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園田涼

園田涼が率いる現代版ポップスオケ「ソノダオーケストラ」がニューアルバムをリリース!江國香織、中川晃教とのコラボ曲も/園田涼インタビュー

メンバー全員が東大卒のインストゥルメンタルバンド「ソノダバンド」で注目を集め、バンド解散後はソロ活動や他アーティストとの共演、CMやドラマへの楽曲提供、新聞・雑誌への寄稿など、多岐に渡って活躍する園田涼。2017年秋には13人組のポップス・オーケストラ「ソノダオーケストラ」を結成し、2018年6月20日にファーストアルバム『MICHELANGELO(ミケランジェロ)』をリリースする。

アルバムタイトルでもある楽曲『ミケランジェロ』は、インストバージョンとボーカルバージョンがあり、ボーカルバージョンは作詞を作家の江國香織、ボーカルをシンガーソングライター・俳優の中川晃教が担当。豪華なコラボレーションが実現した。
「江國さんとは普段からお酒を飲んだり、趣味の草野球で交流したりする仲で、中川さんともコンサートで共演したご縁で親交があります。そんなこともあって、ボーカルバージョンを作るとなったとき、おふたりの名前がすぐ頭に浮かびました。心から尊敬している先輩方と楽曲が作れたことは、僕の音楽人生において素晴らしい経験になりました」

ほかの収録曲は、オケ用に書き下ろしたオリジナル曲、ピアノソロ曲をはじめ、ヒップホップ調の斬新なアレンジを施した『だったん人の踊り』や、以前ピアノトリオ用にアレンジしたものを、オケ用にリアレンジしたショパンの『幻想即興曲』など、園田の多才さを感じさせるものばかり。
「曲作りは早いほうで、ピアノを弾きながら、調子がいいときはメロディ、コード進行、リズムが同時に出てきて、数時間で書き上げてしまうこともあります。ただしソノダオーケストラの場合は、どの音をどの楽器に割り振るか、メンバーの個性・音楽性をどう活かすか……というところに時間をかけていて、メンバーへ向けて手紙を書いているような感覚がありますね」

園田涼

クラシック曲のアレンジをするときは、譜面や作曲家の意図と真正面から向き合いたいと、原譜からコードを書き出すこともあるという。
「『だったん人の踊り』のコード進行がソウル・R&Bのループに似ていたり、ショパンの『幻想即興曲』にラテンのスタンダードによくあるコード進行のパートが含まれていたりして、コードで楽曲を縦割りにすることで、アレンジの方向性が見えてくることもありました。でも、原曲は大切にしつつも、3拍子のワルツをあえて4拍子にしたり、ゆったりと歌うカンタービレを速弾きにしたり。『みんなを驚かしてやろう!』という関西人の血が騒ぐところがあるみたいです(笑)」

園田は3歳からエレクトーンを始め、小曽根真に憧れて、15歳からジャズピアノも並行して習い始める。ずっとジャズ・ポップスを中心に曲作り、演奏活動を行ってきたが、数年前に「生のピアノを豊かに鳴らせるようになりたい」とピアニストの須藤千晴に弟子入り。2018年の春には、須藤と2台ピアノのコンサートが実現し、「今、ピアノを弾くことが楽しくてたまらないんです」と熱っぽく語る。
「最近やっと、ピアノを脱力して弾く感覚がわかってきました。須藤先生とのコンサートでモーツァルトを弾くことになったとき、先生に脱力について指摘されて、なかなかコツが掴めませんでしたが、練習を重ねていくうち『これか!』と閃く瞬間がありました。音色についても、昔に比べると聴き分ける耳、弾き分ける指が育ってきたと思いますし、やっぱり、最後は日々の練習がものをいうんだなと改めて実感します」

ピアニストとして、作・編曲家として、まだまだ進化の途中にある園田。
「音楽はどうしてもジャンルで分けられるところがあり、ジャズやポップスと、クラシックの間には見えない壁を感じることもあります。でも、より多くの人に音楽に触れてもらえるならば、きっかけはなんでもいいと思うんです。僕の音楽を聴いて『おもろいことをやっている人がいるなぁ』というところから、音楽の楽しさや、音楽の可能性を感じてもらえたら嬉しいですね!」

■ アルバムインフォメーション

『MICHELANGELO』
園田涼
発売元:ハッツアンリミテッド
発売日:2018年6月20日
料金:1,852円(税抜)
詳細はこちら

江國香織作詞、中川晃教ボーカルの表題曲「MICHELANGELO」は、展覧会『ミケランジェロと理想の身体』で来日する彫刻作品「ダヴィデ=アポロ」のメインソングです。

展覧会『ミケランジェロと理想の身体』
会期:2018年6月19日~9月24日
会場:国立西洋美術館(東京都台東区上野公園7-7)
詳細はこちら

 

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