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ハイクオリティな配信を実現させてくれるライブストリーミングミキサー「AG08」
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2023.3.30
tagged: AGシリーズ, AG08, ライブストリーミングミキサー
2015年に初代モデルが登場し、配信に必要な基本機能を備えたライブ配信ミキサーとして多くのライバー(ライブ配信者)に使われているAGシリーズ。2022年4月にAG03MK2とAG06MK2、同年10月にUSBマイクロフォン型のAG01がリリース。そして、2023年2月には実践的な機能を搭載した新モデル“AG08”が登場した。
LM営業部マーケティング課の滝澤真二さんによれば、 「配信を続けていくと、通常のトークにプラスアルファの要素を加えたくなると思いますし、実際にそういう方がとても増えています。そういった“あれもしたい、これもしたい”という要望をかなえるために投入されたのが、AGシリーズのフラッグシップモデルAG08です」と語るのは、ヤマハミュージックジャパンで、配信機器のマーケティングを担当する滝澤真二さん。ワンランク上の配信を実現させる機能とはどんなものなのか、ひとつずつ確認してみよう。
まずはフロントパネル右下にあるカラフルな6つのボタンのサウンドパッドだ。
「サウンドパッドには、『ピンポン!』『ブブー!』『ワ~(声援)』といった効果音がデフォルトで登録されています。また、専用のツマミが装備されていますので、配信中でも効果音のボリュームだけをコントロールすることができます。また、エディターアプリ“AG08 Controller”を利用すれば、ピンポン!という音の後半部分を削ってピン!と短く再生するといったより細かい編集や、新たな音への差し替えなどを施すことも可能です」(滝澤さん)
効果音があるだけでもコンテンツの楽しさは格段に変わるので、配信者にはありがたい機能だ。次に注目したいのが、声を変化させることのできる“ボイスチェンジャー”。ニュース番組などで、プライバシー保護のために、声を高くしたり低くしたりする、あの機能だ。
「ユーモア表現で“ヘン声”にしたいという方や、素性を明かしたくないので、顔を出さないだけでなく声も変えたいという方がいらっしゃいます。そういう方々がお求めになるボイスチェンジャーを、AG08では標準装備しました。フロントパネル左側中央のツマミを回すだけで、配信時でもリアルタイムで声を変えることができるのです」(滝澤さん)
このボイスチェンジャーのほかにも、AGシリーズに共通で搭載されているコンプレッサー/EQ、リバーブや、さらにディレイも新たに追加されるなどエフェクト機能が充実しているので、より多彩な音声を作り上げることが可能になっている。
「これらのエフェクトもAG08 Controller で細かい調整ができますので、ロボットボイスや声の性別変更など、より好みのニュアンスに仕上げられると思います。さらにフロントパネル左下のCH1 PRESET (エフェクトプリセットボタン)に設定を登録すれば、ボタンを押すだけで呼び出すことができます。ボタンは4つありますので、4種類の声を使い分けて配信することもできるというわけですね」(滝澤さん)
こうした効果音や声の変調といったエンタメ要素の強化だけでなく、パフォーマンスをスムーズにさせる機能も充実している。話し始めると自動的にBGMの音量を下げるダッカー機能や、フットスイッチへの対応などがそうだ。
「これまでトーク中は、ツマミを操作してBGMの音量を下げていたのですが、新たに搭載されたダッカー機能を利用すれば、マイクに声が入った瞬間に自動でトークが聞きやすいBGM音量に下げてくれます。また、フットスイッチにミュート機能などを割り当てる事ができるので、例えば、楽器演奏の配信中にくしゃみが出そうになったとき、楽器で手がふさがっている状態でマイクの音量を操作したり、本体のミュートボタンを押したりするのは難しいですよね。AG08は、フットスイッチのミュートをどのチャンネルに機能するかも設定できるので、くしゃみ(=自身のマイク音声)のみをミュートし、演奏音、BGMなどはそのまま、ということも可能です。これらの新機能はトークに集中したいという方、楽器演奏やゲーム配信をしている方には重宝するのではないでしょうか」(滝澤さん)
トークとBGMの音量バランスやノイズ音などのカットは、視聴者が“ストレスなく観られる”ことに繋がるので、これもありがたい機能だ。
音量といえば、視聴者が聴きやすいボリュームで配信できているか心配になることもあるだろうが、それを解決してくれる機能もAG08には搭載されている。
「配信元の音が小さすぎて、視聴者がパソコンやスマホのボリュームを上げても聞き取りづらいということがあります。配信元が音量を上げて配信すればいいのですが、気づかないこともあるかと思います。そこで、“マキシマイザー機能”を搭載しました。これをオンにしておけば配信元の音の音圧が上がるので、視聴者が聴こえにくくなることを軽減することができます。ちなみにフロントパネル右側にあるCUEボタンを押せば、配信されている音をそのままヘッドホンで聴けるので、配信中にリアルタイムで音をモニタリングできるようになっています」(滝澤さん)
ここまで紹介した新機能だけでも十分に魅力的なAG08。サウンドパッドやボイスチェンジャーといった、見えている部分プラス内部環境でも“あれがしたい、これがしたい”を叶える機能が加えられていますが、滝澤さんいわく、進化はこれだけに留まらないそうだ。
「マイク入力2つとヘッドホン出力2つ、それぞれ独立した端子が装備されているので、ふたりで一緒に配信することも可能です。ボリュームツマミも独立しているので、個々に最適な音量をコントロールできます」(滝澤さん)
1人でやっていた配信も2人でできるようになる。そんなシチュエーションの変化にも対応しているAG08は、人気の“ゲーム実況配信”でも力を発揮できるそうだ。
「最近のゲーム配信では、友達と音声チャットをしながらオンラインゲームをやり、それを配信するといった特殊なシチュエーションで行われることも多くなっていますが、そういったシーンにも対応しています。先ほどの音声チャットをしながらゲーム配信というシチュエーションに置き換えますと、AG08はパソコンへ送る音声デバイスを役割ごとに複数持っており、配信にはマイク音声・ゲーム音・チャット音声など全てを含む「Streaming」を配信アプリで選択、音声チャットアプリにはマイク音声のみがとおる「Voice」を選択することでチャット相手には不要なゲーム音を返さないということができます。また、音声チャットアプリはスマホで行いたい場合もスマホ用4極端子を装備しますので、スマホとAG08を4極ケーブル接続することで対応します」(滝澤さん)
音声チャットはLINE通話などスマホで行うという人が多いだろうし、パソコンで音声のやりとりをする場合でオンラインゲームも同時にやるとなれば、パソコンに負荷がかかってゲームの進行や配信にも影響するだろう。でもAG08であれば、複雑で心配の多い環境下でもスムーズにゲーム配信を行うことができるのだ。
「さらに、パソコン上のアプリ音声をAG08にある3つのフェーダーに任意で立ち上げる事が可能な点も、評価をいただいているポイントです。また、出力部分に“MIX OUT”端子を装備しているのですが、これは配信時の音源を使って動画を作りたいなど、外部機器への音声バックアップにも活用できます。また、CUBASEなどの音楽制作ソフトを活用し、配信中の全ての音声をチャンネルごとにマルチ録音し、後の動画編集に活用することも可能です」(滝澤さん)
これら魅力的な新機能はもちろん、従来のAGシリーズに搭載されていたコンデンサマイクの使用が可能なファンタム電源や、ヘッドセットへの対応、エレキギター用アンプシミュレーターといった機能も引き続き装備されているので、前モデルからの乗り換えも安心してできる。多様化する配信環境やパフォーマンスに柔軟に対応できるAG08は、よりハイクオリティな配信を可能にしてくれるだろう。
柔軟な入出力とボイスチェンジャー、サウンドパッド、エフェクトなどを内蔵した8チャンネルライブストリーミングミキサー
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文/ 飯島健一
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