今月の音遊人
今月の音遊人:菅野祐悟さん「音楽は、自分が美しいと思うものを作り上げるために必要なもの」
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NX-N500の真の特長とは?
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2015.11.6
tagged: Bluetooth ®, ネットワーク・パワードスピーカー, NX-N500, MusicCast, Wi-Fi, MusicCast CONTROLLER, USB DAC機能
NX-N500の特長は機能だけではありません。本格的なオーディオ用スピーカーと同等の高音質設計こそ、真の特長です。
ヤマハ伝統の三方留め構造を採用した高剛性エンクロージャー、そして、高音用と低音用のユニットをそれぞれ駆動する2組のアンプを備えたバイアンプ構成を採用。アンプの電源部はトランスを使ったアナログ電源を採用し、音質にも配慮しています。実はこの構成は、業務用モニタースピーカーとまったく同様のもの。プロの現場で人気の高いアクティブスピーカーを元に、家庭用として音質をチューニングし、ネットワーク機能やUSB DAC機能を盛り込んだのが、NX-N500なのです。
こうした業務用モニタースピーカーに近い本格的な音質設計を感じさせるのが、左右独立で内蔵したアンプ。一般的なアクティブスピーカーはアンプを片側に内蔵しており、電源もひとつで便利、配線も容易です。しかし、左右のスピーカーを駆動する条件が異なってしまうため、音質的には少々影響が出てしまいます。NX-N500はそれぞれのバイアンプ構造のアンプ回路が左右で独立しているので、左右のスピーカーを同一の条件で再生できます。また、左右の信号が混じり合ってしまうことも大幅に減り、ステレオ再生の奥行きのある音場がより豊かになります。左右のスピーカーの信号接続もバランス接続を行っており、そのメリットを最大限活かせるように工夫しています。この結果、電源コードが左右それぞれ必要となり、配線は少し複雑になっていますが、これも音質を最優先した結果なのです。
使用するスピーカーユニットは、家庭用として新設計されたユニットを採用。Soavoシリーズなどヤマハの高級スピーカーで使われる「New A-PMD振動板」を採用した13cmウーファーと、ハイレゾ音源に対応する40kHzまでの広帯域再生が可能な3cmソフトドームツィーターを搭載しました。その音は、ニュアンスの豊かさや繊細な空気感を再現する情報量の高さが印象的。ボーカルがスピーカーの中央に浮かぶような明瞭なステージが楽しめます。感心したのは、情報量が豊かで音像も明瞭なのに、不自然に音の輪郭が強調されたようにはならず、あくまでも自然な空気感と音の立体感を感じられるナチュラルな質感であること。声のニュアンスも豊かで生々しく、そこに歌い手が現れたようなイメージになります。
また、ピアノの演奏では、透き通るような中高音域の音色に加えて、低音パートの力強い響きやタッチの強弱のダイナミックな迫力も存分に味わえます。音楽を等身大で感じられる雄大なスケールの表現にも秀でています。
USB DACやネットワーク機能を内蔵しているので、PCを使ってオリジナルの音楽制作を行うDTMといった用途で使うことも可能です。書斎などに置くシンプルなオーディオ装置としては、音質重視の設計を含めて満足度は高いと思います。
また、スピーカーを置くだけで完結できる最小単位のオーディオシステムとして、リビングのオーディオに使うのも良さそうです。光デジタル入力端子も備えているので、テレビの音を高音質で楽しむなど、家族みんなで使えるオーディオとして活用できるのです。
今までのオーディオ装置のようにさまざまな機器を揃えることなく、スピーカー2本だけで使えるネットワーク・パワードスピーカーのNX-N500は、省スペースながらも本格的な音が楽しめる新しいスタイルのオーディオ。大きな機器をいくつも組み合わせるオーディオに負担を感じている人にもおすすめのモデルです。
USB DACとネットワーク機能を内蔵した省スペースデザイン。スタジオモニタースタイルのネットワーク・パワードスピーカー