Web音遊人(みゅーじん)

CASIOPEA-P4始動

結成45周年のCASIOPEAの第4期が幕開け!ドラムは25年振りに正規メンバーが加入/CASIOPEA-P4インタビュー

燦然と輝くフュージョンの巨星CASIOPEAが2022年に結成45周年を迎え、第4期となるCASIOPEA-P4として始動。四半世紀ぶりに正規メンバーを迎えたことも大きな話題を呼んでいる。
2022年10月12日にリリースされたニューアルバム『NEW TOPICS』が、その第4章の鮮烈な幕開けを告げる!

違うバンドになった気がした

1977年の結成から1989年までの第1期、1990年から2006年までの第2期、そしてCASIOPEA 3rdに名称変更した2012年 からの第3期。メンバーチェンジを経ながらも長年バンド活動を続けてきた。
そんなCASIOPEAをスペシャル・サポート・ドラムとして支えてきた神保彰が2022年5月に卒業。その後任として白羽の矢が立ったのが、新進気鋭のドラマー今井義頼だ。正規メンバーの加入は、実に25年ぶりとなる。
もともと今井は、メンバーの野呂一生(ギター)と鳴瀬喜博(ベース)が指導にあたる東京音楽大学の学生だった。その成長過程をつぶさに見てきており、卒業後は何度も一緒にプレイしてきたという。
「僕のドラマー人生は、ひたすら神保さんを目指してきたと言っても過言ではありません。CASIOPEA-P4のメンバーになれるなんて、あり得ない!と信じられない気持ちでした」

CASIOPEA-P4始動

写真左:野呂一生(ギター)、写真右:今井義頼(ドラム)

今井がそう語ると、すかさず野呂が「だって嘘だもん」と突っ込み、笑いを誘った。「最初からずっといたように、すっとそのまま来たよね?」と鳴瀬。
CASIOPEA-P4の雰囲気が、そのまま伝わってくるやり取りだ。実は、34歳の今井と最年長の鳴瀬とは30歳以上の歳の差がある。世代を超えた新生CASIOPEAに、変化はあったのだろうか。
「ある部分では、今井君に引っ張ってもらった感じがありますね。最初にレコーディングした1曲目の『TODAY FOR TOMORROW』を聴いたとき、何だか違うバンドになった気がしました。その雰囲気を大事にしてアルバムを1枚つくれたらと思い、今回それができたと感じています」(野呂)
大髙清美(キーボード)も同感だという。
「楽器の質感やエネルギーが全然違うと思いました。本当に違うバンドみたいだ、と」
鳴瀬は、彼らしい表現でこう話す。
「リズム隊の相方が若くて生きがいいから、これから俺はそれに乗っかっていこうかな。これから楽しみだね」
そして、新メンバーの今井はCASIOPEA-P4として目指すことについて語ってくれた。
「みなさん懐が深く、はじめから受け入れてくださったことが印象的でした。うまく言えないのですが、“一緒に”という言葉がずっと頭のなかにあって。このメンバーでなければできない音を出せていけたら、とても幸せだと思います」
今回のCASIOPEA-P4の結成で、第1期の野呂、2期から参加した鳴瀬、3期からの大髙、そして4期の今井と、CASIOPEAの各時代を代表する4人が揃った。

ニューアルバムをリリース&初ライブも開催

CASIOPEA-P4としての初のアルバム『NEW TOPICS』には、書下ろし新曲の全10曲が収録されている。そのうち7曲は野呂による作曲だ。
「メンバーが正式に決定するまでは、自分のなかでパシッとした形が見えなくて混沌としていたのですが、今井君に決まってから、1か月ぐらいで全曲一気に書き下ろせました。自分の頭のなかで鳴っているものより、実際にみんなでプレイしたときの方が面白くなってほしいと思いながら曲をつくっているのですが、それは実現できたと思います」(野呂)
すべてが推し曲だというが、強いて挙げてもらったのが『TODAY FOR TOMORROW』。
「今回、自分でつくったなかで、メロディーが一番はっきりしている曲です。みなさんにご紹介という意味で、短いけれどドラムソロも入れました」(野呂)
一方、鳴瀬が作曲した『NoOne. . .EveryOne. . .』は、強いエネルギーを放つ。
「作曲したのは2022年3月。世界の情勢に憤りを感じてつくった曲なんだよね。そういう熱さがある曲です。タイトルには直接的な意味はあるけれど、“. . .”に入る言葉は敢えて抜いてわからないようにしました」
曲名通り、陽気でテンションが上がる『Vivaciously』は、大髙が作曲した。
「野呂さんから“ゴキゲンな一曲を”というメールをいただいて、ゴキゲンといったらブギかな、と。いろいろ考えていたら、鳴瀬さんが楽しそうに弾いている姿が頭によぎったので、ベースをフィーチャーした部分もつくりたいと思いました。テンポも速めにして、元気さを出しています」

CASIOPEA-P4始動

写真左:大髙清美(キーボード)、写真右:鳴瀬喜博(ベース)

今井の『DAILY BREAD』は、いい意味で予想を裏切るような優しい曲に仕上がっている。
「野呂さんは楽器を使わず、頭のなかで音を鳴らしてそれを譜面にしていきます。その曲の書き方をうかがったときには衝撃を受けました。僕もその手法でやってみたところ、気が付いたらドラマーらしくない優しい曲になっていました。コロナでミュージシャンもダメージを受けましたが、それでも日々食事ができることに感謝する曲にしたいという思いを込めてこのタイトルにしました。あとは鳴瀬さんが、パンが大好きなので(笑)」
第4幕のキックオフを鮮やかに彩るアルバムには、まさにCASIOPEA-P4が生み出したニュー・トピックスが詰まっている。
「P-4の「P」にはPhase(場面、側面、局面)、Page(頁)、Present(現在)、Premium(プレミアム)などいろいろな意味が込められています」(野呂)
無限の可能性を感じさせる「P」。今後の活動に期待は高まるばかりだ。
「2022年10月21日(金)、22日(土)にはブルーノート東京でCASIOPEA-P4として初のライブを行います。ニューアルバムの曲、そしてみなさんが聴きたいであろう昔からの曲、新旧を織り交ぜたライブになると思います。2日間で全4ステージありますが、アンコールはすべて違う曲を用意しています」(野呂)
2022年12月には東京・名古屋・大阪のツアーも予定されているというから、こちらも乞うご期待!

■インフォメーション

●アルバム『NEW TOPICS』

発売元:ハッツアンリミテッド
発売日:2022年10月12日
価格:3,300円(税込)
詳細はこちら

●CASIOPEA-P4/~Special First Live~P4

会場:ブルーノート東京
2022年10月21日(金)1stステージ 18:00開演(17:00開場)/2ndステージ 20:30開演(19:45開場)
2022年10月22日(土)1stステージ 17:00開演(16:00開場)/2ndステージ 20:00開演(19:00開場)

●CASIOPEA-P4/New GIG~P4

2022年12月11日(日)EX THEATER ROPPONGI(東京都)
2022年12月23日(金)BIGCAT(大阪府)
2022年12月25日(日)THE BOTTOM LINE NAOGYA(愛知県)
公演の詳細はこちら
オフィシャルサイトはこちら

オフィシャルFacebook YouTube公式チャンネル オフィシャルTwitter オフィシャルInstagram

photo/ 阿部雄介

本ウェブサイト上に掲載されている文章・画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。

facebook

twitter

特集

五条院凌

今月の音遊人

今月の音遊人:五条院凌さん「言葉で表現するのが苦手な私でも、ピアノなら自分の感情を、音を通して表現できる」

7920views

高らかに鳴るトランペットだけでなく、神業のようなドラム・プレイ、若き俊英のピアノの妙技にも目をみはる/タイガー大越 トランペットの絵画 Vol.4

音楽ライターの眼

高らかに鳴るトランペットだけでなく、神業のようなドラムプレイやピアノの妙技にも目をみはる/タイガー大越 トランペットの絵画 Vol.4

6543views

Disklavier™ ENSPIRE(ディスクラビア エンスパイア)- Web音遊人

楽器探訪 Anothertake

自宅で一流アーティストのライブが楽しめる自動演奏ピアノ「ディスクラビア エンスパイア」

58531views

楽器のあれこれQ&A リコーダー

楽器のあれこれQ&A

リコーダーを長く楽しむためのお手入れ方法

9575views

おとなの楽器練習記

おとなの楽器練習記:独特の世界観を表現する姉妹のピアノ連弾ボーカルユニットKitriがフルートに挑戦!

4770views

ステージマネージャーの仕事 - Web音遊人

オトノ仕事人

ステージマネージャーひと筋に、楽員とともにハーモニーを奏で続ける/オーケストラのステージマネージャーの仕事(後編)

17793views

札幌コンサートホールKitara - Web音遊人

ホール自慢を聞きましょう

あたたかみのあるデザインと音響を両立した、北海道を代表する音楽の殿堂/札幌コンサートホールKitara 大ホール

18292views

こどもと楽しむMusicナビ

サービス精神いっぱいの手作りフェスティバル/日本フィル 春休みオーケストラ探検「みる・きく・さわる オーケストラ!」

10082views

上野学園大学 楽器展示室」- Web音遊人

楽器博物館探訪

伝統を引き継ぐだけでなく、今も進化し続ける古楽器の世界

13189views

横浜レンタル倉庫(YRS)

われら音遊人

われら音遊人:目指すはフェス! 楽しみ、楽しませ、さらなる高みへ

1871views

山口正介

パイドパイパー・ダイアリー

クラス分けもまた楽しみ、レッスン通いスタート

4940views

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブにサルサ!キューバ音楽に会いに行く旅 - Web音遊人

音楽めぐり紀行

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブにサルサ!キューバ音楽に会いに行く旅

26127views

コハーン・イシュトヴァーンさん Web音遊人

おとなの楽器練習記

【動画公開中】ハンガリー出身のクラリネット奏者コハーン・イシュトヴァーンがバイオリンを体験レッスン!

10491views

浜松市楽器博物館

楽器博物館探訪

見るだけでなく、楽器の音を聴くこともできる!

14201views

音楽ライターの眼

ホワイトスネイクが新編成ベスト三部作の完結編『ザ・ブルース・アルバム』を発表

3228views

テレビや映画の映像を音楽の力で何倍にも輝かせ、人の心を揺さぶる/劇伴作家の仕事

オトノ仕事人

【サインCDプレゼント】テレビや映画の映像を音楽の力で何倍にも輝かせ、人の心を揺さぶる/劇伴作家の仕事

15531views

われら音遊人:ずっと続けられることがいちばん!“アツく、楽しい”吹奏楽団

われら音遊人

われら音遊人:ずっと続けられることがいちばん!“アツく、楽しい”吹奏楽団

11015views

楽器探訪 Anothertake

世界の一流奏者が愛用するトランペット「Xeno Artist Model」がモデルチェンジ

26371views

ホール自慢を聞きましょう

歴史ある“不死鳥の街”から新時代の芸術文化を発信/フェニーチェ堺

8865views

パイドパイパー・ダイアリー

パイドパイパー・ダイアリー

楽器は、いつ買うのが正解なのだろうか?

8533views

トロンボーン

楽器のあれこれQ&A

初心者なら知っておきたい、トロンボーンの種類や選び方のポイント

13703views

東京文化会館

こどもと楽しむMusicナビ

はじめの一歩。大人気の体験型プログラムで子どもと音楽を楽しもう/東京文化会館『ミュージック・ワークショップ』

7706views

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブにサルサ!キューバ音楽に会いに行く旅 - Web音遊人

音楽めぐり紀行

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブにサルサ!キューバ音楽に会いに行く旅

26127views