今月の音遊人
今月の音遊人:上原ひろみさん「初めてスイングを聴いたときは、音と一緒に心も躍るような感覚でした」
27206views
レジェンドも旬の若手も登場。時代の先端を奏でるジャズを聴きたいなら真夏の音楽フェス「東京JAZZ」へ。
この記事は3分で読めます
4506views
2019.8.2
tagged: 東京JAZZ, 渋谷,NHKホール, 代々木公園ケヤキ並木
「21世紀のジャズとは何か?」
ミュージシャンでも簡単に答えが出せない……といわれるほど多方向に発展し、レジェンド級のミュージシャンたちが圧巻の演奏を聴かせ続ける一方、ジャンルのボーダーレス化によって若い世代のミュージシャンたちが先鋭的なパフォーマンスを見せてくれる、現在のジャズ・シーン。2002年にスタートし、2019年で18回目を迎える「東京JAZZ」は、冒頭の問いに対するヒントを提示し続けてきたフェスティバルだ。
ハービー・ハンコックやチック・コリアなど、名だたるベテランが出演する一方、スライ&ファミリー・ストーンや2018年のコーネリアスほか、ジャズにカテゴライズされないアーティストも登場して話題をさらい、常に新しいリスナーへ刺激を与えてきた。幅広い世代の日本人ミュージシャンや、若い世代の旬なミュージシャンが登場するのも「東京JAZZ」ならではだ。そういったラインナップは「国境を越えて、世代を超えて」というスローガンの精神そのものであり、「東京JAZZに行けばジャズの幅広さを知ることができる」という声も多い。
2019年8月31日(土)・9月1日(日)に、東京・渋谷のNHKホールと周辺のエリアで行われる「東京JAZZ」も、多種多様なアーティストが集合。「今年もまた来てくれた!」と喜びの声があがるレジェンドから、「ようやくライヴで聴ける!」と期待の声が大きい初登場のアーティストまで、刺激に満ちた2日間(それぞれ昼夜の計4セット)なのだ。
まず特筆すべきはジャズ・ファンにおなじみのチック・コリアだろう。今回は、オリジナルメンバーで20年ぶりの来日となるアコースティック・バンド(31日・夜)と、常に進化を遂げているエレクトリック・バンド(1日・夜)の両方が聴けるというスペシャル企画。長く聴き続けてきたリスナーも、彼の音楽に興味津々の若い世代のリスナーも魅了することは間違いない。
それぞれのセットに話題のグループが出演することも、未知のアーティストとの出会いを演出する「東京JAZZ」らしい。アコースティック・バンドと同じセットには、チックに見出されたベーシストのアヴィシャイ・コーエンが彼のトリオを率いて登場。エレクトリック・バンドのセットには、グラミー賞の常連となりつつある変幻自在の音楽集団、スナーキー・パピーが出演し、ホールの空気をヒートアップさせてくれるはずだ。
今回、特に若い世代のリスナーが期待しているのは、2018年にアルバム『Heaven and Earth』を大ヒットさせたカマシ・ワシントンだろう(1日・昼)。ソウルやファンク、ヒップホップ、クラシック(近現代音楽)など、他ジャンルの音楽を包括するような彼の音楽は「ジャズがここまで来た」と実感できるクオリティ。最先端のジャズに触れたいという方ならカマシはマストだ。同じセットには「東京JAZZ」初登場となるサクソフォンのチャールズ・ロイド。今回は若い世代のミュージシャンたちとクインテットを組み、安定したパフォーマンスを繰り広げてくれる。
そして、31日・昼のオープニング・セットに登場して2019年の「東京JAZZ」を盛り上げてくれるのは、カマシらに先んじてR&Bやヒップホップといったテイストをジャズと融合させたミシェル・ンデゲオチェロ。さらには日本を代表するシンガーMISIAが、ニューヨークを拠点に活動するトランペッター黒田卓也と共演し、自身の曲を新鮮なアレンジで披露してくれる。MISIAはミシェルのこれまでの音楽活動に注目し、リスペクトしているといい、その2人が並び立つステージにも期待したい。
NHKホールでの4セットだけではなく、ホール周辺の代々木公園ケヤキ並木(自由に行き交える道)や公園にもステージが組まれ(入場無料)、国内外の注目ミュージシャンたちが次々に演奏を聴かせてくれるというという趣向も。新進気鋭のプロ・ミュージシャンから大学のジャズ研究会まで、バラエティ豊かな顔ぶれが揃い、2019年の音楽フェスで話題になったグループも登場するなどネクスト・ジェネレーションを楽しめる場でもあるのだ。
夏休み最後の週末とあって、ファミリーで気軽にジャズを楽しむもよし(飲食の屋台なども豊富!)、街や代々木公園への散策途中で立ち止まるもよし。渋谷で愛される真夏の祭典「東京JAZZ」は、今年もアツい音楽を届けてくれる。
●NHKホール
2019年8月31日(土)昼公演:12:30~、夜公演:18:00~
2019年9月1日(日)昼公演:12:30~、夜公演:18:00~
SS券:12,800円、S券:9,800円、A券:7,800円、B券:3,800円/SS1日通し券:24,600円(同日の昼夜公演)
※チケット発売の状況はオフィシャルサイトでご確認ください(券種・公演によって販売終了もございます)
●代々木公園ケヤキ並木
2019年8月30日(金)~9月1日(日)※入場無料
オフィシャルサイトはこちら
文/ オヤマダアツシ
photo/ ©17th TOKYO JAZZ FESTIVAL
tagged: 東京JAZZ, 渋谷,NHKホール, 代々木公園ケヤキ並木
ヤマハ音遊人(みゅーじん)Facebook
Web音遊人の更新情報などをお知らせします。ぜひ「いいね!」をお願いします!