今月の音遊人
今月の音遊人:清塚信也さん「音楽はあやふやで不安定な世界。だからこそ、インテリジェンスを感じることもあります」
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スピーカーの仲間のひとつに、サブウーファーというものがあります。これは低音だけを再生するスピーカーのことで、ホームシアターの5.1chサラウンドの「.1」chに当たるものというと思い当たる人もいるかもしれません。サウンドバータイプのスピーカーなども、サラウンド再生を行うメインのスピーカーと低音再生をするサブウーファーがセットになっていることが多いです。
低音というのは、音楽ではリズムを刻み、音楽を支える、なくてはならない存在ですし、映画ではアクションシーンの爆発音など迫力を倍増させてくれるものですが、一般的なスピーカーでしっかりとした低音を出そうとすると、サイズがとても大きくなってしまいます。ですから、大きなスピーカーを置けない場合でも、サブウーファーを追加すれば、大型スピーカーに迫る力強い低音が得られるというわけです。
サブウーファーにも種類がいくつかあります。密閉型は反応の良い低音が得られる反面、内蔵するアンプに大出力が必要で、サイズも大型になりがちです。ボディに大きな穴(ポート)があるバスレフ型は、空気の力を利用して低音を増強するため、比較的小さなサイズでも豊かな低音を再現できます。ヤマハ独自のA-YSTⅡ(アドバンスド・ヤマハ・アクティブ・サーボ・テクノロジー)方式は、バスレフ型に分類されます。
また、スピーカーが正面を向いたもの、底面を向いたものといった違いもあります。正面を向いたものは一般的なスピーカーと同じく音が主に前方に放射されますので、ダイレクト感のある低音になります。これは音楽再生主体で使う場合に向いています。底面を向いたものは、床などに反射させて低音を周囲に拡散します。ダイレクト感はありませんが、低音が豊かに広がり、置き場所による影響が少ないなど使いやすさも特長です。こちらは映画の再生に向いています。
サブウーファーは、コンパクトなものから、大型のものまでいろいろなバリエーションがあるので、使い方に合わせて選べることも魅力です。ユニークな使い方としては、薄型テレビと組み合わせるものがあります。薄型テレビに内蔵されているスピーカーは、どうしても小さくなるため低音が不足しがち。それをサブウーファーで補うのです。ライン出力をサブウーファーに接続し、好みに応じて音量などを調整すれば、テレビの音とは思えない迫力のある音が得られるはずです。
小型スピーカーで音楽を聴いている人は、そこにサブウーファーを追加して低音の再生能力をアップすれば、大型スピーカーのようなスケール感豊かな音が楽しめます。あなたに合ったサブウーファーを、ぜひとも試してみてください。