今月の音遊人
今月の音遊人:神保彰さん「音楽によって、人生に大きな広がりを獲得できたと思います」
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究極のエンタメ「ブラスト!」の原点ともいえるオリジナルバージョンが10年ぶりに帰ってくる!
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2024.7.19
tagged: 金管楽器, 打楽器, パフォーマンス, トランペット, パーカッション, カラー・ガード, ブラスト!, blast
「ブラスト!」は、アメリカの南北戦争に起源をもつ伝統的なドラム・コー(太鼓隊)とマーチングバンドを現代にショーアップした究極のエンターテインメント。12種類以上の金管楽器からなる「ブラス」、51種類以上の打楽器による「パーカッション」、そしてフラッグや(ライフルやサーベルなどを模した)手具を駆使したダンスで魅せる「ヴィジュアル・アンサンブル(ダンサー/カラー・ガード)」の3つのパートで構成され、それぞれが驚異的なパフォーマンスを披露する。本国でトニー賞やエミー賞に輝き、日本でも2003年の初来日以来、12回のツアー(※全880公演/130万人以上を動員)を成功させてきた圧巻のショーが、2024年7月から13回目の来日ツアー(21都市48公演)を開催。
総勢34名のパフォーマーが出演するなかで日本人キャストは4人。とりわけパーカッショニストの石川直は、2000年に日本人初の「ブラスト!」入団を果たし、ブロードウェイの舞台にも立った“レジェンド”。国内でのブラストシリーズは2003年の初来日ツアーから全てに参加し、ショーの一部アレンジにも関わるとともに、グループのまとめ役でもある。またトランペット奏者の米所裕夢も2011年に最年少で入団し、2016年、2017年、2019年の「ブラスト!:ミュージック・オブ・ディズニー」では、フリューゲルホルンのソリストとして日本の各会場を沸かせたのも記憶に新しい。
「ステージの上では凄腕ドラマーとしてクールなイメージの石川さんですが、実はシュールなジョークを飛ばしてみんなの緊張を解いたり、現場を和ませたりしてくれるムードメーカー。楽器のことだけでなく、プライベートでもいろんな相談にのってくれる面倒見のいい兄貴です」(米所)
「最初に出会った時、米所くんはまだティーンエイジャーだった。一緒にやり始めて12年目になりますが、今では何でも任せられる頼れる男になりましたね」(石川)
そんなお馴染みの顔ぶれに加えて、オーディションを経て新しく加入した2名の若きキャスト。吹奏楽部強豪校の出身でドラム・コーの世界大会DCI(Drum Corps International)にてリード・トランペットを務めた渋田華暖と、19歳で渡米してDCIへは3シーズン出場しWGI(Winter Guard International)にも参加したヴィジュアル・アンサンブルの丹澤里穂菜が、この夏、日本で「ブラスト!」デビューを果たす。
「小学5年生の時に初めて公演を生で観て以来、入団を人生の目標にしていました。沢山の奏者がいて、それぞれが自分の楽器に対する強い想いで溢れているけれど、私も自分の色を出せるように全力で取り組みたいです」(渋田)
「石川さんも米所さんも演奏していない時から常にプロフェッショナル。私もステージに立つ前から気を引き締めていきたいです」(丹澤)
「“ブラスト愛”がすべて(笑)。テクニックを磨いたり音楽性を追求したりすることも大切だけど、結局は人と人との化学反応だからファミリー感が大事だと思っています。お互いの絆が強くなればなるほど演奏も深まり、濃くなっていきます」(石川)
取材時、特別に4人で短いパフォーマンスを披露してもらったが、少人数ながら圧巻。石川のドラムは正確なテンポを刻みつつ、そのサウンドは大地を揺るがしかねない程の迫力だ。米所と渋田による華やかなフリューゲルホルンとトランペットがパワフルに響きわたるなか、丹澤のフラッグが軽やかに舞う。
「とにかくマーチングのスネアドラムはひたすら叩き続ける楽器なので、ちょっとやそっとじゃ壊れない頑丈なつくりが重要です。本番では総勢8人で叩くのでド迫力なのは間違いありません」(石川)
「本番では僕ら2人の他に4人のトランペットが加わり、トロンボーンにチューバ、フレンチホルンも複数が勢揃いするので壮観です。あと僕はフリューゲルホルンを吹くことも多く、ずっと自分が求める音を探していたのですが、ヤマハの楽器と出会って理想の音色をみつけました」(米所)
「音楽にさまざまなジャンルがあるように、ヴィジュアル・アンサンブルもひとつの表現方法。いろんな道具を駆使してカラフルなパフォーマンスを披露しますので、どうかお楽しみに」(丹澤)
2024年の日本ツアーは10年ぶりに上演される「ブラスト!」シリーズの原点ともいえるオリジナルバージョンをベースに現代のフレーバーでアップデートしたもの。テーマは「EMOTIONAL JOURNEY(色と感情の旅)」。“静”から“動”へ完璧で美しいフォーメーションを誇るラヴェル作曲の『ボレロ』を皮切りに、絶えず動き回るパフォーマーと劇的な色使いが聴衆の感情を揺さぶる。
「象徴的なのは、たとえば第1幕後半の“ブラック”をテーマにしたセクションで行われるドラムのバトル。ドラマー同士がスティックを手に、まるで殴り合うかのような激しい殺陣を演じます。そんなダークなアクションシーンもあれば、“ブルー”をテーマにブルースやジャズを演奏し、“レッド”では情熱的な楽曲が登場する。また“イエロー”はヴィジュアル・アンサンブルの見せ場で、一糸乱れぬ振付を披露できると思います」(石川)
「もの凄い音圧で吹くことも、静かに歌い上げることもできる僕らブラスパートのハイライトは〈マラゲーニャ〉と呼ばれる第2幕のラストです。最初の静かな暗闇から徐々にボルテージが上がってきて、ある瞬間から一気に爆発して全員がフォルティッシモで盛り上がる。ヴィジュアル的にも非常にド派手なので、きっとお客さんの記憶に残る場面になるはずです」(米所)
「ブラスト!」ファンにとっては定番の、休憩時間パフォーマンスや終演後のキャストとのミート&グリートも、もちろん健在。さらには日本ツアーだけの特別な選曲もあるというから、今から開幕が楽しみだ。
「演奏する僕らもプレイヤー冥利に尽きるワクワクの内容。特に吹奏楽部などで楽器をやっている方にはおオススメです。ぜひ足を運んでいただけますように」(米所)
「楽器演奏ともども、ヴィジュアル・アンサンブルも必見です」(丹澤)
「ずっと憧れていた夢の舞台に立てることが嬉しい。目標に向かって努力を続けている人に希望を与えられるように頑張ります」(渋田)
「音楽的に興味があれば、より深く楽しめることをお約束できます。でも予備知識など一切必要ありません。ふらっと夏祭りやパーティーに来る感覚で、遊園地に遊びに行くようなつもりで立ち寄っていただくのも大歓迎です。きっと驚きと感動の体験が待っているので……お待ちしています!」(石川)
圧倒的なサウンドと視覚効果で観客を魅了するアメリカ生まれの夢のステージを、この夏、その目と耳で体感して欲しい。
日時:2024年7月28日(日)~9月16日(月・祝) 21都市48公演 全国ツアー開催
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