今月の音遊人
今月の音遊人:松居慶子さん「音楽は生きとし生けるものにとって栄養のようなもの」
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管楽器には、木管楽器と金管楽器の2種類があります。金管楽器は文字通り、本体が金属でできている楽器で、木管楽器に比べて自分でできるお手入れが多いといわれています。今回は、管体、ウォーターキイ、ピストンなど、パーツごとのお手入れ方法をご紹介します。
長く楽器を使っていると、管体の表面に緑色の汚れが付くことがあります。これは、銅が酸化して生成される「緑青(ろくしょう)」と呼ばれる錆で、管体の表面塗装が剝がれ、中の真鍮がむき出しになったところに多く発生します。緑青が付いた場合、メタルポリッシュで磨くことをおすすめしますが、研磨力が比較的強いため、塗装が残っている部分に使用すると塗装が剝がれてしまうので注意してください。
銀メッキ仕上げの楽器の場合は、表面の銀が空気に触れると酸化して錆び、黒ずんでくるので、シルバーポリッシュで磨きましょう。
ラッカー仕上げの楽器は、手汗の塩分によって表面塗装が剝がれてしまうこともあります。演奏後は乾拭きもしくはラッカーポリッシュを使って汚れを拭き取ってください。
管体内に水分が残ったまま放置しておくと、錆が発生する原因になります。もし水がたまってしまった場合は、ウォーターキイの付いているところから水分を出しましょう。さらに、スワブを使ってマウスピースや管体に残った水分を取り除いてください。
管体内を掃除する際、抜差管を斜めに引き抜くと、抜けなくなったり、楽器がゆがんだりする原因になります。ピストンやレバーを押した状態で、必ず真っすぐに引き抜くようにしてください。
ウォーターキイのコルク部分は消耗品です。経年変化により劣化すると、ウォーターキイの穴をきちんと塞げず、息漏れや水漏れの原因になります。コルクは定期的に交換することをおすすめします。
ピストンは、斜めに押すと歪みが生じて動きが悪くなることがあります。上から真っすぐ押すようにしてください。そのほか、ピストン内部に埃やゴミが入っていたり、オイルが不足していたりすると、動きが悪くなります。ガーゼなどで汚れや古いオイルをきれいに拭き取り、定期的に新しいオイルをさすようにしましょう。
楽器によってお手入れの方法や道具は異なります。各楽器専用のものを事前に確認するようにしましょう。すべての楽器にいえることですが、水分をしっかり取り除いたうえでケースに収納し、直射日光が当たらない、風通しのよい場所で保管することも非常に大切です。
文/ 音遊人編集部
tagged: 金管楽器, お客様コミュニケーションセンター, Q&A, お手入れ, パーツ
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