Web音遊人(みゅーじん)

FUJI ROCK FESTIVAL’19開催。多彩な顔ぶれと新しい発見への旅

2019年7月26日(金)27日(土)28日(日)、新潟県・苗場スキー場で「フジ・ロック・フェスティバル’19」が開催される。

1997年に第1回が行われて、これが23回目。1年の生活サイクルをフジロック中心にする熱心な”フジロッカー”も多く、毎年の出演ラインナップは死活問題ですらある。

2018年はボブ・ディランからケンドリック・ラマーまで、半世紀の年齢幅のある出演アーティストで楽しませてくれたが、2019年もベテランからブライテスト・ホープまで、多彩な顔ぶれが名を連ねている。

最大のステージであるグリーン・ステージのヘッドライナーは、まず26日(金)がケミカル・ブラザーズ。1990年代前半から活動、フジロックには1999年の初参加から数年ごとに出演してきた、”準・常連”だ。2015年には競合フェス(?)の「サマーソニック」に登場、すわ移籍か……!?とファンを驚かせたが、満を持してフジロックに帰ってくることになった。

20年以上、世界のフェスで大観衆を踊らせてきた彼らのライヴはファッションやトレンドを超えて、我々のダンス本能を刺激してやまない。

27日(土)のヘッドライナーはSIA(シーア)だ。オーストラリア出身のシンガー・ソングライターでありプロデューサーの彼女はクリスティーナ・アギレラ、デヴィッド・ゲッタ、フロー・ライダー、リアーナ、マルーン5などと共作/共演/楽曲提供、自らのアルバム『ウィー・アー・ボーン』(2010)『1000フォームズ・オブ・フィアー』(2014)『ディス・イズ・アクティング』(2016)も連続ヒットさせるなど、まさに現代のポップ・シーンの台風の目となっている。シンガーとしてのずば抜けた実力はもちろん、奇抜なヴィジュアルやジャケット・アートでの変顔など、キャラ立ちまくりな彼女のアイデンティティが野外ライヴでどのように生かされるか?

最終日の28日(日)を締めるのはザ・キュアーだ。2007年と2013年にフジロックでグリーン・ステージのトリを務め、後者の3時間におよぶグレイテスト・ヒッツ・ライヴが伝説となった彼らが帰ってくる。フジロックに先駆けて、5月にはオーストラリアで『ディスインテグレーション』(1989)の30周年記念再現ライヴを行うことが発表されており、日本でも同作からのナンバーが多く披露されるかも。また、11年ぶりとなるニュー・アルバムも噂されており、ひょっとして新曲も聴けるか……?と期待が高まる。

もちろんヘッドライナーだけでなく、3日間、ノンストップで音楽に身を委ねることができるのがフジロックだ。

ライヴが複数ステージで同時進行するため、自分が見たい・聴きたいアーティストを事前にピックアップしておきたいが、オススメしたいのがゲイリー・クラーク・ジュニアだ。アメリカの伝統的ブルースが血を流れる彼は21世紀のブルースマンと呼ばれており、エリック・クラプトンやデイヴ・グロール、バラク・オバマ元米大統領など著名人にもファンが多い。日本では2013年にショーケース・ライヴで初来日公演が実現したが、ブルースを踏まえながらソウルやジャズ、ホップホップを交えたサウンドは唯一無二のものだった。それから旅路を経てきたジャーニーマンの彼が見せるステージは、見逃すことができない。

新世代ギター・ミュージックの旗手CHONが再来日を果たすのも必見だ。既存のスタイルに囚われることなく、奔放にギターを弾きまくり、あらゆる音楽スタイルを取り込む姿勢は、ポリフィアやインターヴァルズ、アニマルズ・アズ・リーダーズなどと共にひとつのムーヴメントを成している。2017年の初来日公演も成功を収めており、現在ひとつの岐路に立っているギターという楽器の現在、そして未来を知る上で、CHONは最重要バンドのひとつである。

総勢150アーティストが出演するフジロックゆえ、必ず新しい発見が待っている。例年についても言えることだが、フジロックで注目アーティストというのは、”自分の知らないアーティスト全部!”なのである。

■フジ・ロック・フェスティバル’19/FUJI ROCK FESTIVAL’19

主催:SMASH Corporation
企画・制作:SMASH/HOT STUFF PROMOTION
日時:2019年7月26日(金)~28日(日)※雨天決行
会場:新潟県湯沢町苗場スキー場

 

特集

川井郁子さん

今月の音遊人

今月の音遊人:川井郁子さん「私にとっての“いい音楽”とは、別世界へ気持ちを運んでくれる翼です」

12721views

音楽ライターの眼

ベンチャーズが来日60周年記念ツアー。変わる時代と変わらぬ音楽

15607views

Disklavier™ ENSPIRE(ディスクラビア エンスパイア)- Web音遊人

楽器探訪 Anothertake

自宅で一流アーティストのライブが楽しめる自動演奏ピアノ「ディスクラビア エンスパイア」

64650views

ピアノやエレクトーンを本番で演奏する時の靴選び

楽器のあれこれQ&A

ピアノやエレクトーンを本番で演奏する時の靴選び

50095views

世界各地で活躍するギタリスト朴葵姫がフルートのレッスンを体験!

おとなの楽器練習記

【動画公開中】世界各地で活躍するギタリスト朴葵姫がフルートのレッスンを体験!

9049views

オトノ仕事人

アーティストの個性を生かす演出で、音楽の魅力を視聴者に伝える/テレビの音楽番組をプロデュースする仕事

10081views

水戸市民会館

ホール自慢を聞きましょう

茨城県最大の2,000席を有するホールを備えた、人と文化の交流拠点が誕生/水戸市民会館 グロービスホール(大ホール)

11563views

こどもと楽しむMusicナビ

サービス精神いっぱいの手作りフェスティバル/日本フィル 春休みオーケストラ探検「みる・きく・さわる オーケストラ!」

11234views

ギター文化館

楽器博物館探訪

19世紀スペインの至宝級ギターを所蔵する「ギター文化館」

16851views

武豊吹奏楽団

われら音遊人

われら音遊人: 地域の人たちの喜ぶ顔を見るために苦しいときも前に進み続ける

2837views

山口正介

パイドパイパー・ダイアリー

だから続けられる!サクソフォンレッスン10年目

5569views

ポロネーズに始まりマズルカに終わる、ショパンの誇り高き精神をめぐるポーランドの旅 - Web音遊人

音楽めぐり紀行

ポロネーズに始まりマズルカに終わる、ショパンの誇り高き精神をめぐるポーランドの旅

35035views

おとなの楽器練習記

おとなの楽器練習記:和洋折衷のユニット竜馬四重奏がアルトヴェノーヴァのレッスンを初体験!

6192views

上野学園大学 楽器展示室

楽器博物館探訪

日本に一台しかない初期のピアノ、タンゲンテンフリューゲルを所有する「上野学園 楽器展示室」

21797views

バッハにオマージュを捧げる弦楽器奏者たちの味わい深い録音

音楽ライターの眼

バッハにオマージュを捧げる弦楽器奏者たちの味わい深い録音、おすすめのアルバム5枚

6342views

鬼久保美帆

オトノ仕事人

音楽番組の方向性や出演者を決定し、全体の指揮を執る総合責任者/音楽番組プロデューサーの仕事

4322views

われら音遊人:クラノワ・カルーク・ オーケストラ

われら音遊人

われら音遊人:同一楽器でハーモニーを奏でる クラリネット合奏団

9341views

ピアニカ

楽器探訪 Anothertake

ピアニカで音楽好きの子どもを育てる

15384views

武満徹の思い「未来への窓」をコンセプトに個性的な公演を/東京オペラシティ コンサートホール:タケミツメモリアル

ホール自慢を聞きましょう

武満徹の思い「未来への窓」をコンセプトに個性的な公演を/東京オペラシティ コンサートホール:タケミツ メモリアル

17287views

山口正介さん Web音遊人

パイドパイパー・ダイアリー

いまやサクソフォンは趣味となったが、最初は映画音楽だった

7520views

ピアノの地震対策

楽器のあれこれQ&A

いざという時のために!ピアノの地震対策は大丈夫ですか?

51818views

こどもと楽しむMusicナビ

クラシックコンサートにバレエ、人形劇、演劇……好きな演目で劇場デビューする夏休み!/『日生劇場ファミリーフェスティヴァル』

8103views

太平洋に浮かぶ楽園で、小笠原古謡に恋をする Web音遊人

音楽めぐり紀行

太平洋に浮かぶ楽園で、小笠原古謡に恋をする

11833views