今月の音遊人
今月の音遊人:村松崇継さん「音・音楽は親友、そしてピアノは人生をともに歩む相棒なのかもしれません」
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【優待】夢は「故郷の鎌倉を文化・芸術の発信地に」、 音楽を楽しみ、共有するオーボエ奏者/吉井瑞穂インタビュー
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2018.8.27
「もともと、故郷である鎌倉を拠点に活動することが夢でした。子供の頃からお祭り好きな性格ですし、日常的な場所で音楽祭を行い、たくさんの人がクラシック音楽に出会えるよう演出をしたかったのです。クラシック音楽を演奏する一人の音楽家として、たくさんの人に楽しんでいただきたいというのが本音ですし、コンサートも、聴いてくださる方たちと一緒に音楽を共有できる時間にしたいのです」
オーボエ奏者の吉井瑞穂は、マーラー室内管弦楽団の首席奏者として、さらには故クラウディオ・アバドが再興したルツェルン祝祭管弦楽団の奏者として、日本の音楽ファンに知られてきた。東京藝術大学在学中にドイツへ留学し、そのまま長くヨーロッパを拠点に活躍してきたせいか、実はなかなか日本で彼女の美音を聴くチャンスが少なかったといえるだろう。しかし現在、マーラー室内管弦楽団の首席奏者というポストをキープしながら、活動拠点を生まれ故郷の鎌倉へ。日本でのコンサートも多くなり、国内外のオーケストラへ客演する機会も増えた。NHK交響楽団のコンサートに彼女が登壇しているのを発見し、驚いたという音楽ファンも多かったようだ。
「マーラー室内管弦楽団とは年間約80~150日の契約で、日程を自分で調整できますし、こどもも少しずつ大きくなっているので、以前にも増して自由な時間もできました。他の音楽家や指揮者との刺激的な出会いもあり、ぜひ共演したいと願っていた演奏家の方ともご一緒できる機会が増えましたから、とても幸せです。オーボエはまだまだ、その魅力が多くの方に伝わっていないなと実感していますので、できる限りいろいろな場で演奏し続けたいですね」
2018年10月18日に東京・銀座のヤマハホールで行われる北谷直樹(チェンバロ奏者)とのデュオ・コンサートは、2009年に初めて演奏を聴いて以来、ずっと願ってきた共演だ。さらには、2015年から主宰している『レゾナンス 鎌倉の響き』という音楽祭も大切な活動である。毎年、新緑が美しい春から初夏にかけ、お寺や各種の施設で行われるコンサートは、その環境や出演する音楽家の組み合わせ、演奏されるプログラムなどすべてが新鮮で刺激的だ。
「観光地として世界的に知られている鎌倉ですが、旧市内には音楽専用のコンサートホールがありません。しかし市内のお寺にはコンサート会場として素晴らしいと思える場所がたくさんありますし、パワースポットのような空間で非日常の時間を過ごせるようなコンサートもできます。歴史的にも素晴らしいエネルギーをもつ街ですから。『レゾナンス』も回を重ねるごとに地元のいろいろな方とつながりができ、たくさんの方に来ていただけるようになりました」
この音楽祭をじっくりと発展させ、鎌倉を芸術・文化の発信地にしたいという。
「鎌倉の旧市内に音楽堂を作って、音楽と文化が集まる場にしたいのです。世界中から『ここで演奏したい』と言ってくれる音楽家が集まり、みんなが交流できる大きな庭があったり、アカデミーとして多くの若い音楽家が集まってくるような。もちろん音楽家だけではなく街の人たちや、鎌倉に来る人たちも一緒にですね。『鎌倉を芸術の都に』は私にとって人生の目標であり、芸術があるところには平和があると信じていますので、自分が生きているうちに実現したいのです」
現在はヤマハ製の楽器を愛奏している。
「2017年に発売された新しいモデルを吹いていますが、これまで自分がこうしたいと試行錯誤していたところが、ポンとうまくいくような感覚でした。10年前の自分だったら吹きこなせなかったけれど、今の自分に合っている楽器ですね。10年以上も一緒に演奏している管楽器の仲間たちはもちろん、オケの弦楽器の人たちまで『音が変わったね』と言ってくれますし、うまくブレンドしやすい音になっているのかもしれません。とにかく吹いていて楽しい楽器なのです」
現在は、母校の東京藝術大学で多くの学生に教鞭をとる。「好奇心旺盛な若い世代にはとても期待している」という吉井は、魅力的な音楽を周囲に手渡ししながら広めていくメッセンジャーなのかもしれない。
日時:2018年10月18日(木)19:00開演(18:30開場)
場所:ヤマハホール(東京都中央区銀座7-9-14 ヤマハ銀座ビル7F)
料金:5,000円(税込)
曲目:J.S.バッハ、C.P.E.バッハ/オーボエ・ソナタ 変ホ長調 BWV 1031, H.545、C.H.グラウン/チェロ・ソナタ ハ長調 B:XVII:53、C.P.E.バッハ/オーボエ・ソナタ ト短調 Wq.135 H.135、G.A.ピアーニ/オーボエ・ソナタ 第4番 ニ長調、L.クープラン/チェンバロの為の組曲 ハ調、G.サンマルティーニ/オーボエ・ソナタ ト長調 Op.2-4
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本公演の優待チケット(優待価格4,500円)を20名様分ご用意しました。ご希望の方は、下記「応募はこちら」ボタンからご応募ください。※ご応募の際は、ヤマハミュージックメンバーズの会員登録(登録無料)が必要です。
応募締切:2018年09月12日 (水) 23:59
文/ オヤマダアツシ
photo/ 阿部雄介
tagged: ヤマハホール, オーボエ, インタビュー, 吉井瑞穂
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