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今月の音遊人:世良公則さん「僕にとって音楽は、ロックに魅了された中学生時代から“引き続けている1本の線”なんです」
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日常から生まれたフレーズで完成した“独り言”のようなアルバム『SOLILOQUY』/Charインタビュー
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2023.8.8
2023年、デビュー46年目に突入し、いまもなお日本を代表するギタリストの一人として走り続けるChar。その革新的なギタープレイとジャンルを飛び越えたフレキシブルな音楽性は、多くのアーティストの羨望であり、目標となっている。
そんな彼がリリースする最新アルバム『SOLILOQUY』は、2009年に自身のレーベルであるZICCA RECORDSを立ち上げたときから録りためていたアイディアをもとに、ギター演奏はもちろん、トラックメイキングからプロデュースまで、すべて独りで作り上げた珠玉のインストゥルメンタル・アルバムだ。
「毎日ギターを弾いたり、ピアノを弾いたりしていると、“こういうフレーズはまだ作ったことがないな”とか、“こんなコードは弾いたことがないな”というのがいろいろ出てくる。そういったものをパソコンに録音し、データ化したものがたくさんあって。あとはフレームを付けるだけで絵画になる、というレベルのものはミュージシャンを集めてレコーディングして、リリースしたりもしたけれど、デッサンのような状態のまま終わっているものもある。それらを改めて自分独りで完成させたのが、この『SOLILOQUY』なんだよね」
憧れのジェフ・ベックからインスピレーションを受けたという『Jeff~Soliloquy~』のような曲もあれば、骨太なリズムをバックにギターがグルーヴィーに歌いまくる『Gojimade Matenai』や、軽快なカッティングが爽やかな夏空を想起させる『Micca Bozer』など、ジャンル感もギターの響きも千差万別な12曲が収録されている。どの曲も自由で、欲しい音が素直に表現されており、まさにCharそのものが音となり鳴っているように感じられる。
「なにかコンセプトがあるわけじゃない。日常のなかで思いついたフレーズがひとつの文章になったり、絵になったりしただけのようなもので、共通するのは“全部俺ひとりでやっている”ということ。だから、まさに“独り言(SOLILOQUY)”という感じだよね」
レーベルが設立された2009年から14年間、その膨大な時間のなかで常にアイディアは生まれ続けてきた。それを可能にしたのは、Charがギターという楽器に深く魅了されているからだ。
「昔は70歳近くになるまでギターを弾いてるなんて思わなかったけど、いまもこうして弾いてるってことは、それだけ楽器としての深さがエレキギターにはあったってことなんだよね、きっと。だって飽きないんだもん。例えば、最近小指使ってないなと思って、モーツァルトの『トルコ行進曲』を練習してるんだけど、ピアノならなんなく弾けても、ギターだとちゃんと小指を使わないと弾けないんだよ。もちろん面倒くさい、辞めたいって思うこともあるけど、やり続けるのは、まだまだ上手くなりたいからなんだよ」
そんなCharは、作品づくりはもちろん、ライブ活動も精力的に続けている。2022年はデビュー45周年記念のツアーを敢行し、2023年に入ってからもCharが10代のときに所属していた幻のバンドSmoky Medicineの復活ライブをはじめ、さまざまなイベントに出演している。
「やっぱりライブ、人の前で演奏したいっていうのが一番にあるよね。それをやるために曲を作っているのかもしれないね。スタジオクラフトっていうのは時間的制約もあって、割り切って作っている部分があるけれど、ライブっていうのはやり直しがきかないじゃん。あの緊張感が好きなんだよね」
ギターに魅了され、ライブに魅了され、走り続けるギターヒーローChar。アルバム『SOLILOQUY』で感じる自由な音楽のエネルギーは、彼が前進し続ける限り生まれ続け、これからも我々を魅了してくれることだろう。
発売元:ZICCA RECORDS
発売日:2023年7月31日(月)
価格:3,000円(税抜)
※初回盤(CD+トートバッグ):5,500円(税抜)
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文/ 飯島健一
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tagged: ギター, インタビュー, アルバム, Char
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