Web音遊人(みゅーじん)

バイカウント

天上の響きを自宅で楽しめるとしたら!?進化するオルガンの魅力を掘り起こす/大木麻理インタビュー

荘厳な響きと圧倒的な表現力で世界中の人々を魅了するパイプオルガン。多数のパイプを要するとても大きな楽器のため、教会やコンサートホールなどで目にすることが多い。一方で、近年では個人でオルガンを楽しむ人が増えているという。それはいったいどういうことだろう。

まずはこちらの演奏動画で、話題のオルガンの音色を味わってほしい。


バイカウント社『Chorum 90』。ブクステフーデのコラール「甘き喜びのうちに」を北ドイツスタイルの音色で演奏

 

深い余韻が石造りの大聖堂や古い教会を思い起こさせ、風格ある美しい響きが魅力的だ。しかし、「パイプはどこにあるの?」「野外で演奏?」と不思議に思った方も多いはず。実はこの楽器、風が生み出す自然で豊かなパイプオルガンの響きを最新テクノロジーで再現した電子楽器、イタリア・バイカウント社のオルガンなのだ。

心の奥底まで染み入る圧倒的な響きは、パイプオルガンの構造やパイプを抜ける音の共鳴、倍音などのデータを1音1音、解析することによって生み出されたもの。鍵盤にも、空気圧で音を出すしっかりしたタッチがリアルに再現されている。東京都中央区にあるショールームを訪ね、動画の演奏者でオルガニストの大木麻理さんにお話をうかがった。

大木麻里さん

オルガニスト 大木麻理さん

「アンサンブルから室内楽、シンフォニーのような大曲まで一人で演奏できること、指揮者のように作品を深く研究し演奏することがオルガニストの醍醐味」と語る大木さん。そんなオルガニストにとってバイカウント社のオルガンは「作曲家が想像したであろう音色を再現しやすい楽器」だという。教会やホールなどの建造物と一体となって設置されるパイプオルガンは、まさに1台ごとの特注品。それだけに、楽器それぞれの個性も豊かで、音色を決めるストップ(ボタン)を作曲家の指定通りに設定したとしても、必ずしも一定の音色が作れるとは限らないのだという。
「ですから、オルガン奏者は常に作曲家の求めた音を研究し、どの音色をどう組み合わせたら理想の音色が作れるかを工夫しています。また、パイプオルガンは造られた時代や国によって様式や音色が異なります。そうした背景も考えた上で、作品にふさわしい音色を決め、演奏前の準備(レジストレーション)をします。その点バイカウント社のオルガンは、時代や様式の異なるオルガンの音色を理想的に作り出すことができ、しかもそれをボタンひとつで切り替えることができます。時代や国を超えた自由なプログラムを組むなど、生の楽器では不可能なことを可能にしてくれる点にも、大きな魅力と可能性を感じています」

天上の響きを自宅で楽しめるとしたら!?進化するオルガンの魅力を掘り起こす

4つの時代様式をボタンひとつで切り替えることができる。左より、バロックスタイル、北ドイツバロックスタイル、ロマンティックスタイル、シンフォニックスタイル。

もうひとつの特徴は、どこにでも設置できるということ。そのため最近では、教会や結婚式場をはじめ、プロ奏者やオルガンを学ぶ学生の練習用として、またピアノ指導者のレッスン室にも置かれるようになってきたという。オルガンが習える大人のための教室が増えたことも、オルガンを楽しむアマチュア演奏家の輪を広げているようだ。
大木さんもご自身が教えるレッスンで、近年のオルガン熱の高まりを実感しているという。
「一般の愛好家の中にはとてもオルガンに詳しいかたもおられ、こちらが驚かされるほどです。また、コンサートなどでオルガンの音色を聴き、いつか弾いてみたいと憧れていたという方が習い始める例もありますね。そうした方たちにとってこのオルガンは、気軽に演奏が楽しめる最適な楽器だと思います」

歴史を感じさせる風格と優美で豊かな音色を聴かせるバイカウント社のオルガン。伝統の重みと最新技術の融合によって誕生したこの楽器が、“オルガンの世界”をぐっと身近な存在にしてくれたといえるだろう。
実際に楽器に触れてみたくなったら、試奏もできるオルガンショールーム、もしくは展示のある楽器店へ!

天上の響きを自宅で楽しめるとしたら!?進化するオルガンの魅力を掘り起こす

(写真左)朗々と低音を奏でる足鍵盤の音色も魅力のひとつ。ベース音だけでなくメロディも演奏するところがオルガンならでは。(写真右)ストップ(音色や音の高さを変える)操作にサポートが付くことも。

天上の響きを自宅で楽しめるとしたら!?進化するオルガンの魅力を掘り起こす

風によって生み出される自然な響きを身近に楽しめる。写真は2017年9月発売の「Chorum S40」

■バイカウント クラシックオルガン

クラシックオルガンは、パイプオルガンの音色を電子で再現する楽器です。バイカウント社(イタリア)は、50年以上の実績があるクラシックオルガンの代表的なメーカーで、欧米、アジア、アフリカなど世界各国で高い評価を得ています。
製品の詳細はこちら

■オルガンショールーム

バイカウント社のオルガンを展示、試奏も可能(要予約)
詳細はこちら

■楽器解体全書

パイプオルガンのしくみや弾き方、マメ知識を紹介
詳細はこちら

特集

村松崇継

今月の音遊人

今月の音遊人:村松崇継さん「音・音楽は親友、そしてピアノは人生をともに歩む相棒なのかもしれません」

3755views

3人の名手による、親密で知性的なアンサンブル/吉井瑞穂&北谷直樹 デュオ・コンサート

音楽ライターの眼

3人の名手による、親密で知性的なアンサンブル/吉井瑞穂&北谷直樹 デュオ・コンサート

6347views

Venova(ヴェノーヴァ)

楽器探訪 Anothertake

すぐに音を出せて、自由に演奏できる。管楽器の楽しみを多くの人に

14724views

エレキギター

楽器のあれこれQ&A

エレキギターのサウンドメイクについて教えて!

1769views

大人の楽器練習記:クラシック・サクソフォン界の若き偉才、上野耕平がチェロの体験レッスンに挑戦

おとなの楽器練習記

おとなの楽器練習記:クラシック・サクソフォン界の若き偉才、上野耕平がチェロの体験レッスンに挑戦

12158views

オトノ仕事人

テレビ番組の映像にBGMや効果音をつけて演出をする音の専門家/音響効果の仕事

4886views

荘銀タクト鶴岡

ホール自慢を聞きましょう

ステージと客席の一体感と、自然で明快な音が味わえるホール/荘銀タクト鶴岡(鶴岡市文化会館)

12706views

こどもと楽しむMusicナビ

親子で参加!“アートで話そう”をテーマにしたオーケストラコンサート&ワークショップ/第16回 子どもたちと芸術家の出あう街

5877views

武蔵野音楽大学楽器博物館

楽器博物館探訪

専門家の解説と楽器の音色が楽しめるガイドツアー

8918views

われら音遊人:Kakky(カッキー)

われら音遊人

われら音遊人:オカリナの豊かな表現力で聴いている人たちを笑顔に!

8708views

山口正介さん Web音遊人

パイドパイパー・ダイアリー

サクソフォン教室の新しいクラスメイト、勝手に募集中!

4905views

太平洋に浮かぶ楽園で、小笠原古謡に恋をする Web音遊人

音楽めぐり紀行

太平洋に浮かぶ楽園で、小笠原古謡に恋をする

10801views

おとなの楽器練習記

【動画公開中】注目の若手ピアニスト小林愛実がチェロのレッスンに挑戦!

10319views

上野学園大学 楽器展示室」- Web音遊人

楽器博物館探訪

伝統を引き継ぐだけでなく、今も進化し続ける古楽器の世界

13601views

ブラック・サバス

音楽ライターの眼

2025年7月、ブラック・サバス最後のライヴが実現。“出演しない”アーティストを検証する

493views

ステージマネージャーの仕事 - Web音遊人

オトノ仕事人

ステージマネージャーひと筋に、楽員とともにハーモニーを奏で続ける/オーケストラのステージマネージャーの仕事(後編)

18237views

われら音遊人

われら音遊人:アンサンブルを大切に奏でる皆が歌って踊れるハードロック!

5392views

“音を使って音楽を作る”音楽の冒険を「ELC-02」で

楽器探訪 Anothertake

音楽を楽しむ気持ちに届ける「ELC-02」のデザインと機能

8995views

ザ・シンフォニーホール

ホール自慢を聞きましょう

歴史と伝統、風格を受け継ぐクラシック音楽専用ホール/ザ・シンフォニーホール

26602views

山口正介 Web音遊人

パイドパイパー・ダイアリー

マウスピースの抵抗?音切れ?まだまだ知りたいことが出てくる、そこが面白い

6191views

ピアノやエレクトーンを本番で演奏する時の靴選び

楽器のあれこれQ&A

ピアノやエレクトーンを本番で演奏する時の靴選び

48132views

こどもと楽しむMusicナビ

親子で参加!“アートで話そう”をテーマにしたオーケストラコンサート&ワークショップ/第16回 子どもたちと芸術家の出あう街

5877views

ポロネーズに始まりマズルカに終わる、ショパンの誇り高き精神をめぐるポーランドの旅 - Web音遊人

音楽めぐり紀行

ポロネーズに始まりマズルカに終わる、ショパンの誇り高き精神をめぐるポーランドの旅

32146views