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母親になった目線で歌いたい世界がある『虫のつぶやき』/荻野目洋子インタビュー
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2020.10.22
荻野目洋子自らが作詞作曲を手がけた新曲『虫のつぶやき』。2020年8月~9月に「NHKみんなのうた」で放送されるとともに、配信シングルがリリースされて話題を呼んでいる。
『ダンシング・ヒーロー』のリバイバルヒットでも、変わらぬ高い歌唱力とキレのあるダンスを見せてくれた荻野目だが、今回の楽曲はほのぼのとしていてキュート。新たな魅力を存分に感じさせてくれる。
『虫のつぶやき』は、虫の生態を虫の視点から描いたユーモラスな作品だ。軽快なウクレレの音色にのせた歌詞とメロディー。すっと耳になじみ、明るく楽しい気分にさせてくれる。しかし、そこには命の輝きとともに儚さや切なさも宿る。だから、心に響くのだろう。
荻野目の歌が「NHKみんなのうた」で放送されるのは、1988年の『ジャングル・ダンス』(作詞:森正和/作曲:小室哲哉)以来、32年ぶり。今回オファーがあった際に確定していたのは荻野目が歌うということのみであり、まっさらな状態からのスタートだった。
「最初の打ち合わせが終わったあと、アイデアがどんどんわいてきて。前回とはまったく違う、母親になった目線で歌いたい世界があります、と自分からプレゼンしたんです」
数時間で曲ができたと荻野目は笑う。それにしても、なぜ虫?
「幼いころから、虫の観察が好きだったんです。本も読んだりして、虫の世界の厳しさや長い年月をかけて進化してきた生き様にロマンを感じていました。子どもながらに、生きるということをたくさん教えてもらいました」
母親になってからは、娘たちとバッタやトンボを捕まえては一緒に観察。しかし最近では子どもばかりか親までも“虫離れ”しているという話を耳にして、何とも切ない気持ちに。
「子どものころに自分が虫を見ながら感じていたことを、今なら歌詞やメロディーにできると思いました」
唯一無二の世界観を紡ぐ歌詞のなかでも、とくにお気に入りのフレーズは「この世で一番美しいのは 新しい朝を生きることさ」だとか。
「私はずっと第一線で活動し続けてきたわけではないのに、再びスポットライトを浴びさせてもらっていて、そこには何らかの意味があるはずだと思ったんです。生きているものは必ず死ぬわけですが、死ぬまでにどんなふうに生きていきたいのか。子どものころからそんなことを考えていました。この歌を通して、そうしたことを伝えるのが自分の役割のような気がしています」
『虫のつぶやき』は、ウクレレ弾き語りであることも魅力のひとつだ。ウクレレ歴約15年の荻野目はライブでウクレレを披露したり、ウクレレ雑誌の表紙を飾ったりとウクレレ奏者としても注目される。
「20代でギターを始めたのですが、コードを押さえるのが難しくて挫折してしまいました。3人の子育て中に 短い時間で気分転換したり、自分を癒したりできる楽器をやろうと思ったんです。ウクレレは大きさも手ごろで、音もすぐに出せますし」
ウクレレを始めたことで、音楽に対する考えも変わっていったという。
「弾き語りができるようになったことが一番大きかったと思います。それまでの私は歌うことばかり考えていたのですが、楽器が奏でるリズムやメロディーとかみ合ってこそ歌が生きてくることを再発見しましたね」
今回の弾き語りで使っているのは、アメリカのブランド「ロメロ・クリエイションズ」のウクレレだ。
「ライブツアーでは、 ずっとロメロを愛用しています。音がまろやかで深く、包み込んでくれるような温かさを感じます。いまは特別にペイントした 世界でたった1台のウクレレを使っていて、すごく気に入っています」
ウクレレは楽曲づくりでも大活躍。曲づくりは、はかどっているそう 。
「これからも自然体で、自分の言葉で作品を出していきたいと思っています」
コロナ禍でライブ活動がままならない今、SNSなどでも積極的に発信している。YouTubeでは、弾き語り完奏への道の動画も公開されているので、こちらも要チェック!
『虫のつぶやき』(配信限定)
配信元:ビクターエンタテインメント
発売日:2020年8月5日
詳細はこちら
オフィシャルサイトはこちら
文/ 福田素子
tagged: ウクレレ, インタビュー, 荻野目洋子, 虫のつぶやき
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