今月の音遊人
今月の音遊人:新妻聖子さん「あの歌声を聴いたとき、私がなりたいのはこれだ!と確信しました」
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「これが新妻聖子?」と思わせる声質と表現にこだわった、新たな挑戦/新妻聖子インタビュー
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2017.7.13
ミュージカル界きっての歌姫であり、多岐に渡っての活躍が目覚ましい新妻聖子。舞台やテレビ番組などで、そのパフォーマンスに釘づけになった方も多いのではないだろうか。ますます注目を集める新妻だが、2017年7月12日、シンガーソングライター・さかいゆうプロデュースによる『アライブ』とNHK「みんなのうた」でオンエア中の『天地(あめつち)の声』両A面シングルをリリース。新妻が生み出す新たな世界が、またもや心を捉えて離さない。
都会的でポップなセンスをもつさかいゆうと豊かな表現力と力強く美しい歌声で人々を魅了する新妻聖子。そんな珠玉のコラボレーションによって誕生したのが新作『アライブ』だ。
「新妻聖子+ポップスの方程式で曲を作るとどうなるのか、ずっと試してみたくて。それをポップスの最先端シーンで活躍しているさかいさんがプロデュースしてくださるのであれば、新しい新妻聖子の解釈を引き出してもらえるはずだという期待があり、本当に楽しみでした」その言葉通り、今回のニューシングルで新妻はまた新しい一面を見せる。たとえばAメロの歌い出し。「これが新妻聖子?」と思わせる声質と表現にこだわった。
「私が歩んできた道のりが見えるようなポップスにしたい。逸脱するところは大胆に逸脱し、でも本来のところに帰る、みたいな。寄せては返す波のような歌唱を目指しました」
『アライブ』は、alive(今生きている現状)とarrive(到着点、目指す先)のふたつの意味が込められた、いわば人生ソングだ。楽曲提供は受けたものの、歌詞がもつポジティブなメッセージや世界観が自分にぴったりハマり、自らの言葉として表現できたという。
歌手になりたいという淡い夢を抱いていた少女時代。父親の仕事の関係で過ごしたバンコクから帰国した後は、オーディションを受けてもうまく行かずに、厳しい現実に直面することになる。自分は原石のままでは、この先音楽業界で求められることはない。一時はどん底に突き落とされたが、そこで新妻は“芸を磨くしか道はないこと”に気付いたという。
「私は若いときから脚光を浴びたわけではないけれど、ここまで一歩一歩地道に歩いてきました。うさぎと亀でいうと亀だと思っています。歌詞のなかにある“遠回り”という表現も自分に合っていますね。その道のりがなければ今の自分はいないし、それはとても愛おしい道だと思っています」
一方で、歌は聴き手が育ててくれるものだと新妻は考えている。
「だから、お客さまがこの曲の到着点を示唆してくれると思っています」
『アライブ』が、今後どんな曲に成長していくのか、期待大だ。
同時リリースの『天地の声』は、新妻が創り出す神秘的で壮大な世界観が存分に味わえる楽曲に仕上がっている。天地(あめつち)とは、天と地の間にあるもののすべて。
「神聖な気持ちで歌いました。最初のアカペラのかけ合いは、早朝の森の中で生命がまだ目を覚ます前の時間に命のやり取りが行われているような雰囲気の声にしたいな、と」
新妻にしか生み出せない世界は、ミュージカルによって培われたものだ。ミュージカル俳優は、ときに人間ではない役を演じることもある。
「いろいろな役をやってきた経験が、人間ではない目線から歌を表現するときにすごく役立っていますね」
新妻の魅力のひとつである豊かな表現力がいかんなく発揮された楽曲に、引き込まれずにはいられない。
2016年に引き続き、2017年も行われる全国コンサートツアーも楽しみだ。
今、もっとも生でその歌声が聴きたいアーティスト。そんな呼び声が高い新妻だが、「全国にそんなに私の声を聴きに来てくださる方がいるのが、未だ信じられなくて」と笑う。
舞台に育てられた新妻にとって、ステージで生の歌を聴いてもらうことは大きな励みになる。また、聴き手に喜んでもらうことを何より大事にするのは、決してぶれることのない新妻のスタンスだ。
「聴きたいと思ってくださる方がいることはめちゃくちゃ嬉しいですし、足を運んでくださる方を絶対にがっかりさせたくないですね。ワンステージ、ワンステージ自分が納得のいくレベルで準備し、当日はとにかく楽しんでいただければと思います」
『アライブ』/『天地(あめつち)の声』(両A面シングル)
発売元:ワーナーミュージック・ジャパン
発売日:2017年7月12日
価格:初回限定盤 1,944円/通常盤 1,296円(いずれも税込)
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Bunkamuraオーチャードホール〈東京/11月14日(火)、15日(水)〉ほか、全国各地で開催。
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