今月の音遊人
今月の音遊人:家入レオさん「言葉に入りきらない気持ちを相手に伝えてくれるのが音楽です」
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神社境内にある町会会館から聴こえてきたのは、リトル・エヴァの『ロコモーション』やジーン・ピットニーの『ルイジアナ・ママ』といったオールディーズ。「The ENDLESS」は、間近に迫った町会夏祭りの出演に向けて練習中だった。
メンバーは、20代から70代までの6人。かなり幅広い年齢層だが、全員、東京都福生市の同じ町内会の仲間。リーダーで七十代の石川豪一さんは、若いころはセミプロのドラマーだったそう。
「私も歌が好きで、バンドやりたいねってリーダーと話したのが始まりです」と話すのは、ボーカル&サクソフォン担当の川上節子さん。さらに、自宅でピアノ教室を開いている森谷裕子さんを加えた三人が、結成当初からのメンバーだ。「両親がオールディーズ世代。生まれたときから聴いていて、大好きなんです」と熱く語る川上さんがリードする形で、ジャンルはオールディーズに決定した。
その後、石川さんに説得されたギターの土井鑛一さんと、「ベースはやったことがないから」と断り続けていた山﨑一穂さんが「酔った勢い(笑)」でメンバーに。コーラスとボーカル、キーボードを担当する最年少の清水翔子さんは、川上さんの娘だ。
「私もオールディーズが大好き。高校時代からバンドをやっていたんですが、世代的にオールディーズは仲間がいなくて。母がうらやましくて、最初はお手伝いみたいな感じでちょっとずつ入っていきました」(清水さん)
練習は毎週月曜の夜、町会会館で行っている。ギター歴こそ長いもののベースは初挑戦だった山﨑さんは、教室に通い、練習を積んでめきめきと腕を上げた。川上さんがサクソフォンを始めたのも、バンドを結成してから。それぞれが各自で腕を磨き、週一回の練習に臨む。
「音楽ってハーモニー、和だよね。だから、ひとつになったときの達成感がいい」と石川さん。
「日常生活では〝仲間〞なんていえない大先輩方。でも、音楽で年齢の垣根を取り払ってひとつになれるのがいいと思います」と清水さんがいえば、「大先輩じゃなくて年寄りだろ(笑)」と石川さんが突っ込みを入れる。メンバーが集まれば、笑いが絶えない。
結成から6年目。神社の例大祭や町会祭り、地域のフェスティバルなどの出演のほか、月1~2回はライブハウスからの依頼を受けてライブ活動を行う腕前。活躍する場が増えるとともに、「メンバー全員で、衣装選びも楽しんでます」と森谷さんはいう。
今後もどんどんライブをやっていきたいと意気込みを語る彼ら。そのバンド名には、長く活動を続けたいという思いが込もっている。
●バンド名
The ENDLESS(ジ・エンドレス)
●結成時期
2009年12月
●モットー
名曲はエンドレス、永久(とわ)に活動を!
●練習頻度
週1回
●平均年齢
55歳
●メンバー
リーダーはドラム担当の「ヒデカッチャン」こと石川豪一さん。ボーカル&サクソフォン担当の「secchu」こと川上節子さん、ギター担当の「こうちゃん」こと土井鑛一さん、ベース担当の「ippo-chan」こと山﨑一穂さん、リード・キーボード担当の「shoko」こと清水翔子さん、セカンド・キーボード担当の「ひろちゃん」こと森谷裕子さんの計6名によるオールディーズ・バンド。川上さんがサクソフォンを吹く曲では清水さんがメインボーカルを担当している。
●活動内容
月1~2回のペースで東京・立川や福生のライブハウスに出演。神社の例大祭や町会祭り、地域のフェスティバルなどのイベントで演奏するほか、老人ホームの慰問ライブも行う。
文/ 福田素子
photo/ 小杉久美子
tagged: アマチュアミュージシャン, われら音遊人, The ENDLESS
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