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“41年のありったけ”を完全収録『ASKA premium ensemble concert -higher ground- 2019>>2020』/ASKAインタビュー
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2020.9.25
tagged: インタビュー, ASKA, ASKA premium ensemble concert -higher ground- 2019>>2020
楽曲ができあがって収録され、リリースされる。でも、そこはまだ完成じゃない。楽曲を受け止めた人々が一堂に会し、時間や想いを共有することで初めて完結するのだ。ライブまでが制作。ASKAにとって、ライブとはそういう存在だ。
2019年12月にスタートしたツアー「ASKA premium ensemble concert -higher ground-」。その後半となる2020年2月11日、東京文化会館で行われたライブの完全収録版Blu-rayとライブCDが2020年10月21日に発売される。
ASKAが全身全霊でのぞんだ渾身のライブに、足を運んだ人はもちろん、残念ながら行けなかった人も心を震わせるに違いない。
フルオーケストラと共演できる日本のアーティストは限られている──ビルボードからのそんなラブコールを受け、2018年、5年ぶりにオーケストラを率いたツアー「billboard classics ASKA PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2018 –THE PRIDE-」で聴き手の魂を揺さぶったASKA。2019年はバンドツアー「ASKA CONCERT TOUR 2019 Made in ASKA -40 年のありったけ-」を開催し、まさに今の“ありったけ”を伝えた。
そして、2019年12月から始まったツアー「ASKA premium ensemble concert -higher ground-」では、「higher ground」のテーマ通り、高みを目指して新たな試みに挑む。ASKAバンド×15人のビルボードクラシックス・ストリングス(弦楽アンサンブル)×コーラスの融合による究極のプレミアムサウンドを生み出した。
ライブは、ストリングスによるオーバーチュアから始まる。
「これまで、ライブのオープニングとなるオーバーチュアは、イメージを形にしてもらってきましたが、今回は、更にイメージがはっきりとしていましたので、稚拙でしたが自分で作ってみました。ツアー中は、それが出来上がった時の高揚感を毎回感じながら1曲目に突入していました。オープニングからエンディングまで、お客さんのどよめきがうれしかったですね」
そのオーバーチュアでいきなり観客の心をつかむと、珠玉の名作から最新曲『歌になりたい』まで全23曲を心髄から熱唱。制作された時代もさまざま、ソロアーティストとしての楽曲にCHAGE and ASKAの曲も織り交ぜた贅沢な選曲だ。
「もともとは、ソロとCHAGE and ASKAとしての活動を分けなければいけないという気持ちがあったんです。でも、2010年に行った『新宿厚生年金会館10days』の時には、すでに解散を考えていましたからね。その時に思いました。『今、この時にC&A(CHAGE and ASKA)で作った自分の作品を歌っておかなければ、やがてソロになった時、C&A時代の曲の解禁が難しくなる』と。あの時に決心して自分の作品を歌っておいて本当によかった。『脱退』という区切り目でも普通に歌えるようになっていましたから。今後も、ソロ作品とうまく配分させながらライブを行っていくつもりです」
ステージと会場が同じ温度であることがASKAの信条だが、その熱量たるやすさまじい。一気に駆け抜けるような後半に入ると、ボルテージはマックスに。
「僕はお客さんを楽しませることよりも、自分が楽しもうと思っているんです。自分が楽しむことで、みんなが楽しんでくれる。こんな幸せなことはないですよね」
実はこの収録は、奇跡的ともいえるタイミングで行われた。東京での公演の後、大阪公演と熊本公演が予定されており、当初はファイナルである熊本公演のシューティング(収録)が決まりかけていた。
「2011年の東日本大震災は、今も復興に向けて日本中が支援しています。熊本地震も、東日本大震災の陰に隠れてしまわないように、支援を続けていかなければならないと感じていました。僕も同じ九州、隣の県の福岡出身ですからね。熊本には友人も多いですし。そこでツアー期間中、数か所の会場でリハーサルを有料公開しました。その収益と、リハーサルの会場となったホールに設置した募金箱の中身を合わせて、最終日に義援金として届ける、というのが熊本公演の目的だったんです。ひとつのツアーでいただいた義援金は、もしかすると『被災』という言葉の前ではお手伝いにしかならないのかもしれませんが、気持ちは届けられると思いました。しかし、そのような特別な思いがライブの収録映像に込められてしまうと、チャリティーやボランティアという部分にどうしても焦点が当たってしまうんじゃないかと。そうなると行ってきたことの意味合いが変わってしまいますよね」
そこで急遽、決まったのが東京公演での収録だ。そして、その東京公演の後、コロナ禍の影響でツアーは止まってしまった。残る2公演はいまだ延期中だ。
「もし、あのときシューティングしていなければ、今回のライブの記録は収められていなかったことになります」
2020年9月11日からは、新曲3曲連続リリース配信もスタート。2018年から半年間、毎月1曲ずつ新曲を配信したこともあるASKAだが、今回は新たな挑戦として週1で3週連続配信を行う。
第1週は『幸せの黄色い風船』。2週目は『自分じゃないか』そして、連続配信3週目、最後の曲にはビルボードクラシック・ストリングスの参加となった『僕のwondaful world』と続く3曲はポップス、ロック、ジャジーな雰囲気とそれぞれ異なる趣で、バリエーションの豊富さというASKAの真価のひとつを感じさせる。
さらに、2020年10月11日には北海道・支笏湖で新曲のMV撮影を有料生配信する。
「人生はいろいろなスパンで動いていると思うのですが、今は楽曲制作に煮詰まるということはありません。何曲でもつくれるという気持ちですし、つくれるときにどんどんつくっておこうと。コロナの影響も『作品をつくる時間を与えられた』と受け止めると、新曲への意欲がわいてきます」
新曲3曲も、コロナ禍を意識したものだという。
「愛とか希望、夢を歌うのが歌の本質であり、それはなくしてはいけないこと。でも、こうした状況下で今までどおりにつくると、過去の出来事を歌っているように思えてしまう。なぜなら、自分たちは時代の変わり目のど真ん中にいることを誰もが自覚しているから。だったら頭を切り替えて、今この時期だけにしか歌えないものを記録しておこうと思いました」
自分のなかでクリアすべきラインがあり、それを超えないものは楽曲として誕生させない。それが、決して譲ることができないASKAの昔からのこだわりだ。
「アスリートはよく、体力の限界を感じたり勝負へのこだわりが薄れたりしたために引退するとおっしゃいますが、僕は歌詞やメロディにおいて、こんな感じでいいんじゃないかという甘さが見え隠れしてきたら、自分で楽曲を書く意味がないと思っています」
「ASKA premium ensemble concert -higher ground-」は、“41年のありったけ”だと振り返るASKA。そして、これからは42年、43年、44年……常に“ありったけ”を見せていくつもりだと話す。決意表明にも似たそんな言葉が楽曲に宿り、パフォーマンスとなり、往年のファンのみならず、最近急増している若い男性ファンたちを魅了するのだろう。
2020年11月8日には「ASKA premium ensemble concert -higher ground-」ツアーを密着取材したテレビ特番の放送も決定している。ASKAのダイナミックな活動をお見逃しなく!
2020年9月11日より3曲続けて毎週連続配信
2020年10月11日には配信楽曲(3曲)のMVをVRにて生配信
オフィシャルサイトはこちら
発売元:DADA label
発売日:2020年10月21日
価格:10,000円(税抜)
特別先行予約受付中!
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