) |
18:30 | 讃えるオルガン(大ホール) |
19:45 | トークでもオルガンZANMAI!(大ホール) |
文/ 原典子
photo/ サントリーホール提供
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