Web音遊人(みゅーじん)

“41年のありったけ”を完全収録『ASKA premium ensemble concert -higher ground- 2019>>2020』/ASKAインタビュー

楽曲ができあがって収録され、リリースされる。でも、そこはまだ完成じゃない。楽曲を受け止めた人々が一堂に会し、時間や想いを共有することで初めて完結するのだ。ライブまでが制作。ASKAにとって、ライブとはそういう存在だ。
2019年12月にスタートしたツアー「ASKA premium ensemble concert -higher ground-」。その後半となる2020年2月11日、東京文化会館で行われたライブの完全収録版Blu-rayとライブCDが2020年10月21日に発売される。
ASKAが全身全霊でのぞんだ渾身のライブに、足を運んだ人はもちろん、残念ながら行けなかった人も心を震わせるに違いない。

奇跡的なタイミングで収録されたライブ

フルオーケストラと共演できる日本のアーティストは限られている──ビルボードからのそんなラブコールを受け、2018年、5年ぶりにオーケストラを率いたツアー「billboard classics ASKA PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2018 –THE PRIDE-」で聴き手の魂を揺さぶったASKA。2019年はバンドツアー「ASKA CONCERT TOUR 2019 Made in ASKA -40 年のありったけ-」を開催し、まさに今の“ありったけ”を伝えた。
そして、2019年12月から始まったツアー「ASKA premium ensemble concert -higher ground-」では、「higher ground」のテーマ通り、高みを目指して新たな試みに挑む。ASKAバンド×15人のビルボードクラシックス・ストリングス(弦楽アンサンブル)×コーラスの融合による究極のプレミアムサウンドを生み出した。

ライブは、ストリングスによるオーバーチュアから始まる。
「これまで、ライブのオープニングとなるオーバーチュアは、イメージを形にしてもらってきましたが、今回は、更にイメージがはっきりとしていましたので、稚拙でしたが自分で作ってみました。ツアー中は、それが出来上がった時の高揚感を毎回感じながら1曲目に突入していました。オープニングからエンディングまで、お客さんのどよめきがうれしかったですね」
そのオーバーチュアでいきなり観客の心をつかむと、珠玉の名作から最新曲『歌になりたい』まで全23曲を心髄から熱唱。制作された時代もさまざま、ソロアーティストとしての楽曲にCHAGE and ASKAの曲も織り交ぜた贅沢な選曲だ。
「もともとは、ソロとCHAGE and ASKAとしての活動を分けなければいけないという気持ちがあったんです。でも、2010年に行った『新宿厚生年金会館10days』の時には、すでに解散を考えていましたからね。その時に思いました。『今、この時にC&A(CHAGE and ASKA)で作った自分の作品を歌っておかなければ、やがてソロになった時、C&A時代の曲の解禁が難しくなる』と。あの時に決心して自分の作品を歌っておいて本当によかった。『脱退』という区切り目でも普通に歌えるようになっていましたから。今後も、ソロ作品とうまく配分させながらライブを行っていくつもりです」
ステージと会場が同じ温度であることがASKAの信条だが、その熱量たるやすさまじい。一気に駆け抜けるような後半に入ると、ボルテージはマックスに。
「僕はお客さんを楽しませることよりも、自分が楽しもうと思っているんです。自分が楽しむことで、みんなが楽しんでくれる。こんな幸せなことはないですよね」

実はこの収録は、奇跡的ともいえるタイミングで行われた。東京での公演の後、大阪公演と熊本公演が予定されており、当初はファイナルである熊本公演のシューティング(収録)が決まりかけていた。
「2011年の東日本大震災は、今も復興に向けて日本中が支援しています。熊本地震も、東日本大震災の陰に隠れてしまわないように、支援を続けていかなければならないと感じていました。僕も同じ九州、隣の県の福岡出身ですからね。熊本には友人も多いですし。そこでツアー期間中、数か所の会場でリハーサルを有料公開しました。その収益と、リハーサルの会場となったホールに設置した募金箱の中身を合わせて、最終日に義援金として届ける、というのが熊本公演の目的だったんです。ひとつのツアーでいただいた義援金は、もしかすると『被災』という言葉の前ではお手伝いにしかならないのかもしれませんが、気持ちは届けられると思いました。しかし、そのような特別な思いがライブの収録映像に込められてしまうと、チャリティーやボランティアという部分にどうしても焦点が当たってしまうんじゃないかと。そうなると行ってきたことの意味合いが変わってしまいますよね」
そこで急遽、決まったのが東京公演での収録だ。そして、その東京公演の後、コロナ禍の影響でツアーは止まってしまった。残る2公演はいまだ延期中だ。
「もし、あのときシューティングしていなければ、今回のライブの記録は収められていなかったことになります」

3週連続で新曲をリリース配信

2020年9月11日からは、新曲3曲連続リリース配信もスタート。2018年から半年間、毎月1曲ずつ新曲を配信したこともあるASKAだが、今回は新たな挑戦として週1で3週連続配信を行う。

第1週は『幸せの黄色い風船』。2週目は『自分じゃないか』そして、連続配信3週目、最後の曲にはビルボードクラシック・ストリングスの参加となった『僕のwondaful world』と続く3曲はポップス、ロック、ジャジーな雰囲気とそれぞれ異なる趣で、バリエーションの豊富さというASKAの真価のひとつを感じさせる。
さらに、2020年10月11日には北海道・支笏湖で新曲のMV撮影を有料生配信する。
「人生はいろいろなスパンで動いていると思うのですが、今は楽曲制作に煮詰まるということはありません。何曲でもつくれるという気持ちですし、つくれるときにどんどんつくっておこうと。コロナの影響も『作品をつくる時間を与えられた』と受け止めると、新曲への意欲がわいてきます」
新曲3曲も、コロナ禍を意識したものだという。
「愛とか希望、夢を歌うのが歌の本質であり、それはなくしてはいけないこと。でも、こうした状況下で今までどおりにつくると、過去の出来事を歌っているように思えてしまう。なぜなら、自分たちは時代の変わり目のど真ん中にいることを誰もが自覚しているから。だったら頭を切り替えて、今この時期だけにしか歌えないものを記録しておこうと思いました」

常に“ありったけ”を見せていく

自分のなかでクリアすべきラインがあり、それを超えないものは楽曲として誕生させない。それが、決して譲ることができないASKAの昔からのこだわりだ。
「アスリートはよく、体力の限界を感じたり勝負へのこだわりが薄れたりしたために引退するとおっしゃいますが、僕は歌詞やメロディにおいて、こんな感じでいいんじゃないかという甘さが見え隠れしてきたら、自分で楽曲を書く意味がないと思っています」
「ASKA premium ensemble concert -higher ground-」は、“41年のありったけ”だと振り返るASKA。そして、これからは42年、43年、44年……常に“ありったけ”を見せていくつもりだと話す。決意表明にも似たそんな言葉が楽曲に宿り、パフォーマンスとなり、往年のファンのみならず、最近急増している若い男性ファンたちを魅了するのだろう。
2020年11月8日には「ASKA premium ensemble concert -higher ground-」ツアーを密着取材したテレビ特番の放送も決定している。ASKAのダイナミックな活動をお見逃しなく!


2020年10月21日『ASKA premium ensemble concert -higher ground- 2019>>2020』 Blu-ray+LIVE CD リリース

■インフォメーション

ASKA オフィシャルサイトにて配信情報公開中!

2020年9月11日より3曲続けて毎週連続配信
2020年10月11日には配信楽曲(3曲)のMVをVRにて生配信
オフィシャルサイトはこちら

Blu-ray+LIVE CD『ASKA premium ensemble concert -higher ground- 2019>>2020』


発売元:DADA label
発売日:2020年10月21日
価格:10,000円(税抜)
特別先行予約受付中!
詳細はこちら

オフィシャルFacebook YouTube公式チャンネル オフィシャルTwitter オフィシャルInstagram

特集

Web音遊人 - 牛田智大さん

今月の音遊人

今月の音遊人:牛田智大さん「ピアノの練習をしなさい、と言われたことは一度もないんです」

52919views

音楽ライターの眼

フラメンコギター、クラシックギター、ジャズギター、3種のギターが交わる名演奏/沖仁×大萩康司×小沼ようすけ“TRES”

401views

reface

楽器探訪 Anothertake

個性が異なる4機種の特徴、その楽しみ方とは?

5341views

楽器のあれこれQ&A

サクソフォン講師がアドバイス!ステップアップのコツ

890views

桑原あい

おとなの楽器練習記

おとなの楽器練習記:注目の若きジャズピアニスト桑原あいがバイオリンの体験レッスンに挑戦!

12574views

オトノ仕事人

芸術をとおして社会にイノベーションを起こす/インクルーシブアーツ研究の仕事

4069views

人が集まり発信する交流の場として、地域活性化の原動力に/いわき芸術文化交流館アリオス

ホール自慢を聞きましょう

おでかけ?たんけん?ホール独自のプランで人々の厚い信頼を獲得/いわき芸術文化交流館アリオス

4886views

こどもと楽しむMusicナビ

サービス精神いっぱいの手作りフェスティバル/日本フィル 春休みオーケストラ探検「みる・きく・さわる オーケストラ!」

6757views

浜松市楽器博物館

楽器博物館探訪

世界中の珍しい楽器が一堂に集まった「浜松市楽器博物館」

22629views

われら音遊人

われら音遊人:アンサンブルを大切に奏でる皆が歌って踊れるハードロック!

3117views

パイドパイパー・ダイアリー

パイドパイパー・ダイアリー

贅沢な、サクソフォン初期設定講習会

4327views

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブにサルサ!キューバ音楽に会いに行く旅 - Web音遊人

音楽めぐり紀行

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブにサルサ!キューバ音楽に会いに行く旅

20555views

コハーン・イシュトヴァーンさん Web音遊人

おとなの楽器練習記

【動画公開中】ハンガリー出身のクラリネット奏者コハーン・イシュトヴァーンがバイオリンを体験レッスン!

7688views

武蔵野音楽大学楽器博物館

楽器博物館探訪

世界に一台しかない貴重なピアノを所蔵「武蔵野音楽大学楽器博物館」

17658views

7月に樫本大進と共演するアレッシオ・バックス、バロック作品を収録したアルバムを再リリース

音楽ライターの眼

2017年7月に樫本大進と共演するアレッシオ・バックス、バロック作品を収録したアルバムを再リリース

3582views

オトノ仕事人

子ども向けコンサートを企画し、音楽が好きな子どもを増やす/コンサートプロデューサーの仕事

3896views

われら音遊人:年齢も職業も超えた仲間が集う 結成30年のビッグバンド

われら音遊人

われら音遊人:年齢も職業も超えた仲間が集う、結成30年のビッグバンド

6175views

楽器探訪 - ステージア「ELC-02」

楽器探訪 Anothertake

持ち運び可能なエレクトーン「ELC-02」、自由な発想でカジュアルに遊ぶ

24703views

人が集まり発信する交流の場として、地域活性化の原動力に/いわき芸術文化交流館アリオス

ホール自慢を聞きましょう

おでかけ?たんけん?ホール独自のプランで人々の厚い信頼を獲得/いわき芸術文化交流館アリオス

4886views

パイドパイパー・ダイアリー

パイドパイパー・ダイアリー

贅沢な、サクソフォン初期設定講習会

4327views

バイオリンを始める時に知っておきたいこと

楽器のあれこれQ&A

バイオリンを始める時に知っておきたいこと

6908views

こどもと楽しむMusicナビ

1DAYフェスであなたもオルガン博士に/サントリーホールでオルガンZANMAI!

1158views

ポロネーズに始まりマズルカに終わる、ショパンの誇り高き精神をめぐるポーランドの旅 - Web音遊人

音楽めぐり紀行

ポロネーズに始まりマズルカに終わる、ショパンの誇り高き精神をめぐるポーランドの旅

24377views