今月の音遊人
今月の音遊人:五嶋みどりさん「私にとって音楽とは、常に真摯に向き合うものです」
17408views
【チケットプレゼント】二度とないスペシャルな一夜「Yamaha CUSTOM SAXOPHONE YAS-875EX 20th GALA CONCERT」/上野耕平インタビュー
この記事は4分で読めます
2314views
2023.3.15
2002年の誕生以来、多くのプレーヤーに愛され続けるヤマハカスタムサクソフォンYAS-875EX。愛用するアーティストが一堂に会する一夜限りのガラコンサートが2023年3月25日、ヤマハホールで開催される。
齊藤健太、池上政人、田中靖人、林田和之、上野耕平というサクソフォン界の俊英5名とピアノの羽石道代、そしてこの日のために集まったスペシャルストリングス。
「超スペシャルな一夜になると思います。自分が出演しないなら、観客として行きたいです」と笑顔を見せる上野に、見どころやYAS-875EXの魅力を聴いた。
「これだけのプレーヤーの演奏を、同じホールで一夜にして聴けるのはすごいことなんです。僕自身、クラシックサクソフォン奏者との共演は自分のカルテット『The Rev Saxophone Quartet』だけで、これまで経験がありません。そして、今後もおそらくないかもしれません。同じ楽器でも、プレーヤーごとにその個性を引き出した演奏になると思いますので、その違いも聴いていただきたいです」
プログラムは、齊藤×池上×羽石による『チェイサー』(星出尚志)、田中×羽石の『モリコーネ・パラダイス』(E.モリコーネ/真島俊夫編)、林田×羽石の『パントマイム』(P.スパーク)。そして、上野とストリングスによる『サクソフォン協奏曲』(L.E.ラーション)がトリを飾る。
「『サクソフォン協奏曲』は、北欧の作曲家がつくったクラシックサクソフォンのためのオリジナルで、音楽的にも魅力的な作品です。第二楽章はとても美しく、ヤマハホールで聴いたら天から音が降ってくるように感じると思いますよ」
聴きどころは、やはりその第二楽章にあるのだろうと思いきや、上野はきっぱり言い切った。
「いえいえ、全部です。この日一番聴いてほしいのは、サクソフォンは艶やかでいい音で吹くだけの楽器ではないということ。どん底や悲鳴のような音が出たり、そうかと思えば天から降ってくる音に聴こえたり。サクソフォンは、瞬時に変幻自在に音色が変えられる楽器です。この曲は、そうした表現の幅広さがよくわかる作品です」
さらに、オリジナル編成のストリングスのメンバーは、上野が直々にオファーした才能あふれる若手たち。上野が考える、クラシックサクソフォンの未来を示唆する演奏になりそうだ。
サクソフォンは、音を出すこと自体は難しくない楽器といわれている一方で、その先、本当にいい音を出すのは決して容易なことではない。
「人それぞれの声になっていくのには、時間がかかります。人生が音色にあらわれるといったらいいでしょうか。今回の出演者のみなさんはキャリアを重ねた方が多く、全プログラムをとおして奏者それぞれの声が聴けると思います」
もちろん、同じ奏者でも声は変わっていく。上野も「昔と全然違う」と指摘されるという。
「10年前は、いかに艶があって煌びやかな音を並べるかに専心していたのですが、そこから、価値観がアップデートされていき、そして、今もなお変わり続けている実感はあります。『サクソフォン協奏曲』を初めて演奏したのは高校2年生のときでしたが、同じ譜面でもあのとき見ていた音符と今見る音符ではちょっと景色が違うんです。どの曲でもそうですね」
それは奏者にとって、演奏し続けることの面白さ。同時に、聴き手としては聴き続けることの面白さだ。今回のコンサートでは、錚々たるサクソフォンプレーヤーの“今の声”をたっぷり堪能することができる。
現在、上野が使用しているのは、ヤマハのカスタムモデルYSS-875EXG(ソプラノ)と購入したその日に即コンサートで披露したというバリトン初のカスタムモデルYBS-82。そして、もっとも使用頻度が高く、今回のコンサートでも使うYAS-875EXG(金メッキ仕上げモデル)だ。
中学1年生のとき、師である須川展也氏のサクソフォンを吹かせてもらう機会があった。
「自分のなかにすんなり入ってくる感じでした。なんていいんだろうと感動し、同じものを買ってもらいました」
それが、初代のYAS-875EX。大学1年生のときに日本管打楽器コンクールで第1位・特別大賞を受賞した後は、前モデルのYAS-875EXGに。その後、2015年には13年ぶりにモデルチェンジされたYAS-875EXが登場する。
「YAS-875EXを手にしてから日が浅かったのですが、我慢できずに2019年秋に新モデルのYAS-875EXGを購入しました。音域での音色のバラつきもありませんし、ナチュラルであることで音楽の本質に近づける。現在、望み得る最高の楽器です」
アドルフ・サックスがサクソフォンという楽器を開発したのは1840年代と、さほど昔のことではない。サクソフォンの曲もまだまだ少なく、楽器としてのすべてのポテンシャルは発揮できていないのでは?と、上野は考える。そのため、委嘱活動にも積極的に取り組んでいる。
「クラシックでありながら歴史をつくっていく過程を今リアルに目撃できる、数少ない楽器がサクソフォンではないでしょうか。」
そして、サクソフォンがその真価を発揮するため、ひとつの足跡を残そうとしているのが今回のコンサートだと熱く語った。
「おそらく、こういう貴重な機会は今後ないと思います。演奏会は空間の共有です。空気の振動や息遣いも、ぜひヤマハホールで聴いていただきたいです」
日時:2023年3月25日(土)18:00開演(17:30開場)
会場:ヤマハホール(東京都中央区銀座7-9-14)
料金:一般 6,000円/学生 4,000円(税込・全席指定)
出演:齊藤健太(サクソフォン)、池上政人(サクソフォン)、田中靖人(サクソフォン)、林田和之(サクソフォン)、上野耕平(サクソフォン)with strings、羽石道代(ピアノ)
曲目:星出尚志/チェイサー、E.モリコーネ(真島俊夫編)/モリコーネ・パラダイス、P.スパーク/パントマイム、L.E.ラーション/サクソフォン協奏曲 ほか
詳細はこちら
この公演のチケットを抽選で3名様にプレゼントします。
応募方法:Web音遊人Facebookメッセンジャーに「YAS-875EXガラコンサート チケットプレゼント応募」とご記入のうえ、送信してください。
応募締切:2023年3月20日(月)AM11:00
※当選された方にのみ、Facebookメッセンジャーでご連絡します(3月22日予定)。
応募(Web音遊人Facebook)はこちら